第12話:事後学習と(非)日常の再開
宇宙修学旅行から帰ってきた翌週。俺たちはふつうに学校へ戻り、ふつうに教室で、ふつうに……いや、やっぱりふつうじゃなかった。
「では皆サン、事後学習トシテ、宇宙修学旅行ノレポートヲ提出シテクダサイ」
そう言って化世先生が黒板に貼り出したのは、A4用紙8枚分の記入欄と、謎の数式がびっしり書かれた“宇宙感想マトリクス”。
「え、感想にニュートリノ使う!? これ国語の授業だよね!?」
隣では田所が、自分の書いた感想文が勝手に動き出し「読まないで!」と逃げ出していた。
「こいつ、“感情過剰インク”使ったな……」
教室の隅では、女子が宇宙旅行で拾った“ふわふわ球体”をペット化していて、それが勝手に教科書を食べる事件も発生。
「返せ!俺の未来が書いてあるんだぞ、それ!」
先生は特に止める様子もなく、窓の外で空中浮遊の練習をしていた。
「コレハ体育ノ一環デス」
「いや、誰も浮けてねーよ!」
その日、先生は全員のレポートを読みながら、ひとことずつ講評を加えていった。
「田所クン、コノ“無限バナナの逆襲”トイウ表現、秀逸デス」
「佐藤サン、感情の曲線ガキレイニ右肩上ガリ」
「高橋クン、“自分探しで次元をまたいだ”ノ記述ハ、将来ノ参考資料ニシマス」
一周回って、全員が宇宙人に近づいている気がした。
そんな中、教室の隅に謎のカプセルが転がっていた。開けると中には、見たことのない…次の転校生の紹介状が。
「来週、“時間逆行系男子”ガ来マス。仲良クシテネ」
「時間逆行系!? 何その属性!」
日常に戻ったはずの教室で、また非日常の扉がそっと開いた。
俺たちの学園生活は、どうやらまだまだ続きそうだ。




