↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
借金聖女と腹黒御用商人  作者: 大沢 雅紀
PR
15/42

訪問者

村の外

村の街道では、多くの馬車が並んでいて渋滞が発生していた。

その列の最後尾に、一際豪華な馬車が並んでいる。

「まったく、どうして進まないんだ」

金髪の高貴な顔立ちをした少年が、不快そうにつぶやく。

「どうやら、交易隊商と鉢合わせしてしまったみたいですね」

銀色の髪をツインテールにした美しい少女がそう説明した。

「くそっ。早くしないと横取りされてしまう」

「あせっても仕方ありませんわ。大丈夫です。『光の剣』はきっとレオンハルト王子様のものになりますわ。ここに書かれています」

銀髪の少女が差し出したのは、魔皮紙の巻物だった。表面には幼児が書いたような字で「よげんのしょ」と書かれてある。

「またそれか。胡散臭い。だいたい、それを書いたのは君じゃないか。シャルロット」

「うふふ。でも、今まで細かい所は違っていても、だいたい当たっていたでしょ」

「まあ、そうなんだが……」

レオンハルトは薄気味悪そうに、シャルロットを見つめる。

「ご安心ください。あと少しで馬車転倒イベントが起こって、王子は運命の主人公と会えるはずです」

そうつぶやいたあと、シャルロットは首をかしげた。

「でも、ここからどうやってあの出会いイベントが起きるのかしら。予定では、全力疾走している馬車の前に猫が飛び出して、びっくりした馬が転倒して、聖女が治療するっていう設定なんだけど」

シャルロットの思惑とは異なり、馬車は渋滞をノロノロと進んでいった。


交易は順調に行われていた。荷物を積んだ馬車がどんどん村に入ってくる。

「今回はいつもより量が多いですな。それに塩だけじゃなくてぜいたく品もたくさんある」

大量の品物をゲットした村長が、ホクホク顔でつぶやく。

「少し前、王都との交易ルートを拓くことに成功したんでな。安価で品物が入ってくるようになった。またここまでの道中も魔物を駆除しておいたから、今後はもっと隊商の数を増やせるぞ」

「ありがたいです。これでこの村も豊かになれそうです」

サクセスは傲慢ではあるが強欲ではない。鉄製品や石炭との交換レートも妥当なものであるし、村に必要なものを持ってきてくれるので村長たちは感謝していた。

「気にするな。商売はお互い様だ。それと、あまっている石炭があったらもっと譲ってくれ。これから冬になるし、用意はしておかないといけないからな。代金は次の交易の時払う」

「わかりました」

「ずいぶん簡単に信用するんだな」

「ゴールドマン商会が我々をだましたことは一度もないので」

村長は信用していると言う。

「確かにな。信用は商人にとって一番の宝だからな」

サクセスがそういったとき、急に騒ぎが起こる。

「お前たち、何者だ!ゴールドマン商会の馬車じゃないな!」

そんな声が聞こえてきたのであわてて出てみると、白馬が引く豪華な馬車を村の男たちが取り囲んでいた。

「無礼な下民め!我々を誰だと心得る!恐れ多くも……」

馬車の護衛と御者が威嚇するが、男たちは恐れ入らない。

「知るか!俺たちの領主様はヴァルハラ男爵家だ!」

偉そうにされて、村人たちはますますヒートアップしてしまった。

「なんか面倒臭そうな奴がきたぞ……。エリサベス様に女子供と一緒に隠れていて下さいって伝えてきてくれ」

「わかりました」

村長にそう言って、サクセスは馬車の元に向かった。

「失礼。私はヴァルハラ家御用商人のゴールドマンと申すものです。どちらの貴族家の方ですか?」

サクセスが丁寧に聞くと、御者は名乗ろうとした。

「聞いて驚け。かの名高い……」

「ちょっと待て!」

その声と共に、金髪の美しい少年が馬車から降りてきた

読んでありがとうございます。評価していただけると更新スピードが速くなります

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=569357356&s
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。