↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
借金聖女と腹黒御用商人  作者: 大沢 雅紀
PR
36/42

クイーンスタ―

「なにこれ?」

「『鑑定』。なになに?『人手鬼の卵(真珠化)』だって?」

「ありえない。人手鬼が襲ってきたのは400年も前のはず。卵が残っているわけがないの」

それを見たアヤコが首を振る。

「とにかく、これが原因かもな。エリザベス」

真珠の玉を袋にいれて、エリザベスに指示する。

「うん。ヒール!」

エリザベスが再び治癒魔法をかけると、壁は輝きを取り戻す。しばらく待ってみても、紫色には変色しなかった。

「この調子で、全部除去しよう」

それからサクセスの『鑑定』で異物がある場所を特定し、全員で除去するのだった。


数時間後

「これで大体終わったかな?」

パンパンに膨れあがったリュックを背負いながら、サクセスがつぶやく。玉を大量に回収して治療魔法をかけたおかげで、紫色をしていた最深部エリアも、ほとんど元の輝きをとりもどしていた。

「よし。それじゃとっとと帰って……」

「きゃーーーー!」

「いやーなのー」

サクセスが帰ろうとしたとき、エリサベスとアヤコの悲鳴が響き渡る。

いつのまにか壁から生えてきた触手に絡めとられていた。

「お嬢ちゃん!」

「エリザベス様!」

慌てて駆け寄ったガラハットとエレルが、もっていた短剣で触手をを切断する。

「くそっ!なんだこれは!」

しかし、新たに生えてきた触手によって拘束されてしまった。

「みんな!」

サクセスは、慌ててリュックを下ろして駆け寄ろうとするが、床から這い出た触手に絡めとられてしまった。

触手の先端が裂け、鋭い牙が生えた口が無数にできる。その口はサクセスたちに噛り付き、貪り食おうとした。

「シェルシールド!」

可愛らしい声と共に、全員の体表に透明なシールドが張られる。

「アヤコ、助かったぞ」

「どうもなの。でも、このまま動けなかったら困るの。異物とみなされて、お爺ちゃんの石化魔法が……」

アヤコがそういったとき、不気味な声が響いてきた。

「ふふふ……聖女を捕らえるとは。これで我らが魔族の勝利は決まったようなもの」

壁の一部がもりあがり、人型のヒトデになる。その中央からは、色っぽい女の顔が突き出ていた。

「きゃーー!」

あまりに不気味な姿を見て、エリサベスたちは悲鳴をあげる。

「お、お前はなんだ!」

「我は、やがて六魔鬼の一人となる人手鬼の女王。クイーンスター。海を統べる者なり」

クイーンスターと名乗ったモンスターは、嬉々として話し始めた。

「ただの人手鬼として海を漂っていたわれは、50年前のある日、魔王様の強い意志を感じた。やがて現れる勇者に協力する忌々しき貝殻人たちを滅ぼせ。さすれば人手鬼の女王として六魔鬼の地位をさずけるとな」

クイーンスターは邪悪に笑った。

「……それで、その女王とやらが、ここで何をしているんだ?」

触手にしめつけられながらも、サクセスは聞き返す。

「ふふ。まだ我は六魔鬼のレベルに達しておらぬ。そんな我にできることは、ゴッドシェルの体内に卵を産みつけ、孵った子供と協力して貪りつくすことじゃ。だが……」

クイーンスターの顔が、忌々しそうに歪む。

「さすがは貝柱神といったところか。我がいくら卵を産んでも、石化の魔法がかかった霧で包み込み、封印してしまう。結局、弱らせるのに50年もかかったのじゃ」

「なるほどね。ゴッドシェルが『石化霧』を出したのは、そういうわけか。仮にも神と名がついている生物が、人に迷惑かけるのっておかしいと思っていたよ」

サクセスは納得する。

「ふふふ……やがて遠くない先、ゴッドシェルは死に、我が海を支配する。そして勇者パーティも捕らえることができた。魔王様復活前に、勇者たちを全滅させていたとなれば、我は六魔鬼の筆頭になるであろう」

クイーンスターはそう言うと、甞めるような目つきでアヤコを見つめた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=569357356&s
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。