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116/124

武将 蒲生氏郷 第116話四国の地形・街道の調査

(四国・街道沿い/1585年)

城の明け渡しが終わると、

氏郷と左馬允はすぐに街道の調査へ移った。

兵を城下に待機させ、

必要な人数だけを連れて街道へ出た。

街道は城下から北へ伸び、

谷へ向かって緩やかに登っていた。

左馬允が地図を広げ、

街道の幅を測り始めた。

縄を地面に伸ばし、

足で押さえ、

数字を記録帳に書き込む。

「幅、三間弱。

 槍隊は二列で進めます」

氏郷は街道の両側を見渡し、

斜面の角度、

木々の密度、

伏兵が潜める影の位置を確認した。

左馬允が続けて分岐を調べ、

道の角度を地図に書き込んだ。

「ここで二つに分かれます。

 右は谷へ、

 左は港へ戻る道。

 補給路として使えます」

氏郷は左の道へ入り、

足元の土の硬さ、

荷駄が通れる幅、

馬の足取りを確認した。

道は緩やかに下り、

遠くに海の光が見えた。

「港までの距離を測る」

左馬允が縄を伸ばし、

歩数を数え、

地図に数字を書き込んだ。

「ここから港まで、

 およそ四町半。

 荷駄の往復に問題なし」

氏郷は道の両側を歩き、

水場の位置を探した。

しばらく進むと、

斜面の下に小さな湧き水があり、

桶を置いた跡が残っていた。

「水場、ここに一つ」

左馬允が記録帳に書き込み、

地図に印をつけた。

次に谷へ向かう道へ戻り、

峠の位置を確認した。

道は細く、

両側に岩が迫り、

風が抜けていた。

峠の頂上からは、

山の向こうの街道が見えた。

左馬允が峠の高さを測り、

斜面の角度を記録した。

「峠の幅、一間半。

 鉄砲隊は横に並べません。

 槍隊を前に出すべきです」

氏郷は峠の先を見渡し、

街道が再び広がる地点を確認した。

そこには小さな平地があり、

荷駄を休ませるのに十分な広さがあった。

「ここを中継点にする」

左馬允が地図に丸をつけ、

補給路の線を引き直した。

次に、

城と港の距離を測るため、

街道を戻って城下へ向かった。

途中で橋を渡り、

川の深さと幅を確認した。

橋は木製で、

荷車が通れる強度があった。

「橋、問題なし。

 増水時は注意が必要ですが、

 今は安定しています」

城下へ戻ると、

左馬允が測量結果を隊の地図へ反映した。

街道の幅、

分岐の角度、

水場の位置、

峠の高さ、

補給路の距離。

すべてが一つの地図にまとめられた。

氏郷はその地図を広げ、

進軍の流れを確認した。

街道の線が山を越え、

港へ戻り、

城へ続き、

補給と進軍の両方を支える形になっていた。

左馬允が記録帳を閉じ、

短く告げた。

「これで、

 四国の街道の骨格は把握できました。

 進軍も補給も問題ありません」

氏郷はうなずき、

地図を巻き、

隊のもとへ戻った。

四国の地形が、

氏郷隊の手の中に収まった。


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