やはり気になるのは二人の実力
その後は永井警視総監といくらかの言葉を交わし、多忙の身だからと警察庁に変えることとなった。
警視総監の護衛として雄介と呼ばれていた方が付くようだ。そして俺の護衛としては完二と呼ばれていたイケメンが付くみたいである。
くそ、イケメン爆発しろ。
「ふふ」
「何がおかしいんすっか?」
「だって君、イケメン爆発しろって思ったでしょう。それが雄介がする表情と似ててさ」
心が読まれた!? まさか読心術が使えるのか?
いや、この世界には超能力があるのだから読唇術とは限らないのでは?
「本当に考えてることが分かりやすいね。今度は読心術が使えるかどうかって考えたね。読む唇と書く方の読唇術ならともかく読む心と書く方の読心術はつかえないよ」
また心が読まれてる。そんなに心読みやすいか? 俺……。
イケメンで警視総監の右腕で年下の俺にも一定の配慮をくれて、本当にハイスペックな人だ。
「けれど嫌味って感じがしないんだよなぁ」
完二さんが聞こえないように、自分にしか聞こえないような声でつぶやいたその言葉に完二さんはこっちを見、そして微笑む。
はたして聞こえてたのか、偶然なのか分からないが兎に角かっこいいと思ってしまった。
「所でお主は凪の護衛と言ってたがの。凪は学生、学校に通わなきゃいけない身じゃ。学校にいる間はどうするつもりじゃ?」
それもそうだ。
護衛で一番最初に思いつくのが同じ学生としての侵入だ。
しかし、完二さんも雄介という人も若いとはいえとても高校生とは見えない。なので学生に紛れるという手は使えずに、学校の外に待機か、はたまた他のアイデアがあるのか分からないが校長先生が許した以上学校に入るのは問題ないだろうがずっといるのは厳しいだろう。
そもそも部外者がなぜいるのか説明できない以上いつまでもいられない。
「問題ないよ」
そうやって言って懐から一枚の紙を取り出す。
その紙には高等学校教諭一種免許状と書かれていた。それが偽装したものか本当に持っているものなのか分からないがどうやって学校で護衛するつもりなのか分かった。
教員として堂々と学校に入るのだ。
「ちなみに雄介は教員免許を取っていないから用務員として入るよ」
ということは本物なのだろうか? とりあえずこれで二人が学校でも守ってくれるということは理解した。
だが、
「守ってもらう立場でこんなことを言うのも何だが完二さんは強そうだけどもう一人の方はそんなに強そうに見えないんだよ。なんだか普通ってかそんな覇気がないというか……」
強い気配を感じない。
強い存在は校長やこの世界の俺、実力は分からないが永井警視総監も強いのだろう。
そしてその3人には覇気というか、迫力というのか、言葉で説明しづらいが強者の雰囲気を感じた。
その3人には及ばないものの完二さんもそんな感じがする。
しかし、雄介さんにはその雰囲気を全然感じられなかった。
「ふふ、まぁそうだね。彼は極普通の容姿で性格もひねくれてるけど心の強さ以外は普通なんじゃないかな? でも僕の幼なじみであるし、僕の最大のライバルなんだから実力は保証するよ」
いまいち納得ができなく、なんて言えばいいのか困り頭を掻く。
どうみても平凡という感じで警視総監程の地位の人に右腕などと評されるようなすごい人物には見えなかったのだ。
「こやつもこう言っている以上信じるしかなかろう」
次元がそう言うが、頭の中では納得しようとするのだがいまいちピンとこない。
その様子を見ていた完二さんは俺の様子を見てくすりと笑う。
「それじゃあ少し昔話をしようか。まだ僕たちが学生だった頃。そしてまだ超能力者に対する不信ががあった頃の話だ」
そうやって完二さんはゆっくりと語り出す。
「超能力者に誰もがなれるようになったのはここ100年ぐらいの話なんだ。だからこそ戦争で核爆弾が使われたし、神風特攻隊なんかもあったし銃も使われていた。今なら一つの超能力で戦争をひっくり返す可能性のある兵士を特攻なんてさせないし、核爆弾も律す区が高く使えないよ。
それで今僕が24だから約7年から8年前のことだ。そのときにはすでに超能力を得る為の飴も配られ、ほぼ全員が超能力を得ていた。ほぼというのは80を越える高齢の人は超能力が多く出回る前の人でね。そんなものを信じられるかって拒否してたんだ。もしかしたら今まで築き上げてきた常識が壊されるのが怖かったのかもしれない。
そんな人がいて、政治家にも権力者にもそんな人がいてついにその人たちが暴走を始めてついにはこの日本でテロまで発展したんだ。
そのテロは世界規模の大会社が発表する新製品の発表会で行われたんだ。
その大会社もグルで一万人近い人がその会社の中に閉じこめられた。
でかい事件だったから警察が手を出せない中10人の一般の人たちがその事件を解決したことは噂程度には聞いたことがあると思うよ。
救世の10人なんてのは大げさすぎる表現だけどね。
話を戻すけど僕や彼も興味のある事柄だったから僕と雄介と雄介の妹さんの三人で行ったんだよ。そして見事にそのテロに巻き込まれた。
そのときは僕たちも超能力を使えるようになっていたんだが相手も同じ条件の上に銃などで武装してて迂闊に動けなかったよ。僕にできるのは声をかけて自分の近くの混乱を沈めることだった。
あの時雄介は一番心がデリケートな時期だったからね。ネガティブな発言もあったけどいつのまにかいなくなって戻ったときには大きな傷はなかったけどいくつか怪我していたよ。
どうしてそうなったか本人は決して口にしようとしなかったが、事件終了後に雄介がかばった母親と娘がお礼にきてね。どうやら小さいお子さんが泣いたことに苛ついたテロリストが攻撃をしてきて雄介がかばったらしい。それで怪我をしたみたいだったよ。
ちゃんとそのテロリストは倒してトイレに縛りつけたらしいよ。
その後僕もようやく動き始めたんだ。
今になって思えばさっさと動けばよかったけどどこか怖かったのかな? 雄介が傷つくまで動けなかったよ。
ほかの場所でもいくつか抵抗があったらしくってね。それがほかの8人の救世の10人さ。
テロリストを半分ほど捕まえた後かな? テロリストもその十人にねらいを絞ったんだろうね。こいつらさえいなければねらいは成功するとね。
そうして僕ら10人の過半数以上である6人は捕まったよ。そこには僕を庇って捕まった雄介もいた。
そのときには僕らに協力する人たちも増えていてね。必死にその6人を助けようとしたよ。結局のところその6人は自力で脱出したけどね。
全く雄介に庇われて助かるなんて情けない限りだよ。
結局のところ僕は対して役に立てなかったよ。最後は僕たちがテロリストの対応してるうちに雄介がテロリストのトップを説得。そして事件は解決したのさ。
このときテロリストのボスを無理矢理捕まえることができただろう。しかし雄介はそれをしなかった。そしてもしそうしたとしたら現代に超能力反対派と賛成派で大きく亀裂ができただろうね。僕は敵を打ち倒す勇者として、雄介は敵をも救った救世主として言われるようになった。
正直僕は勇者より敵をも救う救世主の方がすごいと思ってしまった。勇者と言われるのはうれしいけど雄介に上を行かれて悔しかった。まぁ負け続けるつもりはないから雄介を超えるように努力したよ。
ってまた話がずれたね。
とりあえずこれが僕たちが警察に入った訳で、雄介の一番最初の実績さ」




