刺客たちの登場
「たまにはこういうのも良い……」
氷上はランクこそ前回より下がったが、それでも今日やった人のランキングでトップ50に入る点数を獲得していた。
そんな氷上はうれしそうにカードを眺めている。
正直言ってキャラ作りの口調と表情が一致してなくって気持ち悪い。
「アリサも楽しかった?」
氷上が聞く。
だがアリサ・ビューティーは首を傾げるだけだった。
「楽しいってどんな感情?」
無表情で首を傾げる。
「そっか……組織によって産み出されたあなたには感情がないのね……。仕方がないわ、これからは私が一緒にあなたの感情を探してあげる」
「氷上。キャラクター違ってるぞ」
「そうだった……」
いつも通りの厨二発言である。
ただそうだったと言いつつも無口キャラで状況にあわせた発言ができなかったのだろう。
だが、その発言はただの厨二発言ですめば良かったのだが、感情は? という質問に対し「存在していない。なぜならそのように産み出されたから」と答えたこの言葉が真実だとしたら実際に当たっていた。
だからこそ自覚の有るだろうキャラ崩壊に突っ込みをいれこれ以上何も言わせない為に話題を変える。
「楽しそうだな」
「楽しい……」
氷上が楽しんでいることは表情を見ればすぐ分かった。
しかしその表情は楽しんでいるのは楽しんでいるのだがその表情は完全に喜びであふれてるとはいかなかった。
「でも、双神君と次元ちゃん、アリサちゃんの3人の壁が気になる。そんな壁取り払って早く仲良くなればいいのに」
その言葉は大きな声では言っていないがはっきりと俺の耳に残る。
命を奪う側と奪われる側でなければそうできたかもしれない。だが、現状命を狙われてるのにアリサ・ビューティーと仲良くすることはできるとは思えなかった。
「おっと、すいません」
人混みに押されたのか、一人の男が次元や氷上と俺の間に入ってくる。
そして倒れかけるのを耐えるためか、二人の肩に触れると一瞬にして男と次元、氷上の3人は消えた。
「えっ?」
俺は突然のことに間抜けな声を出していた。
「命令通り男を殺れ」
アリサ・ビューティーの後ろにいつの間にかいた先ほどとは別の男がアリサ・ビューティーの耳元でそう言ったのが聞こえた。
「了解」
相変わらず感情を見せないその声とともに炎の槍が飛んでくる。
その突然の攻撃に俺は何の反応もできずにスローモーションになった世界でその槍が俺を貫くのを見ていた。
「あっ……」
その槍は俺を貫かなかった。
突如後ろに引っ張られ、そして同時に誰かが俺の前に出て槍を防ぐ。
「いやぁ、念のため後ろから監視してたけどまさかこんなことになるなんてね。こんな人が多いところでことを起こすとは思わなかったよ」
周りにいた人たちは突然の爆発に逃げていく。中には腕に自信が有るのかこの争いを止めようとしているのか、能力を発動させているものもいるが……。
「警察です。ここは私たちが請け負いますので速やかに離れてください。これ以上ここにいますと公務執行妨害にしますよ。ーーてか、お前等がいると本気が出せない。邪魔だからどっか行けや」
最初は礼儀正しく、そしてそれでも渋る人に対して声を荒げたのは護衛役の雄介さんだった。
「そう言うわけなんで鉈欺先生も離れてください」
そしてもう一人の護衛役の完二さんは盾を構えたまま俺の後ろにいる吹上鉈欺にそう言った。
まぁ、それを素直に聞く吹上だとは思えないが……。
「お前もポリか……。悪いけど俺も奴のバックにいる奴に因縁があってね。それに相手を考えるとポリ二人程度でどうにかなる相手ではないだろ。あいつに抵抗できる最大戦力は瞬間移動系の能力者につれて行かれたしな」
世界に十人のSSSランク。
それに対抗するために同じくSSSランクの次元がいたのだが今は離されていない。
そしてSSSランクは他のランクの能力者とは格が違う。
「ポリには良い思いがないが奴を止めるために協力してもらうぜ? 第一ターゲットはあの全部の後ろにいる奴だ。で、余裕が有れば、なくともどこかに聖剣と魔銃がいる可能性も考えといた方がいいぜ。あの二人はこいつの裏の奴に金で雇われてるみたいだしな。まぁ、よっぽどないとは思うがな」
完二さんは明らかに組織の情報を知っていると思われる吹上の様子をみて驚愕を露わにする。
永江警視総監の話だと組織の情報には警察もかなり苦労して集めたみたいだしな。
「私がターゲットですか……。その前にこれの攻撃に耐えられますかな?」
男はアリサ・ビューティーの背中に隠れたままクスクスと笑う。
それにムカついたのをぶつけるかのように手に持っていた中がまだ半分以上も残っているペットボトルを投げつける。
「命令だ。私を守れ」
だが、それだけの攻撃。男に届く前に風の刃で切られて男には掠りもしなかった。
「くくく、何のつもりかは分からぬがお前が死にたいのはよく分かった。お望み通り殺してやろう」
「っち、ムカついて飲み物を無駄にしちまった……。こりゃあ親に怒られるわ」
「その心配は無用さ、何故ならお前は二度と親に会えないからな。命令だ。あの3人もまとめて殺せ」
その言葉と同時にアリサ・ビューティーの周りに炎や水、雷に石、風等の様々な種類の槍が生み出される。
「多種多様で大変そうだな。だが、準備は終わってるよな?」
「時間稼ぎと攻撃のための布石ご苦労」
そう。先ほどまでの会話はただの時間稼ぎにして相手の注意を逸らすための罠。
吹上は俺が奇襲をするための舞台を整えてくれた。
わずか数メートル上空には雲のある場所の気候が再現され、空気操作と水流操作によって雲のできる条件も再現された。
中では気温が低い為氷ができ、ぶつかり合って電気を生む。それがたまりに溜まって落ちやすいように空気に密度の差でできた道を作ってやれば……。
「雷を思い通りに落とせる」
轟音とともに光が視界をつぶす。
砂埃が舞い、様子が分からなくなっているが威力という点では俺の持ち札最大の攻撃だ。
吹上との戦いでは何らかの方法で通じなかったが……。
「……」
やはり無理だったか……。
盛り上がった地面によりガードされ、そもそも別の空気の通り道を作られたのか敵とは離れたところに落ちていた。
「っち、使えねえな。折角お膳立てしてやったのに……」
「うっせぇよ。てかお膳立てぐらいでSSSランクって倒せるものなのか?」
「無理だな」
正直言ってあれが防がれるとなると俺の攻撃は全て防がれるし、吹上の能力も攻撃的ではないから防がれるだろう。
つまり俺たちの攻撃は相手の防御を避けて当てないと無理だということだ。
「すごいコンビネーションだね。これは僕たちも負けてらんないね」
「負けられないのはあいつ等じゃなくって目の前の奴だろうが」
ならば俺たちではなく、警視総監の右腕と言われてるこの二人の実力ならばどうだろうか?
「行くよ、雄介」
「足を引っ張るんじゃねぇぞ、完二」
二人の本当の実力が今分かる。
……
すいません……
弁解する余地もありません……
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大丈夫、半分は書けているから前回と同じにはならない(白目




