BGMを掛けろ
2013年
6月9日
22:01
パレスチナ エルサレム郊外
「我々は一般市民には危害は加えない! テロリストを引き出せ!?」
「知らねぇなそんな奴は!」
ラリーが小屋からRPKをぶっ放しながら登場し、ハンヴィーに寄り添っていた三人がミンチに早変わりした。
「ラリー、先走るな!」
ゴリラが民家から飛び出し、QBB-95LSWを乱射する。
瞬く間にハンヴィーが蜂の巣になり、装甲が砕けて火を吹き出した。
「逃げるのか? 逃げるのか!?」
ラリーが連射しながら走り出し、行く先々で急襲を受けた兵士達の生々しい死体が転がる。
闇の中から次々とゲリラ達が姿を現し、混乱している敵に畳み掛けた。
「バックブラストに注意しろ!」
サムが宿の屋上に立ち、RPGをメルカバに構える。
「発射ァ!」
戦車の天面にPG-7VL弾頭が命中し、衝撃が発生した。
「アッラーフ・アクバル! アッラーフ・アクバル!」」
ゲリラが叫びと共に腹に爆弾を抱えて戦車に突撃して行く。
しかし大体がメルカバの据え付け銃に吹っ飛ばされ、地面に叩き付けられる。
「主砲、よぉーい!」
メルカバの120mm砲の砲塔がゆっくりと近くの小屋に向き、爆音が辺りを揺るがす。
「いやぁ、やだねぇ。 暑っ苦しいったらない…」
「仕事だろうがよ。 俺達の仕事は歩兵の相手だな」
戦火に停止した車列を、脇の学校から見下ろす。
まだこっちに気付いてない。
「じゃ、行きますか」
まだゲリラと交戦していないハンヴィーが停まった。
ハンヴィーから続々と兵士達が降りてくる。
前線に行く気だろう。
「やぁ皆さんこんにちは! お元気ですか?」
景気よく挨拶する。 印象は大事。
全員が出てきたところを狙って、まずは最初に降りた奴の頭を撃った。
驚愕している間に制圧射撃し、三人が一気に倒れる。
「なんて悪趣味だ!」
一歩遅れてカールが出てきて残りを掃討した。
「悪趣味って、他の言い方がないの?」
「悪趣味以外の何かあるなら逆に教えてくれ」
敵を油断させるってのがあるじゃん?
なんて言っても無駄だから言わない。
「ハンヴィーを爆破だ。 C-4出せ」
「ほいほい」
腰のポーチからプラスチック爆弾を一つ引っ張り、エンジンに貼る。
「離れるよ」
「よし」
さっきの学校近くの塀まで戻り、リモコンのスイッチを押す。
メルカバの砲声くらいの爆音が再び起り、破片を撒き散らしてハンヴィーが赤い炎に包まれた。
「ジョナサンこちらディアナ、ハンヴィーを廃車にしたよ」
「了解、こっちに来い。 まだメルカバが残ってる」
「こっちはまだC-4が二つくらいあるから使えるかな」
相重なる銃声が極限まで増幅され、それが戦争のBGMとなる。
道を北に辿ると、AKとタボールの銃声が鼓膜を刺激し始めた。
「少しは女の子の方を見てもいいんじゃないの!?」
「平気で人撃ってる奴も女の子と呼んでいいのか?」
見える敵を片っ端から撃ちまくり、M14の銃口から硝煙が漏れ出す。
「ディアナ、カール、こっちだ!」
「黙れゴリラ!」
ゴリラが木材を乱雑にぶちまけた遮蔽物に隠れて、メルカバを指差す。
「援護するからドでかい尻ぶっ飛ばしてこい!」
「言われなくても!」
QBBの掃射が戦車に張り付く敵を襲う。
「カール、一つ持って!」
「おうよ!」
C-4を一つ投げて寄越し、後はメルカバの後部ハッチに突撃する。
「俺は履帯をやる!」
「頼むよ!」
真後ろから近付く二つの影に、M2機関銃の銃手は気付かなかった。
「付けた! 退避!」
叫び、切り返して、ゴリラの方に走る。
「やれ!」
起動し、爆発した。
「もう眠い! あたし寝る!」
深夜二時、新戦場の村にて社員とゲリラが集まっていた。
「そんなこと言ったってこれからだぜ?」
死臭が漂い始める頃だが、燃える戦車と硝煙の匂いがキツく、一見わからない。
しかし鋭敏な軍人の鼻は誤魔化せない。
「何をすんのよ?」
と、とぼけてみせる。
「見え透いてるぞ。 捕虜の始末だよなぁ、将校さん?」
後ろ手を縛られた将校が何事か喚いているが、さすがにヘブライ語はわからない。
「え? 美人だって? 言うねぇ」
「間違ないなく、そんなこと言ってないな」
あんだとクソ野郎が…
「ジョナサンが来るぞ」
宿からジョナサンの巨体が現れて、ゆっくりとヘッドフォンを外した。
「作戦終了だ。 こいつらはPLOに引き渡せばいい。 アメリカに帰ろう」
To Be Continued…




