23-ご褒美だとしても…
「…芯?」
「ん。…ほら。持てるか?」
「ぅん。。。おかゆ、もうちょっと食べていい?」
「ハイハイ♪」
ついつい、嬉しさがにじみ出てしまう。
(もっとワガママになればいい。俺だけに)
麗叶の頭を、ポンポンと指で触れた。
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数日後、社長が合宿所にやってきた。
初めて入る、社長のプライベートルーム。
「キミ達、しっかり反省しているようですね?」
大きな机の前で、社長はひとりひとりを舐めるように見回した。
「ダンスもボイトレも頑張ってるそうじゃないですか?
マーミヤさん、褒めてましたよ」
「嘘つけ」
アキラが口の中で反論する。
「本当ですよ」
社長が地獄耳を発揮しながら、不気味に笑いかけた。
「しっかり反省もし、お仕事もレッスンも頑張ったキミ達に」
もったいぶって、一呼吸おく。
「ご褒美です。」
8つの目が、パッと社長に集まった。
「さぁ、キミ達!!コンサート会場は、決まりましたよ!」
「ぇ?!」
「まずは、台湾からスタートです」
「え?!海外?!!」
と、アキラが叫んだ。
「まずはってどういう意味?」
「アジアワールドツアーだ。今回はアジア5カ国だな」
「山さん、マジで!!?」
「その模様を、欧米21カ国で生放送する予定だ」
アキラは前のめりになっている。
「生放送?アメリカとかも?!!」
「ぅわっ!鳥肌立った!!それってちょっと凄くない?!」
「だよね、だよね!!ルゥ!どうしよう!ねぇねぇ、すごいよ!」
3人の喜びようを見て、社長は満足そうに頷き、
1人だけ反応の薄い芯に微笑みかける。
「芯。海外進出ですよ。楽しくなってきたでしょう?」
「え?…あ、まぁ、はい。そうですね」
芯は大人びた微笑みを浮かべてみせた。
「おーーい。まだ極秘だからな。
許可出るまで身内にも言うなよ!
それからレッスン、気合入れてやるんだぞ!」
山内の言葉なんて、誰も聞いていなかった。
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「やっぱり…現地集合?迎えに来なくていいの?」
「うん。」
ルゥにこれ以上言っても無駄だと、麗叶は知っている。
「じゃ明日」
そう言うと、ルゥはさっさと車を降りた。
アジアワールドツアーを知らされ、他の3人は外泊しなくなった。
ルゥだけは、今も時々、地元の友人に会いに行く。
麗叶は、ルゥが闇に溶け込むまで見送り、エンジンをかけた。
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いつもの場所。
二人は、
別々にホテルに入る。
女はチェックインを済ませ、部屋へ。
ダテ眼鏡にマスク、帽子で素性を隠した男が、フロントの前を素通りする。
ブルブルブル。
スマホを見ると
『502号室。』
エレベータで、5を押した。
コンコン。
「センセイ?俺。」
パタン。
来栖直弥は、音もなく部屋に滑り込んだ。




