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第16話 ~俺の友達は薄情だ~

第16話登場人物名前


小泉彼方:こいずみ かなた


小泉紗夜:こいずみ さや


安野渡:やすの わたる


日代明日葉:ひしろ あすは


連城成一:れんじょう なるい


星野檸檬:ほしの れもん


橋本加奈:はしもと かな


山田美咲:やまだ みさき





今は6時45分。昨日、山田さんの趣味に同じ趣味だと言えなかった。だから、今日こそは言うと決意し、俺は朝早く起きた。

紗夜は昨日、檸檬の捜索のせいで外を走り回りクタクタになり今はぐっすり寝ているだろう。


たが、後からなんで一緒に行かなかったんだよ! と言われるのも嫌だから声をかけることにした。

俺は紗夜の部屋のドアを開けた。

紗夜はベットで布団をはいで大の字になって寝ている。


「紗夜。俺は学校に行くけどお前も来るか?」


「う……う~ん」


熟睡してしまっている紗夜。俺は起こさないように、ドアをゆっくり閉めた。

そして、俺は家を出て学校へ向かった。





「山田さんは……いないか」


俺は教室に入ると山田さんの姿は見えなかった。まぁ、毎日来てるとは限らないしな。


俺は自分の席に座り、本を鞄から出した。


「あ、あれ? 彼方君?」


すると、丁度山田さんが教室に来た。


「山田さん、おはよう」


「うんっ、おはよう」


山田さんは不思議そうにこちらを見て話した。


「な、なんで、本読んでるの?」


「昨日言ってなかったけど、俺も朝、誰もいない教室で本を読むの好きなんだよ」


俺の言葉に山田さんはパァと顔を明るくした。


「本当に!? そうだと思ってたの!」


本当に凄く明るくなった山田さんは、早歩きで顔の近くまで体を近づいてきた。俺は座ってるのに関わらず体が1歩後退りしてしまった。


「ご、ごめん。同じ趣味の人なんていなくて……テ、テンションが上がっちゃって……引いたよね?」


山田さんは今の状況に気づき、俺と同様に1歩2歩と後退りして俺の返答にに怖がる表情で喋った。


「うん、ちょっと引いたね」


俺は笑いながら酷い事を言うと山田さんは……


「そうだよね……。こんな性格だから友達が出来なくて……私なんて……私なんて……」


下を向きながら小さい声で喋る山田さん。まじで感情表現が豊かだなと改めて思ってしまった。

そんな山田さんだからこそ俺は友達になれる気がした。


「じゃあさ、俺達友達になろうよ」


「えっ? え? な、なんで?」


俺の返答に戸惑う山田さん。そんな山田さんに俺は笑いながら言った。


「だってさ、自分で言うのもなんだけどこんな趣味もってる奴なんていないぜ? 山田さんが良かったらなんだけどさ」


「もちろんっ! よ、よろしくお願いします!」


山田さんは俺に手を差し出した。俺はその手に握手をした。すると山田さんは満面の笑みになった。

山田さんとは良い友達になれそうだ。





「美咲は朝、誰もいない所で本を読むところのなにが好き?」


名前の呼び方を山田さんから美咲にしてもいいかと言ったが快く快諾してくれた美咲。

そして、美咲に俺が夢に見た趣味の話をしようと決意した。


「う~ん、や、やっぱり普段はいっぱい教室に人がいるけど、そこに1人だけで外の皆が部活している音とか本に集中するとそれも聞こえなくて、何か物語の中にいるみたいになって本当に良くてさ」


いつもよりすらすらと喋る美咲。

俺はそれをうんうんと顔を頷きながら話を聞いてると全て俺の好きな所と一緒でびびってしまった。


その後も、趣味の話をしまくりもう7時50分になってしまった。

そこへ、1人の生徒が入ってきた。

そいつは俺の方を少し見て席に座ってしまった。


そいつはイヤホンで俺達にも聞こえるような爆音の音で音楽を聞いている。


「美咲ごめん、少し席離れるよ」


「う、うんっ! なんか用事でもあるの?」


美咲は首を傾げ不思議そうに言った。


「ああ、あいつに用があってな」


俺が指差す方に美咲が向くと、更に不思議そうにした。俺はそんな事を気にせずそいつに近寄った。

そいつの近くによるとよく分かるが、そいつの耳はぶっ壊れてるのかと思う程の大きい音で音楽を聴いている。

俺は携帯を構っていて近づいた俺に気づいてない。


加奈(かな)聞こえるか?」


「……なに?」


予想外だった。普通の声で喋ったら普通に返事が返ってきた。そして、加奈はイヤホンを取った。


「一昨日の公園の事、覚えてるか?」


「う~ん、覚えてないかな~。あんなヘタレで根性無しで臆病な馬鹿野郎の事なんて覚える価値なくない?」


真剣な顔で言う加奈に俺は真剣にそれを受け止め喋る。


「申し訳なかった! 本当にあの時の俺は馬鹿だった! こんな軽い頭一つで許してくれるなんて思ってない……本当に申し訳なかった!」


「あれ? あの時のあの人ってあんただっけ? それすら覚えてないんだけど」


「そうだ、あれは俺だ」


「ふ~ん、それで? 謝ったからそれで終わりって思ってるの?」


加奈は俺の方を向き脚を組み喋った。


「思っていない。俺に出来ることならなんでもする。そんなことはただの自己満足にしかならないかもしれないけど……これ、この小泉券で俺が出来るのこと一つだけやる」


俺は加奈に小泉券を渡した。それを加奈は手でとりふ~ん、と言いながら机に置いた。


「じゃあエッチな事も出来るわけ?」


加奈は俺をからかっている。俺はそんな加奈だからこそ、イラッときた。


「いや、そんなことしないだろお前は」


「するかもよ? 私ってビッチだったりするかもしれないしね」


「ビッチってお前……そんな性格じゃないだろ」


「そんな性格じゃないって? 私の何を知ってるの?」


「確かにそれを言われたら答えようがないけど……何故か冗談でもそんなことは言って欲しくないんだ加奈には」


「なにそれ~、ちょっと照れるんだけど」


笑いながら言う加奈に俺は真剣に答える。


「本当に、自分を下に見せるような言い方は本当に加奈にはやめて欲しい、お前はお前のままが一番いいから」


何故、こんな事を言ってるんだ……俺は。

なんで加奈にこんな事を言っている? 俺は今は加奈に恩返しする方なのにこんな真剣になって加奈を叱ってるいるんだ?

ああ……そうか、昔の檸檬がこんな事をやってたから……見てるのが嫌なのか。


「あんたは私の何を知ってるの? 私がビッチかもしれないじゃん?」


俺の言葉にイラッときている加奈。なんで怒っているかは分からんが、俺も俺でこれは引けない。


「ビッチならもっと、友達の輪が広いだろ」


「はぁ? 私が友達いないとかって思ってるの?」


「その通りだろ? いつも1人じゃねぇか」


「うっ……じゃあ、ビッチだったら何をするのよ?」


「男との距離が近いとか大胆な行動とかすんじゃねぇのか」


「男との距離が近いねぇ~、こういうことか」


加奈は立ち上がり、俺の顔のギリギリまで体をを近づけてきた。

俺はその行動に反射で後ろに1歩2歩と下がるが、加奈は1歩2歩と俺に近づいてきた。

それを繰り返していると直ぐに後ろが壁になった。


「お、おい……冗談はやめろよ」


「なぁ~に? あんたがビッチは嘘だって決めつけたからでしょ? 後は大胆な行動か……」


そう言うと加奈は顔を近づけてきた……


「紗夜ちゃん、まだ眠いんですか?」


「そりゃぁ、そうだろ。昨日、あんだけ……」


紗夜と、明日葉、檸檬、連城が教室に丁度入ってきた。そして、彼方と加奈の姿を見てしまった。


「これで、嘘じゃなくなったでしょ?」


加奈は彼方の頬から唇を離した。


「お前……それは駄目だろ」


突然のキスに彼方は赤面し、加奈は平然と喋る。


「いいんじゃな? 私達、付き合ってるんだし」


そう言うと加奈は教室を出て行こうとした。


「おいっ! まだ、話は終わってないぞ!」


「ちょっと水買ってくる」


セーターに付いてるポッケとに手を入れ明日葉達の中を通り過ぎ教室を出て行ってしまった加奈。それを見ていた美咲、明日葉、紗夜、檸檬、連城。


美咲は明日葉達と彼方を交互に見てあたふたしまくり、明日葉は絶望の顔を、紗夜は赤面を、檸檬は胸に手をやり不思議そうに顔を傾げ、連城はまたかと笑ってしまっている。





「はぁ~、なんであんな挑発に乗っちゃったんだろ」


加奈は、人がちらほらいる廊下を歩き1人事を呟く。


「……そのせいで顔が真っ赤なんだけど……本……当にあいつ嫌いだわ~」


手鏡で自分の顔を見て喋る加奈。その顔は誰が見ても赤かった。

ここで、初めて自分がボッチで良かったと思ってしまった。もしも、ここで察しが良い友達が居たならばそれこそ、そいつと会ってしまったら終わりだ。


「橋本さん、鏡なんて見てどうしたんですか?」


鏡を見て歩いていた加奈は知らなかった。目の前から今、1番会ってはいけない人がいることに。この学校で上位に入るほどの学力と心理を読みとることにたけている、イケメンを……

自分の名前に反応し、加奈は立ち止まり目の前を見た。

そこには渡がいた。


「そんなに親しくないんだから、最初は挨拶じゃない?」


「すいません。私はもう仲良しだと思ってたんですけどね」


「なにそれ? 私の友達になるなんて100年早いよ」


「それを聞くと本当に不思議ですよね? そんなにトーク力があるのに……友達がいないなんて」


渡の言葉に加奈は渡に対して強い眼差しを放った。


「すいません、この話を話しちゃ駄目でしたか。ですが、そんなに友達を作りたくない人がなんで彼方にはあんなに積極的なのか……頬が赤かったのも彼方のせいではないんですか?」


その言葉に動揺してしまった加奈。普段は絶対に動揺しない言葉なのに、彼方とのキスで今は精神が不安定なのだ。


彼方の事を言われるだけで頬が赤くなってしまう、恥ずかしくなってしまう。

本当に彼方の挑発に乗ったのは馬鹿だったと後悔している。


「本当に嫌いだわ。あんたのこと」


「私は好きなんですけどね貴方のこと」


両者の間にビリビリと流れる電気が見えるような両者の圧。


「もういい、私は水欲しいだけだから。じゃあね」


そう言い加奈は、去っていった。


「いや~、俺もあんなに言い合いたくないけどな~。っていうか、彼方と何があったんだろうな」


加奈が廊下を歩いて行く姿を見て苦笑いをする渡。

渡は色々な考察を考え教室に着くと、そこには2人に言い詰められている彼方がいた。


「だから、違うんだって。あれは、ほっぺにキスされたの! 決して、唇ではない!」


「それは本当ですか!? 誰彼構わずキスする彼方君じゃあ信じられません!」


「そうだ、そうだ! だいたい兄貴は、油断が多いんだよ!」


明日葉と紗夜に叱られている、彼方を見る檸檬と連城。自分の席に座り彼方を心配して見る美咲。その他の生徒はいなく、いたら皆が無条件で見る光景。


「おい、連城。なんで彼方があんなに罵られてるんだ?」


渡は連城に近づき質問した。その質問に連城は笑いながら言う。


「橋本加奈様が彼方様にキスするところを見まして。私達からは唇にしたように見えたのですが、彼方様は頬にキスされたと言ってるんです」


困ったように言う連城に、全ての事が繋がった渡がにやけた。そして、鞄から携帯を出しその光景を撮影し始めた。


「お、おい! 渡、撮ってないで俺を助けてくれよ!」


彼方が渡を見て言った。その視線を塞ぐように明日葉が彼方の目の前に立った。


「駄目ですよ彼方君、彼方君にはもうこんなことをしないために反省文を5000文字書いてもらいます。今日中に!」


「ごめんなー、彼方。女は強しって言うじゃん? 男の俺は関わらないのが一番だよ」


「じゃあ、連城は!?」


「やはり、私はお嬢様が1番なのでお嬢様がすると言ったらそれを支えるのが私の務めですのでね。私はお嬢様側です」


「じゃあ、檸檬は!?」


「私は面倒臭いのでいいですー」


「じゃ、じゃあ、美咲は!?」


「えぇぇぇぇぇ!? わ、私ですか!? そ、そ、そんなに華があるところにいたら死んじゃいます!」


「その考えはなんなの!?」


「さぁ……兄貴、もう逃げられないぞ」


「俺の友達はこんなに薄情な奴しかいねぇのかぁぁぁぁぁぁぁ!」


学校中に響き渡った彼方の声。彼方はこの後本当に反省文を書かされ、地獄を見たと言う。

どうもこの後書きに凄い書きたい事がありすぎる犬三郎で~す。

今回の話の加奈がキスするのはおかしいと思った人もいるかもしれませんが、私の兄がオンナは挑発するとのっかってくるぞとの事を喋っていたのでまぁ、のるのかな~? と思いながら書いていました。まぁ、のるんだよ挑発に。


by 最近寝不足気味の犬三郎

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