第17話:学園祭とチクワブの反乱(後編)
学園祭の閉会式は、生徒も保護者も入り乱れての大騒ぎ。
その中心、ステージ上に立つのは、あの地球外担任・化世ヒカリ。そしてその対面には、鬼の学年主任・荒巻先生が腕を組んで仁王立ちしていた。
マイクを通じて荒巻の怒声が響く。
「生徒の安全を無視した無謀な料理実験! 無認可素材の提供! 宇宙ちくわぶという謎物質の乱用! 教員として──いや、地球市民として失格だッ!!」
「どこの国際法で怒ってんだ!?」
俺たちは客席で固唾を呑んで見守っていた。
先生は、いつもの棒読み口調で答える。
「確カニ、説明不足ハ認メマス。しかし、“ちくわぶ”ハ、宇宙ト地球ヲ結ブ可能性ヲ持ッタ文化食材デス」
「無理あるな!?」
荒巻「ふざけるな! 衛生法違反で即時解雇だ! お前には教師の資格は──」
「異議アリッ!!」
突如、客席から声が飛んだ。
立ち上がったのは……校長だった。
「私は、昨日ちくわぶラテを飲み、銀河の彼方へ飛ばされたような気持ちになった。あれは感動だった!」
「味じゃなくてラリってたのでは!?!?」
さらに、教頭、PTA会長、果ては一部の保護者まで次々と立ち上がった。
「私、あのちくわぶティラミスでプロポーズ成功しました!」
「家の子、偏食だったのに、宇宙ちくわぶだけはバクバク食べてて……感謝してます!」
「ていうか、地球ちくわぶよりうまいぞ!」
なんか思ってた裁判と違うぞ!?
場内が妙な熱気に包まれていく。
すると、化世先生がすっと右手を挙げた。
「最終証拠、提出シマス」
背後のカーテンが開き、そこに現れたのは……
「チクワブ=ナンデヤネン13世」。
……って誰!?
「宇宙ちくわぶ学会より派遣サレタ、正式ナ味覚判定員デス」
その生物(見た目は喋る大根巻き)は壇上に用意されたちくわぶ料理を一つ一つ吟味し、
「ンーーー、ウマイデス! 銀河公認! 地球販売、ヨシ!!」
と、親指(的な突起)を立てた。
これが効いたのか、ついに荒巻先生が吠える。
「……わかった。そこまで言うなら、最後に一つ、勝負だ!」
「勝負……?」
「この場で俺が出す“純・地球ちくわぶ”と、貴様の“宇宙ちくわぶ”、どちらがうまいか。審査員は生徒たちだ!」
その瞬間、教室にいた全員がどよめいた。
──そして始まる、ちくわぶ料理対決・地球vs宇宙編。
荒巻が作るのは、王道の「ちくわぶおでん」。
一方、化世先生は静かに鍋を取り出し──
「“第四銀河式・時間逆流チクワブ”デス」
「時間逆流!?」
なんか鍋の中でちくわぶが若返っていってる!
完成した料理を、緊張の面持ちで生徒たちが試食する。




