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Dead or Alive  作者: 煤路山楽天
エルサレム
3/38

悠久なる都

2013年

6月6日

06:10

パレスチナ


「カール、あんたパレスチナは初めてだっけ?」


「うん? まあそうだな?」


 空、それも1000m超えの上空。


 大衆的な旅客機はそこを飛行している。


「ああー、アレだ。 パレスチナはー飯が不味い」


「そりゃ軍隊糧食だろ? お前のグルメ話は大体あのレーションは不味いとか美味いとか、普通の現地の飯とは関係無いのばっかだし」


「そうだけど… パレスチナのゲリラの飯についての話とも取れるじゃん?」


「取れるって… 何故に他人事…」


 機内にはもちろんあのムサい連中も乗っているが、それでもクーラーがちゃんと効いている。


 さすが文明の利器。


「しっかし… 貧乏旅行だなぁ…」


「金が無いんだ…」


 ジョナサンが本当に済まなそうに詫びを入れてくる。


「訓練施設拡張したって、じゃあ管理人雇いなさいよ。 使ったら掃除しなさいって学校かよ」


「そうだそうだー」


「棒読みやめい」




「ようこそ、皆さんがF.Mの方々ですね。 ありがとうございます…」


「あなたがヤセルさんですね。 後ろの連中が社員です」


 連中て… 一括りにされてもねぇ…


「なぁに言ってんだ…」


 ありゃ、また口に出てたか。


「では基地に案内してもらいましょうか」


 From.malbinas、F.Mとかなんとか略称される。


 確かフォークランド紛争に派遣された、元イギリス軍人を中心として設立されたとか。


 まあその後アメリカの資本家に買収され、今のような状態だ。


「ヤセルさん、本社は少数精鋭をモットーとしているので、数にはなりません」


「数は我々が用意できます。 ですが、応急的な訓練を受けただけなのです」


「我々はまずそれに訓練させる必要がありますな。 ユダヤ人が来たら将校と同様の指揮権を頂きたい」


「そのようにせよと、上から命じられています」


 空港からハンヴィーに分乗させられ、同乗者はゴリラ、カール、ジャクソンである。


「うーん、まさに我が愛しき同僚の中でも選りすぐりのムサい連中だね」


「ディアナ、もしや俺が嫌いか?」


「決まってんだろゴリラ」


「俺は人間だ! 新人! なんとか言ってやれ!」


「否定できないっすね」


「ママ、何故俺はこんな顔なんだい?」


 ゴリラは無事撃沈したので、外の景色に目を移した。


「アレがエルサレムか…」


 左の窓からモスクとキリスト教会、それを囲む城壁が見える。


「来る度に思うけど、こんな古い街の為にドンパチしてんのよね、奴等」


「なんせ千年も前からここにあったんだぜ。 考えらんねぇよ…」


 ゴリラの啜り泣きの声を残して、車内は沈黙した。




 車列はカラシニコフの銃声が響き渡る砂原に止まった。


 非常にうるさい。


「撃ち過ぎじゃないか!?」


「ええ! 精度を上げるには撃つしかないんです!」


 さながら戦場のように、大声でなければ会話できない。


 いったい何挺揃えやがったんだ?


「ここには何人いる!」


「だいたい五十人の一個小隊です! 先日志願してきた若人ですよ!」


「そうだな! アラブの自由を守る為に集まって、会計係を困らせてるわけだ!」


「むしろ喜んでますよ! 戦力になるなら!」




 社員は三十人いるので、一人につき二人を指導するらしい。


 ゴリラの奴は一人だけなのに…


「仕方ねぇよ。 クジ引きしたんだからな」


「ああそうねカール。 あんたも一人だけど」


「俺、運は良いんだよ」


 クッソぉ、ドヤ顔しやがって…


 二人の青年が目の前で100m先の的を狙っている。


 腰だめで!?


「銃を信じるっていうスタンスは大好きだよ、あたし」


 というわけで肩付け照準とやらを教えてやり、後は放置方針とした。


「M14っていうのはロマンを感じる銃よね… AKもなかなか良いけど」


「お前は何を言っている?」


 カール、お前にはわかるまい。


 M14を狙撃銃としか思っていないお前には!


「いや、狙撃銃だろ。 普通」


「また声に出てた?」


 いやー私が考えたこと全部筒抜けなのかなー


「あたしけっこう間抜けかな…」


「意外と自覚してるな」


「的にしてやろうか…」


「ここで死ぬのはごめんだな!」


 などと言って走って逃げていった。


 逃げ足の速いやつめ…


 さぁて、M14ちゃんのお手入れでも…


「オールグレンさん、ですよね?」


「ああ?」


 確か、ジョナサンに引っ付いてたヤセルさんかな?


「お疲れ様です…」


「ご覧の通り疲れておりません」


 M14の長い銃身にタオルを巻いた棒を突っ込み、中を撫で回す。


 タオルは一瞬で煤とかで真っ黒になった。


「M14ライフルですか?」


「そうM14。 M1ガーランドをベースに開発された大口径のライフル… ああ、美しきかな」


「はぁ…」


 ストックにへばりついた泥を擦りまくるが、なかなか落ちない…


「で、あんたは何をしに?」


「進捗の確認を…」


「あんたは司令室でふんぞり返ってりゃいいからさ。 こんなとこ来たって意味無いよ」





To Be Continued…

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