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第11話 ~俺は俺が嫌いだ……!~

第11話登場人物名前


小泉彼方:こいずみ かなた


小泉紗夜:こいずみ さや


安野渡:やすの わたる


日代明日葉:ひしろ あすは


連城成一:れんじょう なるい


星野檸檬:ほしの れもん


橋本加奈:はしもと かな

「記憶……喪失? ってどういう事だよ?」


「そのまんまですけど……なんか、階段から滑り落ちて頭に衝撃が強すぎてほんとんどのこと忘れちゃったんですよね」


ケロッとした顔で答える檸檬。その顔はいつもの檸檬の無表情の顔ではない。本当に別人のように表情が変わっている。


「いやいや、記憶喪失なんてアニメとかそういうのにしか起こらないやつだろ……?」


「いや~それが起こっちゃったんですから不思議ですよね~」


俺が困惑している中、病室のドアが開いた。

そこから、明日葉達が入ってきた。


「なぁ、檸檬が記憶喪失になったって嘘をつくんだよ。お前らもなんとか言ってやれよ」


後ろにいる、明日葉達を見て言った俺。


「兄貴、檸檬ちゃんのお母さんから聞いたけど……本当に記憶喪失になったんだ」


紗夜が苦しそうな顔で言った。


「おいおい! なんだよこの茶番劇。嘘をついたって分かるんだからな分かるんよ……!」


頼むから手をグーパーグーパーしてくれ。嘘だと言ってくれ!


「兄貴……本当に檸檬ちゃんは……」


胸が苦しい心が痛い、また、戻ってしまうあの時のように駄目だ駄目だ駄目だ!


「おい! 彼方!」


「彼方君っ!」


俺は走っていた。病室を出て、檸檬から離れたかった。


「私が彼方君を追いかけます!」


彼方の後を追おうと走ろうとした明日葉の腕を掴んだ渡。


「ここは俺に任せてくれ。彼方が行きそうな所ぐらい俺は分かる」


檸檬が記憶喪失だと知っても表情が変わらなかった、渡。今もいつも通りの表情だ。

たが、そんな渡でこそ信じていい、そう思った明日葉は渡の言葉に相槌をうった。


それを見た渡は小走りで病室を出た。


「う~ん? あの人は、あんなに慌ててどうしたんですかね? それより皆さん初めまして星野檸檬です! 仲良くしましょうね」


笑顔の檸檬にどうすればいいか、分からない紗夜と連城。たが、明日葉だけがやるべき事を分かっていた。


「そうですね。まずは自己紹介ですね。どうも、記憶喪失になる前に()()だった、日代明日葉です」


お辞儀をしながら、挨拶をした檸檬。

明日葉の言葉に我を取り戻した、紗夜と連城。

紗夜と連城はこの檸檬を明日葉のように受け入れようと挨拶をした。


「私も檸檬ちゃんの親友だった小泉紗夜です」


「同じく、檸檬様の親友だった連城成一です。成一と言われるのは恥ずかしいので連城とお呼びください」


「明日葉ちゃんと、紗夜ちゃんと、連城君ですね。覚えました! これからよろしお願いします」


笑顔で答える、檸檬。本当に別人のような表情に明日葉達は本当に記憶喪失だと確信した。

それと同時に2人は悲しみと元気が出て、1人には心配と絶望を心に宿した。





「はぁ……はぁ……はぁ……!」


俺はあの後、外に出て走った。出来るだけ遠くに、誰かが来ないように、誰もいないところに……。そして、無我夢中で走っていたら公園に来ていた。

平日の真昼の公園。そして、夕方でも人が来ないような静かな公園。

そして、気づいたらブランコに座っていた。


「無意識……でここに……来たのか俺?」


まだ、息が苦しい、酸素が欲しい。今、檸檬の事を考えてはいけない。考えたら苦しむだから、思いっきり走った。なのに、ここに来てしまった。ここに来ると絶対に檸檬の事を考えてしまうのに……!


「ゲームで疲れたら……ここで休むんだよな」


檸檬のお陰でゲームが好きになった。あいつには感謝しかない。勉強も教えてくれるし、俺の知らない世界も教えてくれた、なのになのに、俺は檸檬をあんなふうにしてしまった……!


「あれ、彼方君じゃん。なんでここにいるの?」


公園の入口で俺が通ってる学校の制服を着た姿のあれは……橋本加奈か。

橋本加奈はこちらに、歩いてきた。


「なんでお前がここにいるんだ?」


「話したことのない女子にお前っていう、普通?」


「すまん、確かにそうだな。申し訳ないな」


「まぁ、いいけど。なんでここにいるかって質問に答えてあげるけど、鳩背病院がこの先でしょ? 私も星野さんのお見舞いに行こうと思ってさ」


「そうか、今日は学校は半日か……しかし、なんで檸檬と仲が良くない加奈がお見舞い行くんだ?」


加奈は俺の目の前に着き、俺の質問に答えた。


「別にいいでしょ? あんたこそ教室いきなり出て行ったのになんで息切らしてブランコに乗ってるわけ?」


「ちょっと、嫌な事があって走った。だから、今は1人にしてくれないか?」


必要最低限の事を言った。仲が良くない加奈はどっか行ってくれるだろ。


「嫌なことがあったって何があったの?」


「話した事もないのに、何も知らないくせにお前に相談しろと? なに馬鹿な事言ってんだよ。頼むからどっか行ってくれ」


なんで俺は加奈に強くあたってるんだろう。こんなのは、俺らしくないなのに、心からの言葉が涙のようにでる。早くどっか行ってくれ、もっと俺が嫌いになっちまう。


「う~ん、嫌だ」


「なんでお前は俺をそんなに構うんだ?」


「だってさ、小動物がこんなにも怯えてるんだよ? そんな可愛い動物を置いていける訳ないじゃん」


「俺が怯えてる? 怯えてなんかねぇよ!」


声を荒らげて言った。こんなにも怖い声が出るのか、俺ですらビックリしている。だが、感情が止まらない。


「怯えてるじゃん、顔を見れば誰でも分かるよ。あんたは怯えてる」


俺の顔はどんな風になってのか? いや、今、俺の顔は普通だ普通の普通の筈だ……!


「馬鹿言ってんじゃねぇよ! 俺は! 俺は! 怯えてなんかねぇ……!」


なんで大声なんて出してんだろ、人を怒鳴るなんて駄目だ。俺を嫌うのはどうだっていい明日葉や、渡に被害がでる方が駄目だ。

駄目だ歯止めが聞かない。今まで抑えていた感情が滝のように流れている。

気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い!


「怯えてる人は大声を出すって知ってる?自分を怯えてないと隠すため、自分の自尊心を傷つけないためにに大声を出すの。だから、あんたは怯えてんのよ」


「うるせぇ! 俺は! 俺は! 怯えてなんかない! 」


また、声を荒らげて言ってしまった。駄目だ……声を荒らげては、だが、加奈の言葉は心に突き刺さる。俺が本当に怯えてるんじゃないかと思わせるほどに……。


「ほら、声を荒らげてるし、顔が真っ青だし、体が震えてんじゃんか。それは怯えるんだよ」


俺は本当に怯えてるのか? いや、怯えてる筈はないんだ! ない筈なんだ!

怯えてない怯えてない怯えてい! 怯えてないはずなのに! こんなにも怖い! 俺が怖い、檸檬を守ると誓ったのにもう、守れなかったと、あの場から逃げ出したと! 勇気がない、力もない、根性もない、覚悟もない!俺は臆病者だ……!

また、また、あの時に戻っちまうおれの心が俺の体が……!


「もう嫌なんだよ! 俺が頑張らなきゃ檸檬は記憶喪失にならなかったんじゃなかったのかって! 俺が頑張ると絶対に皆が不幸になるんだよ!」


俺の心の叫びが出た。俺はこう思ってたのか。俺は真実を言うことで慰めてもらいたいのか? この臆病者の俺を慰めてもらいたいの

か?


「あんたが頑張ったら人が不幸になる? 不幸、舐めないでよ。なんで星野さんが不幸になったと思ってるの? それは、星野さんが決めることでしょ? あんたが決めることがない」


「そうだとしても、もう疲れたんだよ。頑張って頑張ってもう死ぬほど身を削って檸檬をクラスの輪に入れたのに、また離れちまう。もう、良いんだよ」


「はぁ~。もういい。私はあんたの事が嫌いになった。あんたは自分の事を何一つ分かってない」


「俺の事は俺が1番分かってる。もういい、どっかに行ってくれ」


「分かった。私もあんたとはもう居たくない。じゃあね」


加奈は後ろを向き、公園を出て行った。


「私の彼氏なんだからいいところ見せなさいよねバカ」


公園を出た加奈は彼方に聞こえない声で力強い声で言葉を嘆いた。


「…………」


いつの間にか上がっていた息はもう止まっていた。たが、今度は心が痛い。こんなにも痛いのはあの時以来……いいや、あの時と比べたらこの痛みは比べものにならないくらい弱いな。


「よっ、彼方」


公園に入ってきた渡。


「次は渡か……どうしてここが分かったんだ?」


「う~ん、なんでだろうな長い付き合いだからかな? それより、見てたぞ彼方。加奈さんになんか、いっぱい言われてたな」


「聞いてたのか、意味が分からない奴だろ? 俺も意味がわからねぇよ」


渡は俺の隣のブランコに座り喋った。


「俺は頼れないか?」


「頼れるよ、おまえは誰よりも頼れる。だけど、俺の我儘にお前を巻き込めないんだよ。檸檬の時だって渡が最初から関わっててそれで学校に来させることを失敗したら、お前は苦しむだろ?」


「まぁ、そうだな。俺は苦しむだろうな。だけど、今回は俺は檸檬さんの回復に俺は努めるよ。お前はどうなんだ?」


「俺はいいよもう。俺が関わったからこうなったんだ。もう、関わるのをやめるよ、お前とも明日葉とも」


「要は嫌になったと、自分に。自分のせいで檸檬さんがああなって、また、皆の輪から離れるそう思ってるんだろ? 全てその通りだ。全てお前が招いた事だ」


「ッッーーー! 知ってるよだから、もう止めるんだよ!」


「俺は檸檬さんの記憶を取り戻すために頑張るぞ? お前はここで逃げると、本当に本当にそれでいいんだな?」


「良いんだよもうここで、俺は静かに学校生活を送るよ。お前とも絶交だ」


「分かった。俺もそんなお前とは絶交だ。自分の気持ちにも気づかない馬鹿野郎とは関わるのはもう止めだ」


そういい渡はブランコから立ち、公園を出て行った。


「これでいいんだよ。これでいいはずなんだ」


そう自分に言い聞かせ俺は日が暮れるまでブランコに乗っていた。




「橋本さん」


鳩背病院に行くと言っていた事を聞き、鳩背病院に行く道を走って、加奈に追いついた、渡。加奈は後ろを向き、渡に話しかけた。


「うん? 学年でトップ5位にはいるほどかっこいい渡君じゃん。どうしたの?」


加奈の冗談を無視し、話を続ける渡。


「さっき、彼方に現実を見させてくれありがとう。彼方はこれからどうなるか分からないけどきっと檸檬さんの為に戻ってくるよ。だから、俺はそれを信じて待つよ」


「そっ。私には関係ない話だけど」


加奈は話が終わったと思い、鳩背病院に行こうとした。


「あと、もう一つ質問いいですか?」


渡の言葉にまた、渡の方を向いた加奈。


「質問が多い男は嫌われるよ? まぁ、今回は特別ね」


渡は「ありがとうございます」と言い質問をした。


「なんで橋本さんは檸檬さんのお見舞いに行くんですか? しかも、学校から歩きで45分もかかる道を。しかも、彼方がいる所まで遠回りして行くなんて不思議な話ですね」


渡の言葉に笑い、質問に答える加奈。


「不思議な話だけど、そんな事を男子に言いたくないな~、もっとも腹の底が見えない渡君になんかにはもっと言いわないけどね」


「嫌な言い方だな~。俺はもっと貴方の事知りたいだけなんですけどね。例えば……なんで彼方にあんなに素を出すとかね?」


笑いながら答える渡に加奈は表情を崩さずに……


「う~ん、それは乙女の内緒」


「まぁ、そう簡単には教えてくれないですか……」


「あれ? 付いてくるの?」


「はい、俺も鳩背病院に行くので」


「ふ~ん、まぁ、病室が分かるから私の隣、歩いていいよ」


「じゃあ、雑談でもして行きましょうか」

どうも久しぶりです犬三郎で~す。今回は主人公の闇が見えた話でしたね。あれ、これ、ラブコメじゃなくてヒューマンドラマとか言うじゃないぞ!? ここからラブコメが始まるんだよ! あ、主人公達は全員闇を抱えてるので、その闇を取り払うのもこの話の醍醐味にしたいです。


by 今回の話は作るの難しすぎたけど次の話は作りやすいから来週投稿すると意気込んでいる犬三郎

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