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第20話 〜ありがとうございます〜

第20話登場人物名前


小泉紗夜:こいずみ さや


日代明日葉:ひしろ あすは


連城成一:れんじょう なるい


星野檸檬:ほしの れもん

「今日は楽しかったですね」


今は午後11時。あれからゲームをし、またご飯を食べ、そしてお風呂に入り、明日葉の部屋で話し込み、今日のために用意した3人が十分に寝れるベットに部屋を暗くして寝ている。


「そうですね。私も本当に楽しかった」


「そうだな。私も凄い楽しかった」


3人は眠れそうにない。だから今しかあの話は出来ないと、檸檬は思った。だから、檸檬は喋る。


「皆さんは私の事を好きですか?」


その突然の質問になんも悩まずに2人は答える。


「そんなの決まってるよ、親友として物凄く好きだぜ」


「そうですね。私も檸檬ちゃんの事は本当に好きです」


「ふふふっ、嬉しいです。私も紗夜ちゃんも、明日葉ちゃんも、すごーーーーく大好きですよ」


一時の静寂。檸檬は意を決して喋る。


「私……元の私に戻ろうと思います」


その答えはとっくの昔に決めていた。それは彼方と喋る前から。だが、その決心がつかなかった。だから自分の正解を探す。自分が納得出来るような答えを見つけるために、このお泊まり会をやった。


今日1日明日葉達と遊んでみてもう満足した。満足したのだ。


「は? どういうことだよ?」


「そうです、どういうことですか?」


明日葉と紗夜は思わず上半身を起こした。だが、檸檬は寝たまま。そして、暗くて檸檬の顔は見えない。


「そのままの意味です。本当は今ここでも、元の自分に戻れるんです」


檸檬は声色を崩さないように喋った。


「でも、戻れるんだったら今の檸檬ちゃんに戻れるんだろ?」


決してどうやって元の檸檬に戻せるかは聞かない。それよりも大切なのは今の檸檬に戻れるかだ。


「戻れるかもしれませんし、戻れないかもしれません」


「元の檸檬ちゃんに戻れるんだったら、今の檸檬ちゃんに戻れるじゃないんですか?」


「それは、私も分からないです。だけど、元の私に戻れるのは分かります」


檸檬は怖かった。元の檸檬に戻ってくれると、安心しているのではないかと、本当に本当に心の底から怖かった。


「やだよ、私。そんなの絶対にやだ」


それは紗夜の我儘。それは子供の駄々をこねるようなものだ。だが、紗夜はそれでもいい。檸檬に自分勝手な女だと思われてもいい。だげど、自分の気持ちに正直にならないと駄目だと思った。その答えをこの間見つけたのだ。


だが、それを聞いた檸檬は乱れる。心が身体がぐらついていく。


「そんなこと言っても私の決心は変わりませんよ?」


声を震わせないように頑張って喋った、檸檬。


「私も絶対に嫌ですよ。私は今の檸檬ちゃんも元の檸檬ちゃんもどっちも本当に大好きです。どっちかの檸檬ちゃんに会えないってなったら、私は死んでしまいます……!」


2人はもう、今の檸檬と離れられなかった。元の檸檬と今の檸檬を本当に本当に好きなのだ。元の檸檬にまた戻るのも嬉しい。いや、嬉しいよりも、もっともっと嬉しい感情を覚える。


だけどそれと同等、いやそれ以上に、今の檸檬と離れるのは悲しい。いや、今の2人は檸檬がどこかに行ってしまうと考えるだけで、もう泣きだしそうなほど悲しかった。


「ッッッーーー! そんなことを言われても私は戻るんです!」


檸檬の大声に、紗夜も堪らず大声をだす。


「私は嫌だよ! 本当に嫌だよ……!? 私は檸檬ちゃんが好きたがら、この気持ちは変わらない。だから、いなくならないでよ……!」


「私も嫌ですよ! 私も紗夜ちゃんともっと遊びたい。もっと話したい。明日葉ちゃんとも、彼方君とも渡君とも連城君とも! 全員と10年、20年、40年、60年! ずーーーーーーーーーーーとっ! 一緒にいたい!」


「だったら、また戻ってくるって約束してくださいよ……!」


「ッッッーーー!」


明日葉の悲痛な声で心がいたくなる檸檬。逆上する紗夜と明日葉。檸檬は毛布で顔を隠し喋る。暗闇の中、誰も表情は見えない。ここは電気をつけて話し合うべきだ。なのに、それをしないのは誰も今の顔を見られたくないからだ。もう3人は醜い顔になっている。涙が流れているのだ。


その顔は絶対に見せてはいけない。見せたら檸檬がもっと苦しくなるから。檸檬が泣いている姿を見せたら明日葉と紗夜がもっともっと苦しむから。

でも、もう3人は皆が泣いていると知っていた。それでも、檸檬は自分の答えを、政界を押し通そうとする。


「だって、しょうがないじゃないですか……!」


その声は震えていた。


「1番苦しいのは檸檬ちゃんだって知っています。だけど、私達も苦しいんですよ……? 私は本当に檸檬ちゃんが好きなんですから」


「やめてよ……」


「私も、檸檬ちゃんは今まで出来た友達の中で本当に好きなんだよ。だから、戻ってこられないとか言うなよ……!」


「決心が……揺らいちゃうよ……」


もう、涙が止まらない檸檬。もう嗚咽が出るほどに涙が止まらない。


「私は檸檬ちゃんが絶対に戻って来てくれるなら私は許すよ。でも、戻ってこないなら絶対に許さない」


もう、檸檬の決心は、答えは、正解は、ぶっ壊れた。ものの数時間で壊れてしまった。また、戻りたいと、ここで皆と一緒に過ごしたいと思ってしまった。いや、それはずっと思ってたことだ。

なのにその気持ちに歯止めが聞かなくなった。温かい気持ちと、悲しい気持ちと、苦しい気持ちが、ずっと檸檬の心の中で循環している。

この答えは違った、もっといい正解があったのだ。


「戻ります……! 絶対に戻って元の私と今の私が本気で楽しむことが出来るようにします」


檸檬は上半身を起こし、2人を見て喋った。

これが彼方の言っていた正解だ。自分が本当に正解だと思うことが正解。これが、自分も皆も大切にできる正解だ。


「そうですね。それを言ってくれなきゃ、駄目ですよ」


「ああ、本当だな。それが先だろ? 普通は……」


一時の静寂。


「「「ふふふっ(はははっ)!」」」


3人は同時に笑った。それは照れ隠しの笑いだ。もう、暗闇に目が慣れ3人の顔が見えてしまった。

3人とも泣いている。しかも、3人は鼻水も出ている。だが、鼻水も涙もそんなのは見えないはずがない。暗闇に目が慣れてもそんなにくっきりと見えるはずがない。


なのに、皆は泣いていて鼻水が出ていると、何となく、くっきりと分かる。それが面白く、恥ずかしく、実に私は滑稽だと、そう思ってしまった、3人。


「まずは、ティッシュだな」


「そうですね。ここにティッシュが……っと、はいどうぞ」


明日葉は近くにあるティッシュ箱に手を伸ば取った。3人はそのティッシュ箱からティッシュを数枚取った。


そして、3人同時に鼻をかむ。

そして、それをゴミ箱に捨て、涙を拭き、3人とも無言で毛布の中に入った。

その無言の中、檸檬が口を開く。


「ありがとうございます」


感謝の言葉。その言葉に2人は……


「当たり前だろ? 親友なんだから」


「そうですね。本ーーーーー当に当たり前のことをしただけですからね」


その会話したあと、3人は糸が切れたように直ぐに眠りについた。


ーー朝ーー


『トンっトンっトンっ』


「返事がありませんね。まだ、寝ているのでしょうか?」


今は8時。連城が三人を起こしに来たが、何も反応が返ってこない。連城はもう一度ノックをするが返事は返ってこない。

連城はもしも見られたくないことをしている中に入ってしまったらそれは最悪だと思い「いやだなぁ~」と言いながら扉を開ける。


「良かった。寝ていますね」


遠くから分かるが3人は寝ているようだ。連城は明日葉達に近づき喋る。


「皆様、流石にもう起きましょうっ…………て、これは起こさない方がいいですね」


連城はベットに近づき、明日葉達の姿を見て静かにポケットから携帯を取る。

どう考えても女子の寝ている姿を撮るのは駄目だろう。だけど、これは撮っといた方が後々絶対にいいと思った。


1人は大の字に仰向けで、1人は大の字に寝ている人の腕と足が、体に乗っかり苦しそうに仰向けに、1人はそれを見ているかのように横になって寝ている。


「この写真は……誰に共有すればいいのですかね?」


それを見るだけで幸せになれるS級美少女達の姿と綺麗な友情を誰に見せればと思い考え、連城は忍び足で部屋を出た。


「はぁ~、起こせば良かったですかね?」


執事長に絶対に起こせと言われ、執事長にどう言い訳しようか考える連城だった。

どうも最近、暇すぎる犬三郎で〜す。

今回の話は女の子ノ友情を書けたらなって思って書きました。正直に言いますと、女の子の友達なんて一人もいないので完全に忘れ創造で書きました。まぁ、明日葉達だったらこうするよな〜とおもって書いたんですが結構、書いたあとの直しが大変でした。


by iPhoneを新しく買って捜査方法が慣れない犬三郎

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