人工授精
排卵誘発剤の内服を始めてから3クールほど経過したあたりで、主治医から人工授精についての説明があった。早く妊娠したいと思っていた私は、ステップアップに拒否感はなかった。
人工授精とは、排卵の時期に合わせて、洗浄・濃縮したパートナーの精子をカテーテルを使って子宮内に直接注入する方法である。
不妊治療を始める前は、人工授精と聞くと高度治療なのかと思っていたが、受精から妊娠までの過程は同じであるため、医療的な手は入るものの自然妊娠に近い方法である。
排卵誘発剤を内服し経膣エコーを用いて排卵の時期を予測し行われ、女性側への負担はタイミング法とさほど変わらないように感じた。カテーテルを用いて精子を子宮内に入れる際も、普段の内診と大差なく、私が通院している病院では人工授精後の安静などもないため、最初こそ緊張していたが名前から受ける印象よりずっとあっさりしていた。
症状としてあったのは、少量の出血や下腹部の違和感、ホルモン剤による更年期症状に似た症状程度だった。
人工授精は、自然妊娠できる力はあるが運がなく妊娠できていなかった場合などには有効だろうが、ピックアップ障害や受精障害、卵子の質不良、着床障害など、受精から着床までの段階に問題があると、解決策にはならない。
一般的には人工授精を5〜6回行っても妊娠に至らない場合、体外受精へのステップアップが望ましいとされている。
3回目の人工授精を終えてすぐに、主治医のすすめでクリニックでの体外受精の説明会に参加した。
私は、人工授精でも妊娠に結び付かず、原因も分からないことに焦りを感じていた。月経が来るたび、泣いていた。この頃に仕事を辞めたが、見通しがつかないことで次の仕事をどうしていくかも考えていかなくてはいかず、早く結果を出したいという思いが強かった。
3回目の人工授精でも妊娠には至らず、月経3日以内に受診し、体外受精へすすむことを決めた。




