青き龍は海を旅する─猛毒─
どうでもいい裏話なんですけど、1度スキルの効果時間を短く設定しすぎて、修正したが故に書き直しの作業がありました。
そのせいでこの1話に1週間くらいかかってます。
舟で海をしばらく進んでいると、青い龍の姿が見えた。
「あれか」
「ああ。打ち合わせ通りやるぞ」
[遭遇:四幻獣 セイリュウ]
俺はウィンドウを開き、アラームの設定を弄る。
[アラーム設定]
[00時間00分30秒]
[スヌーズ:30秒・無限回]
[START]
「いつでもいいぞ」
「では、行ってくる」
先制攻撃はランシュ、海に飛び出す。
[韋駄天空翔]
ランシュのスキル発動を確認したと同時にアラームをスタートする。
セイリュウもこちらに気付いたらしく、大きく口を開け、真っ先に舟を狙ってきた。
口から水をビームのように打ち出す。
[アヴォイドビヘイビア]
回避スキルで舟から離脱する。砲撃は躱したが、舟が壊され、このままでは俺は海に落ちる。もちろん、その対策もしている。
「ルル」
左手に魔導書を装備、凍結の魔法で海を凍らせて足場を作る。
ルルは触れたものを凍らせる魔法だ。普通は手で何かに触れ、それを凍らせる。だが、実はこの魔法はどこで触れるかの指定はない。そのため、足を起点にして魔法を発動することで、足場を素早く形成できるというわけだ。
「三毒複合、蛇毒咬傷!」
宙に浮いているランシュは、3匹の蛇があしらわれたレイピアで龍の体を刺す。
ランシュはいま、空中浮遊のスキルを使用している。効果時間は1分。
そして、あのレイピア──銀蛇の細剣には3つの毒が含まれている。神経毒、出血毒、筋肉毒。それを1度に打ち込めるのがあの武器の強みだ。
そして、それだけではない。ナイアスに選んで貰った2つの毒も塗ってある。つまり、5種類の毒を打ち込んだわけだ。
セイリュウが口を開く。さっきみた、砲撃の構えだ。狙いは──
「ランシュ!」
「問題ない!」
[ロバストストレングス]
[デュラブルプロテクト]
[須臾刺突]
レイピアで砲撃を迎えうつ。
弾かれたランシュが飛んでくる。
「複数スキルで無理矢理相殺した。ダメージはないが、リキャストもある。次も使えるかはわからん」
「了解」
ランシュはもう一度海に飛び出し、セイリュウとの距離を詰めていく。
海から水の鱗が無数に飛び出し、ランシュを襲う。
「セギルカ!」
魔力の盾がランシュを守る。
セギから進化した、大きさをある程度変えられる防御魔法だ。大きくすればするほど、盾は脆くなり、小さくすればするほど、盾は硬くなる。
今の盾は少し大きめだったが、鱗の攻撃は数が多い分、一発一発は大して威力が高いわけではないのだろう。
ランシュは銀色の小刀を左手に装備する。
「魔法付与:強酸」
酸を付与した小刀は、みるみるうちに銀から漆黒に染まっていく。小刀の機能が起動した証拠だ。
砒銀黒刀。これも毒を持つ武器で、ヒ素を流し込むらしい。プラス魔法付与。
これが序盤の作戦。状態異常まみれにしてじわじわとHPを削っていく。
ランシュが小刀を突き刺すと同時に、鐘の音が鳴り響く。アラームだ。戦闘中でも聞き逃さないよう派手な音を選んだ。
「スイッチ!」
ランシュが突き刺した小刀を引き抜き、セイリュウの体を蹴って離れる。
そして、俺は入れ替わるように海の上を走り、セイリュウに肉薄する。スキル、ブルーフロー。スキルの書で習得した海上歩行のスキルだ。
欠けた蛇牙刃を装備。
「魔法付与:温熱」
アルカナ魔法と一緒に買った魔導書の魔法。その効果はシンプルで、熱くするだけである。
だが、ランシュが打ち込んだ毒の中に、熱に過敏になるものがある。熱は血圧を上昇させ、毒の巡りを速くする。
[パワフルフィジカル]
[トゥレンチャントスラッシュ]
スキルを使い、魔法付与で熱した刃は、それでも本来は傷などつけることのできないものであったが、毒の効果で熱に過敏になったセイリュウの体に、僅かに切り傷をつけることに成功した。
だがその隙に、横から鱗が迫る。
「魔法記憶水晶:堅硬盾!」
ランシュの声と共に魔力の盾が現れ、鱗を受け止める。
魔法記憶水晶は、魔法が封じ込められた水晶で、1度だけ籠められた魔法をMP消費なしで使える。だが、その分作成が難しく、かなり高価なアイテムだ。
「魔法付与:温熱!」
ランシュが鱗を防いでいる間に傷口に追撃、一旦後ろに下がる。
セイリュウが砲撃の構えを見せる。
[アヴォイドビヘイビア]
発射と同時にタイミングよく横に飛び、回避スキルも併用して躱す。
避けた先に鱗が飛んでくる。だが、その攻撃は俺に当たることなく、カイトシールドを装備したランシュが割って入り、防御した。
「やはり軽いな」
ランシュが鱗を受け止めている隙に、俺は再度肉薄し、斬撃を浴びせる。
「毒の効果もあって傷口が塞がりづらい。今ならエンチャントなしでもクリティカルで確実に体力を削れる!」
[トゥレンチャントスラッシュ]
5連撃、最後はスキルで威力に補正をかける。
「スイッチだ!」
鐘の音が響く。
と同時に俺は尻尾に弾き飛ばされ、宙に浮く。
「っ!」
ルルでは勢いに耐えきれず、氷が割れてしまう。ならば──
「セギ!」
俺を受け止めるため、若干斜めに魔力の盾を展開する。
[HP:42/50]
慣性による反動ダメージ、それに加えて死神による被ダメージ量倍増。
「アルカナのデメリットが効いてんな」
反動ダメージを考慮すべきだった。何だかんだ2割近くHPを持ってかれた。
カスダメと割り切るには少し大きいダメージ。これが積み重なれば、自傷ダメージだけでHPを削りきられるかもしれない。
俺は戦いに備えてできるだけ多く買っておいたミドルマナポーションを飲み、ルルで海面に着地した。
主人公は一応、オート発動でパワーレストレーションとファインエンカレッジメント使ってます。
まずいねぇ……書き溜めがなくなってしまう……セイリュウ戦終わるまで更新は止めない!絶対!




