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瞳孔を冷やして。  作者: 橘樹 杏果


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2-ソコには悲しみが (改定版)

それは、完全に、アキラの勘違いだったのだ。

ガンッ!!!

「ぃって!!! 何すんだ、てめぇ!」

「俺の妹にキスしてんじゃねぇ!!」

ッザワ…

踊りに夢中だった人々が一斉に後ずさりし、彼らの周囲が広く空いた。


「お兄ちゃん!? なに言ってんの?そんなわけないじゃん!」

「こいつなら、やりかねねぇ!」

アキラは拳(こぶし)を硬く握りなおした。


芯は、ゆっくりと唇の端(はし)を指でなぞる。

「アキラ…それ、」

低く響いた芯の声が、アキラの身体を縛り付けた。

「どういう意味だ」

「み、みんな言ってんだ!てめぇみたいな鬼畜、何すっか分かんねぇんだよ!!!!」

芯の地雷を、アキラが踏みつけた。


ガンッ!!

アキラのキャップが吹き飛ぶ。

芯の拳をまともに食らい、アキラの意識は一瞬遠のいた。


「そうかもな…だとしても俺はこんなクソガキに興味はねぇ!!」

受けた傷が深いほど、芯はさらに自身にも傷を刻みつける。


「クソガキ…私のこと?」

泣き出す妹を見たアキラは、唇を震わせた。

「今日はこいつの誕生日だってのに…お前のファンだって、今日もすげぇ楽しみにして来てて…それを、それを…」

「………」

「芯、てめぇ許さねぇーーーー!!!」

フラフラと立ち上がったアキラは、腕を振り上げた。


芯は闇に染まった瞳で、アキラをまっすぐに見据えた。

ほの暗いクラブの室内で、なぜか黒い瞳は白く反射していた。

底には悲しみが、埋まっている。

ガン!!  ガシっ!!!!

あっという間だった。

「お兄ちゃん!!」

気絶したアキラを置いて芯は一人、クラブを後にした。


変装らしい変装とは無縁な彼らを目撃したのは、たちの悪いフリーライターだった。


ーーーーーーーーーーーーーー


「髪を一つにまとめ、薄い眼鏡をかけて、ダークスーツを着て、どんなに地味に見せようとしても、この俺は騙されない。

長い睫毛と細い手足、でかい胸。だが、そんな分かりやすい見た目の話じゃない。

あの女からは何とも言えない色気が漂ってくる。

時々かける眼鏡に、度がほとんど入っていないことを、俺は知っている。

その証拠に、あいつはよく眼鏡をかけ忘れている。

そんなドジなところも可愛いじゃないか。

たしかに、真面目だ。なんでも一生懸命取り組んでいる。

だから、厳しくしてやると喜ぶはずだ。

凛とした佇まいで、強そうな雰囲気を必死に出しているが、俺は見破っている。

あいつは、乱れたら絶対スゴイ。俺の手で乱れさせたら……。

あぁ~想像するだけで、俺の息子がビンビンになる

でかい胸を必死に隠しているところも良いよな。

はち切れそうなボタンを乱暴にブチブチ飛ばしてやろう

たまんねぇな~

あの儚げな横顔が、俺の嗜虐性を刺激してくる

人気が出てきたSeven C'sが、2名体制になるらしいからな。

俺の下についたら、マネージャーとは何たるかを色々と教えてやろう。

マネージャーとしてはまぁまぁ経験があるみたいだけど、他のチョロいタレントとはわけが違う。

Seven C'sのクソガキは操縦不能だ。

だからSeven C'sをしっかり操縦してきたこの俺様が、手取り足取り教えてやったらいい

あいつは、頼りがいのある俺を必ず尊敬して、絶対に好きになる。


『麗叶、俺のを舐めろ』

『恥ずかしい、です、勇二さん』


あぁ~れいか…」




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