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Leaver and Stayer Online  作者: 星海 しいふ
第1章 青の咆哮、結ぶ誓い
22/28

青き龍は海を旅する─攻防─

セイリュウ戦の途中なのにSFパート書きたすぎてやばい。

↑などとほざいている過去の私に言いたい。もっと書き溜めしておけ……


「攻撃と防御を30秒間隔で入れ換える?」

「ああ。攻撃役が攻撃に専念し、防御役が防御と時間の確認、入れ換えの合図を出す」

「2人とも攻撃すればいいのではないのか?」


 ランシュの意見もわかる。状況次第では俺も2人で攻撃を選んでいただろう。


「ランシュ、一番マズいパターンは何だと思う?」

「初手一撃で2人とも殺されることか?」

「セイリュウにそれができるならもう対処のしようがないだろ……一番マズいのは、2人とも防御で手一杯になることだ」

「なるほど」

「2人で攻撃を仕掛ければ、当然防御も各自行うことになる。2人ともが後手に回れば、ジリ貧で殺られる。それに、俺の場合はスキルの効果が切れたとき、あまり移動できない。魔力は攻撃用に取っておきたいからな」


 故に、役割を分担する。空中浮遊や海上歩行のスキルのリキャストのタイミングを上手く調整して、攻撃と防御を入れ換える。

 動けないときは防御に徹し、動けるときに攻撃する。ランシュの場合は動けるタイミングで防御に回ることもあるが。






「おかしいな」


 俺はセイリュウの挙動に違和感を感じていた。


 まず、渦の攻撃を使ってこない。ランシュの話では鱗と砲撃に加えて、攻撃にも防御にも使える渦の攻撃も使うはずだが、戦闘開始から予備動作すら見せない。


 次に、鱗を分散させていない。基本的に一纏めにして撃ってる。数もそこまで多くない上に分散もなく、多方向からの立体的な攻撃をしてこない。


 さらに、足場を最優先に狙わない。初撃でセイリュウに迫るランシュではなく、舟を狙ったあたり優先度は高いようだが、氷の足場を攻撃する様子は見せていない。

 氷が小さいため、足場ではなくスキルで海面に立っていると勘違いしている可能性もあるが。


 そして、何より攻撃が単調。複数を狙う様子を見せないし、言葉を理解するというわりに、俺たちの作戦を考慮したような動きを見せない。

 言葉がわかるならスイッチの掛け声で役割が交換されているのも察することはできるはず。防御役に攻撃が防がれるのはわかっているなら、防御役を積極的に狙って防御のリソースを削り、攻撃役の防御を薄くした上で、肉薄してきた攻撃役に物理攻撃で確実にダメージを与えていくのが効果的だ。

 俺たちも、それをされることを想定した作戦も立ててある。


 ランダムで適当に攻撃対象を選ぶような挙動、高くない攻撃密度、稀に見せる殺意の高い連続攻撃、ランシュも伝え聞いただけで実際に戦ったわけではないとはいえ、事前情報より遥かに弱く感じるこの違和感。


「手加減されてる……?」


 これくらいなら、NPCが数で攻めればどうとでもなる気がする。


 何らかの条件でモーションが変化、もしくは制限されるタイプのモンスターなのか?

 だとすれば条件は戦闘時間、種族、職業、遭遇回数、セイリュウ側の累計の戦闘回数、パーティにプレイヤーがいるかどうか、初遭遇かどうか……やっぱ一番可能性が高いのは人数か、或いはパーティの平均レベルか?


 ゴーンと鐘の音が俺を思考の海から連れ戻す。


「スイッチだぞ。考え事は終わったか?戦闘に集中してくれ」

「ああ、すまん」


 俺は欠けた蛇牙刃(タッタードファング)を構え、虚空を踏みしめる。


 ホバリングアスレチック上級の報酬、スカイホバリング。空中浮遊のスキルでセイリュウに肉薄、俺の立っていた氷にランシュが乗る。


 俺が駆け出すと同時に、海中から水の鱗が現れる。そして、その鱗はランシュに向かって飛んでいった。


「俺をフル無視!?」


 セイリュウの足場を真っ先に潰す性質がここで発揮されたか、はたまた気紛れか。


「ランシュ!」

「構うな!」


 ランシュはカイトシールドで鱗を受け止める。


「嘘だろ!?」


 さらにセイリュウは砲撃の構えを見せる。だが、さっきよりも口元に集まる水の色が濃い。


「ランシュ、クリスタル!」


 氷の足場では踏ん張りが効かない。魔法記憶水晶(マジッククリスタル)だけで対処できなかった場合、盾で攻撃を防げても、勢いまでは殺し切れずに海に落ちるかもしれない。


魔法記憶水晶(マジッククリスタル):堅硬盾(セギクラカ)!」

「セギルカ!」


 セギルカは、ある程度の大きさの調節が可能である。そして、小さくすればするほど防御力が上がる性質がある。

 俺はセギルカをギリギリまで小さくして発動する。明らかに砲撃が魔力の盾からはみ出る大きさだが、そもそもセギルカで防ぎきる必要はない。ただ障害物として砲撃の射線に割り込み、威力を減衰させるだけでいい。あとはセギクラカで守り切る。


「ダメ押しだクソが!」


 俺は欠けた蛇牙刃(タッタードファング)でセイリュウを斬りつける。少しでも威力を下げるため、悪あがきだろうが何だろうがやらないよりかはマシだ。


 セイリュウの砲撃はセギルカをぶち破り、セギクラカをも砕いた。だが──


「っぶねぇ」


 それと同時に勢いを失い、散り散りになった殺傷能力のない水が、雨のように盾に当たって弾かれる。


魔法付与(エンチャント):寒氷(ブリザード)


 毒と熱で攻める作戦、故に使うタイミングはできるだけ後半の方がよかったし、使わずに勝てるならその方がよかった。だが、ヘイトを買うためには欠けた蛇牙刃(タッタードファング)では足りない。


「お前の相手は……俺だろうがっ!」


 スキルによるバフ、初期設定で得意な魔法を指定したことで補正がかかった氷属性のエンチャント、片手では完全に自由には動かせない程度には重さがあり、欠けた蛇牙刃(タッタードファング)以上の火力を持つ武器。

 俺は白いハルバードで、今出せる最高火力をセイリュウの体に叩き込んだ。

ふと「あれ?セイリュウの水操る能力って魔法だよな?でも魔法陣出してないよな?んん?」ってなったので5分で設定生やしました。


まず、プレイヤーが魔法を発動する場合は、魔導書か杖のどちらかの補助を用いて魔法陣を展開するのが普通です(エンチャントやバフ、基本魔法などの例外はあります)。

ドラゴンとかが火を吹くのは、魔導書や杖、魔法陣の代わりとなる火を発生させる魔法を発動するのに特化した器官があるからなんですね。

セイリュウの水の操作も魔法ですが、魔法の発動を補助する器官はありません。ではなぜ水を操れるのかっていうと、単純に脳のキャパですね。セイリュウは成長特化なので、脳が成長し、進化した結果、脳で行える術式構築の限界が拡張されたって感じです。

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