↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
瞳孔を冷やして。  作者: 橘樹 杏果


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

36/59

36-気合を入れて

「あら、いい声。芯、素敵よ!」

マーミヤが手を叩いた。

「わっ!珍しっ!」

「マーミヤさんが褒めるの、僕、初めて聞いた!」


「やったぁ~!」

両手をあげて、芯は子供みたいに喜んでいる。


(やっぱり『アジアワールドツアー』効果は絶大だわ。何てったって、この子達のやる気が違うもの!)

「あなた達、んも~、可愛いっ! 私、張り切っちゃうわ」


鬼のしごきのお陰で、ダンスも歌も格段にレベルがあがっていた。

音楽番組で魅せるSeven C'sのパフォーマンスに、スタッフさえも息をのむ。


「声が出やすくなってね?」

「芯も? 僕もそうだよぉ!」

「あぁ。音域が広がった分、前より歌詞に集中できるな」

「楽に踊れるようになったしねぇ♪」

「アキラのダンス、俺、好き」

「かぁーーー!!ルゥ、なんだよ 急に」

「なぁに照れてんだよ。真っ赤っかのタコアキラ」

「芯、うっせー!!」


アキラは楽しくてしかたない。

「俺らの世界征服が始まるなぁ~♪」

「征服?進出だろ」

「芯、いちいちうるせぇ。なんでも一緒だろ? 今回のツアーはアジア限定だけど、今度はアメリカ行きてぇ!」

「僕も!!」

「んで、ブロードウェイとか 立ってみたくね?」

「ブロードウェイ? ミュージカルってこと?」

「ノリ、それだ!それ! だって、歌もダンスも芝居も全部いっぺんに出来たりすんだぜ!」

「でもさぁ~、アキラのママさん、寂しがりそうだねぇ。パパさんもアキラも、二人ともアメリカ行っちゃったらさ」

「アキラパパ、本物のパパより頼られてるしね」

「…。」

ノリとルゥの言葉を聞いて、

元気だったアキラの顔が、少しだけ曇る。


時折、自らの情愛がアキラ自身を苦しめる。

家族の――特に母親の存在が、アキラをその場に縛り付けてしまう。


分かってる。

それでも、家族を切り捨てることなんてできない。

(切り捨てたいなんて…。

そんなん思ってねーよ!そんな奴、軽蔑する!でも、、、俺、、、

こいつらと世界、獲りたい。アメリカ、行きてぇ!)


「もう家を出てんだし、日本もアメリカも変わんねぇだろ」

芯がアキラの帽子を弾いた。

「お前はどこ行っても、家族 だぁい好きバカ。

日本だろうがアメリカだろうが、ジャンジャン送られてくる かぁちゃんからのメール。

同じことだ」

芯が、からかうように笑う。


「わりぃかよ!」

いつも、芯がアキラの心を軽くする。


にしても、最近の芯は、前にも増して優しい。

カメラの前でも、よく笑うようになった。

その余裕。隣で見てても、なんかカッコいい。

(そんなこと、死んでも直接言わねぇけど)


芯が本気になった時の引力はスゴイ。

芝居も歌も上手いのは有名だが、芯のスゴイとこは『作品』だとアキラは思っている。


芯の作る歌は、なんか泣ける。ステージのアイディアに、なんか感動する。

ルゥの衣装センスも尊敬している。自分にはデザインなんて無理だ。

ノリはとにかく愛される奴だ。だから、バラエティに1人で呼ばれるようになってる。

んじゃ、俺は?

やっぱりダンス!!音楽に身を任せるあの快感。

やっぱ芝居!!作りこんで作りこんで開放するあの快感。

どっちも大好きだ。


(俺らのグループってやっぱ、すげー!)

アキラは気合をいれて、鏡張りのレッスン場に立った。


ーーーーーーーー


トントン。

トントントン。




読んでくださり、誠にありがとうございます!

もし楽しんでいただけましたら、ブックマークや評価(★)、感想やリアクションなどで応援いただけると執筆の大きな励みになります。

これからも楽しんでいただけるよう頑張ります!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。