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Dead or Alive  作者: 煤路山楽天
バミューダ近海
10/38

カウントしろ審判

2013年

6月12日

10:05

USA アイオワ州


「さて、諸君。 このオファーがまだ非公式に捜査している、イギリス当局からのものであることを考えてくれ」


 相変わらずエアコンが無いブリーフィングルームで、ジョナサンはかく語る。


「イギリス当局は、ロシア語を操るスラヴ人によるハイジャック事件について、情報を公開したくない。 管制塔は旅客機を追跡し、大西洋上の無人島に不時着したことを突き止めた」


 モニターに中部大西洋の公海、名前も無いであろう無人島の衛星写真が映った。


「イギリスはロシアと秘密に会談し、事を内々で処理することを取り決めた。 しかしこの処理にイギリスの警察及び軍が動けば、事が露見する恐れがあるとして、処理を外注することに決定」


「さすがイギリス人はあくどいねぇ」


「言ってやんなよ…」


 後ろの席で話をのんびり聴き、ジャクソンにちょっかいをする。


「その注文を口が固いことで有名らしい我々にしてきた。 事が闇に揉み消される以上、この無人島に生存者が居てはならないことになる」


「それは乗客達も殺せということですか?」


 話に横槍が入った。


「そうだよレイモンド! 何もかも殺せということだ!」


 ラリーが楽しそうに、レイモンドに絡む。


「ラリー! よくもそんなことが」


「レイモンドお前はそんなに正義漢アピールしてどうしたいんだ?」


 長身のレイモンド、小柄のラリー、双方席を立ち上がって互いのリーチのギリギリまで近付いた。


「お前はキレイ事が大好きだが、俺はキレイ事が大好きな奴が大好きだぜ。 見てるとイラつくしそれを解消させてくれるからな!」


 ラリーが進路上の同僚を無視し、それを弾きながら突進する。


 それを予測できなかったレイモンドは、為す術もなく腹へのパンチを受けた。


「ふざけるなよラリー!」


 ニヤついているラリーの頬にレイモンドの殴りが突き刺さり、よろける。


 衝撃でバランスを崩しかけたラリーだが、立て直して右手を振りかぶった。


 しかしレイモンドはすかさずそれを受け止め、捻り背負い投げる。


 やれやれと野次馬が騒ぐ声が部屋を満たした。


「良いねぇ! こんくらい歯ごたえがないとな!」


 ラリーが立ち上がりながら喚き、首をゴキゴキ鳴らす。


「お前らうるせぇ」


 ジョナサンが二人の間に突然現れ、それぞれの後頭部を掴み地面に叩き付けた。


 地震と見紛う衝撃が発生し、一瞬の事に対応できず、二人は虚しく失神する。


「話を戻すぞ。 全員前向いて座れ」


 プロレスリングを作るように輪になっていた観衆は、そそくさと自分の席に戻っていった。


「恐い…」


「カール、あんたは一度も盾突くこと無いだろうから大丈夫よ」




「さて、レイモンドの言う通りこの島、仮称として「メーデー島」としよう」


「メーデー島? 非常事態島ってこと?」


「そうだな…」


 なかなかイカれてるね。


「この「メーデー島」にいる人間は一人残らず殺害、つまり真相を揉み消す必要がある」


 島の写真が消え、ハイジャックされた旅客機のデータが表示される。


「乗客は49人、乗員は20人だった。 この内ハイジャック犯を除くと64人になる」


 小学生でも分かる内容だが、さっきのが恐いのか誰も突っ込まない。


「この作戦への荷担は社外には絶対漏れない。 諸君次第だが、君達にも良心はあるだろう。 この作戦への参加の拒否権を、君達は持っている」


 誰も声を上げず、誰も席を立とうとはしなかった。


「良心ってなんだっけ?」


 いやー本当になんだっけ?


「説明を続行する」


「クレイジーな連中だよ…」


 微動だにせず、カールがジャクソンに囁いた。

To Be Continued…

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