↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
少年王と最強騎士団~王様だけど、先頭切って剣と魔法で戦います~  作者: 青柳 漠(アオアヲさん)
第二章 ミンツブルク解放戦

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
18/22

死闘! アステルVS.ティリー

 アステルは剣を構えた。


 ティリーは丸腰のままだ。


 おそらくティリーは、魔法をメインとして攻撃するつもりだろう。


(ここは一つ、様子見といくか)

 アステルが剣に魔法を込めると、剣の周りをグルグルと回るように小さな竜巻ができた。

 アステルが剣を振るうと、その小さな竜巻がティリーに向かって放たれる!


 ティリーは手のひらを体の前にかざすと、手のひらから氷のシールドを出し、竜巻を防ぐ。


 アステルは横に走ると、続けて竜巻を連続で発射する。


 ティリーも身軽に動き、手のひらで竜巻を全て受け止める。


(これは……ティリーは動ける!しかも細かい!)


 アステルの動きに即座に反応する身体能力。そして、体全体に魔法シールドを張ることも可能な中、手のひらの周りだけ氷のシールドを張るその細やかさ。


 だがそれは、ティリーの魔法力が無限でないことも示している。


(ここは接近戦に持ち込んだ方が有利か)

 アステルはダッシュすると、ティリーの懐に飛び込んだ。

 剣をティリーに向かって突き出す。


 ティリーは手のひらの氷シールドで剣の突きを受け止める。


 アステルの剣の突きによる連続攻撃!


 ティリーはその全てを手のひらで受け止める。


(これなら!)

 アステルは剣を上段に構えると、ティリーに振り下ろした!

 だが、ティリーは難なく両の手のひらで、この一撃を受け止めた。


(これは……おかしい)

 アステルはティリーとの間に距離を取った。


(これは……まさか、考えが読まれている?)

 アステルは心の中でそう思った.


(その通りよ)

 頭の中にティリーの声が響いてくる。


(雪の女王の力がなくても、アンタの心を読む能力は健在なの。だってアタシは皇帝の弟。北国のぽっと出の少年王とは出来が違うのよ)


(そうか、それで私の攻撃がことごとく防がれるのか。良かった、私の腕前が落ちたかと思った)


(何をのんきなこと言っているのよ。アンタ、この窮地(きゅうち)がよく分かっていないわね。アンタの攻撃は、ことごとく当たらないのよ。そのうちに力尽きるわ)


(それは、あなたも同じではないか。雪の女王からの魔法力はもう得られないんだ)


 アハハハ!


 ティリーはさもおかしそうに声に出して笑った。


(まだ残っている氷の壁。アタシはここから力を得ることができる。このようにね)

 ティリーの腕が怪しく動くと、周りの氷の壁からピッ、と塊が引きはがされ、空中に浮かび上がる。それが周囲に散らばり新たな氷の壁を作り出した。新たな壁はアステルとティリーを取り囲んだ。


 二人が闘うにふさわしい闘技場の完成だ。


(さらに……こうよ!)

 ティリーが右手人差し指をクイッと動かすと、壁から氷の塊が剥がされ、アステルの目の前を飛んで行き反対側の壁にめりこんだ。


(さあ、それそれ!)

 ティリーの指が動くと、アステルの前から塊が飛んでくる。アステルはサッ、と体をそらし避ける。


(さあ、どうよどうよ!)

 横からも塊が飛んでくる。これを避けたアステルが後ろを向くと、まさに塊が当たる瞬間!

 慌てて身をかがめ、塊を避ける。


(さあ、どうよどうよ!アハハ)

 ティリーが両手を高く掲げると、真上の空間に氷の塊が無数に集まってきた。


(ほらほら、少年王!今ちょっとゾッ、としましたね。いいわよいいわよ。アタシとアンタの魔法力の差を存分に味わいなさい!)


 ティリーが腕を下ろした!


 氷の塊がアステルに向かって、右から左から前から後ろから、さらには真上からも降り注ぐ。最初のうちは剣で氷の塊を防いでいたアステルだったが、ついに後ろから来た氷の塊がアステルを直撃!


 ウッ!とアステルの息が詰まる。


 後はもういけない。


 横から前から次々と氷の塊がアステルを襲い、鎧はボコボコにへこみ一方的にやられるアステル。


(一旦様子を見ましょうか)

 ティリーは氷の塊を自分の頭上にまとめた。


 アステルはボロボロだ。鎧はいたるところでへこみ、兜は吹っ飛んでしまい、顔も腫れている。アステルはガクッと膝をついた。


「ホホホ、アタシの勝ちは確定ね!ここで少年王を討ち取れば、あの忌々しい、年上の未亡人に取り入って成り上がったシュタインボルトより、アタシの方が優秀だと皆に示せるわ!」


 よほどシュタインボルトに思うところがあるのか、声高らかに吠えるティリー。


 ティリーの言葉に反応したのか……ヨロヨロと立ち上がるアステル。


(やはり、あなたは三下だ……シュタインボルトには到底かなわない……)

(何だと!)

(その三下に負けるようでは、私はシュタインボルトの言葉に応えることはできない……)


 アステルは背筋を伸ばし、しっかりと前を向いた。


(確かにあなたの魔法力は、私を上回る)

 ティリーの頭の中に、アステルの声が響いてくる。

(でも私の……いや、オレに足りなかったのは魔法力じゃない、覚悟だった)

(少年王、何を言っているのです?)

(オレとあなたの覚悟の差を、今示してやる!)


(覚悟だと~?そういえば少年王は、魔法による防御を一切しなかったわね)

(これから行うことは、魔法力を大きく消耗する。だから防御になんかに、オレの魔法力を割くわけにはいかなかったのさ。さあ、ティリー、オレの心を読んでみろ)


(そんな……まさか!本気なの?少年王!)

(そうさ、これがオレの覚悟だ!)


 アステルが両手を突き出し、魔法力をそこに集中させる。手から緑色の光が溢れ、氷の壁を超える巨大な竜巻が一つ出来上がった。そしてこの巨大な竜巻は、アステルのもとを離れ、氷の壁の中を不規則に移動し始めた。


(ティリー!オレの心を読んでみろ!)

 ティリーの顔がどんどんと青ざめていく。


(少年王、あの竜巻はアンタが操っているのではないの?)

(そうさ、オレの意思とは無関係に動き回る。そしてあの竜巻に触れたら最後……)


 アステルは右人差し指を天に突き出した。


(あの竜巻に触れたら最後、天高く巻き上げられる。この竜巻に、オレは全魔法力を投入した。そしてこの竜巻は……オレが死んでも消滅しない!)

(そんな……そうすると、ここで我々は死ぬの!アタシはこんなところで死ぬべき存在ではないわ!)

(すまない。降伏しても無駄だし、もう手遅れだ。さあ、覚悟を決めるんだ!)


 アステルは剣を構えた。


 ティリーも身構えるが、チラチラと竜巻の方を気にしている。


「行くぞ!」

 アステルがティリーのもとに突進するも、さっと踏みとどまる。


 二人の間を竜巻がものすごいスピードで通過していく。


「これでは戦いようがないわ!」

 ティリーは竜巻が気になって、アステルの心を読む暇がない。心を読むのに集中できず、怯えるティリー。


 一方アステルはどんどんティリーに向かっていく。


 なんとかアステルの攻撃を防ぎつつ、竜巻に巻き込まれないように動き回るティリー。



 ……何度目かのアステルの攻撃を、ティリーは手のひらの氷シールドで受け止めた。


 アステルとティリーはその状態で押し合いになる。


「クッ、少年王!」

「ティリー!後ろから竜巻が迫っているぞ!」

「えっ、少年王、ちょっと待て。この場を離れなければ、二人とも巻き上げられるわ!」

「フッ、そうだな。まあ諦めろ」

 二人は後ろから来る竜巻に、天高く巻き上げられた。


 竜巻は、そのまま空の上に消えていった。

この作品を面白いと思われた方、応援したいと思われた方は、


「ブックマーク」と、「評価」をぜひぜひお願いいたします。


アオアヲさんのモチベーション維持のために、必要な栄養分になりますので。



あなたにとって、この作品が日々の活力になれば幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。