採卵前精査
体外受精に臨む前に、医師の指示で低容量ピルを1クール内服した。
過去に低容量ピルを内服していた際は、副作用の嘔気に悩まされたが、ピルにも様々あるのだろう、今回は特段症状はなく経過した。
私の通っているクリニックでは採卵術は基本的に静脈麻酔管理下で行われるようで、採血と心電図で静脈麻酔を問題なく行えるかの確認をした。
この時始めて、AMH値の測定を行った。
AMH検査とは、卵巣予備能検査と呼ばれ、卵巣に卵子をどれだけ排卵する機能があるのかを調べる検査である。
私のAMHは6.8ng/ml以上あり、やや高値だった。また同時に、月経中のLHが高値かつLH>FSHであったため、この時に初めて、PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)を指摘されたのだ。
PCOSとは、ホルモンの異常により排卵に障害をきたすものである。周期的に排卵できなかったり、排卵できても卵子の質が悪かったりすると説明を受けた。女性の約5〜10%にみられ、不妊症の原因としてよく聞かれるものだ。
びっくりした。友達にPCOSの子がいて、その子は学生時代から何ヶ月も月経が来ないと言っていた。私自身は月経は周期的にきていたため、自分はPCOSではないと思っていた。今まで医師の診察を受けていた中でも、毎月卵胞が成長しているようだったため、排卵もしていると思っていた。
人工授精のたびに確認しており夫側に問題がなさそうだったので、心のどこかで原因は自分にあるのだろうと思っていたが、いざ原因が見つかると、ショックだった。その日は、夫に説明しながら、たくさん泣いた。
一方で、駆け足で体外受精まで進んできて、結果的には良かったと思った。自分に問題がある可能性から目を逸らして、タイミング法や人工授精で粘っても、きっと結果に結びつかなかっただろう。