↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【第二章開幕】エンド・オブ・クロニクル 〜神話へと続く旅路〜【2000PV突破】  作者: 百瀬 三月
第二章 大会編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
50/71

2-1-5 試合開始

転移した場所は、石レンガに囲まれた場所だった。

天井はところどころ崩れており、窓枠には埃が被さっている。

その埃を照らすように、窓からは光が差し込んでいる。


隣にはラヴェンツァも居た。

転移は同じ場所になるらしい。

「ここは……?」

周りを見ながらも、窓から外を見ているラヴェンツァに問いかけた。

石畳が一面苔むしており、一瞬で生成されたものとは思えない。

まるで昔から存在している場所のように感じる。

「どうやら遺跡群の最上階らしいわ」


思わず別の窓枠から身を乗り出した。

周りも遺跡群になっており、少し遠くに森林も見える。

転移前よりに見た光景よりも、フィールドがかなり大きく見える。

「相手は?」

一面に視界を張り巡らせながら、耳を澄ます。

だが、聞こえてくるのは木々のざわめきと風の音だけだった。

「気配は感じないわね、おそらく相当遠いわよ」


それを聞いて、なんとなく悪知恵が働いた。

当てもなく動くのも無駄に労力を使うだけだろう。

「だったら、あっちから来るのを待つのはどう?」

彼女が少し考えるように顎に手を置いた。

「ルール的に問題はないと思うけど…」

「観客からしたら面白くはなさそうね」


「そもそもこの大会はどんなルールなの?」

思い切って素朴な疑問をぶつけてみた。


それを聞いた彼女は、自分の額に強く手のひらをぶつけた。

「はぁ……」

彼女の大きなため息が天井まで届いた気がした。

「予選リーグの制限時間は十分、決勝リーグからは三十分」

「勝利条件は相手コンビの救急生命防御装置の発動が条件だわ」


「もし制限時間内に決着がつかなかったら?」


「脱落数に応じて決まるわ」

彼女はこちらの問答に即答した。

「それも決まらなかったら、移動距離やソウルの使用総量を鑑みて決まるらしい」


「なるほど…」

彼女からの説明を淡々と受ける中で、頭の中で情報を整理する。

おそらく、この大会では単純な技量だけではなく、立ち回りそのものの完成度も評価対

象に入るということだろう。


「つまり、ここに留まっているだけで不利になっているってこと?」

「まぁ、間接的にはそうなるわね」

「だったら、さっさと探しに行こうよ」

その言葉と同時に、外に出る一歩を踏み出そうとする。

「いや、流石に相手を視認してからの方が……」


彼女の言葉が終わる前に、下の方から轟音が響いた。

それと同時に足場が音を立てて崩れていく。

「やばっ……!」

ガシャン。

瓦礫と共に地面へと叩きつけられる。

身体中が埃まみれになり、粉塵で視界が遮られる。

咄嗟に二刀を顕現させ、それを横に振り払う。

粉塵を振り払うと、目の前にはディアスが巨大な斧を持って立っていた。

その斧は彼の体より大きく、持ち手のみで2mを悠に越えている。


「色々と大きいな……」

彼の巨体と斧を見て思わず声が出た。

未知のものを見るような、驚嘆に近い感情だった。

「お、褒め言葉か?」

それを聞いた彼は、白い歯をニカっと光らせた。


「さぁね」

そう言い、二刀を構えた。

「ところで、お仲間さんはどこかしら?」

ラヴェンツァも様子を伺うようにディアスに問いかけた。

「答える義理はねぇなぁ……」

「倒せたら教えてやるよ」

そう言うと、彼も斧をぐっと握りしめた。


「さァ、ろうか」


その言葉と眼光と同時に、彼がいた場所に影だけが残った。

あの巨体から生じるとは思えない速度だ。


咄嗟に二刀を交差させた。

ガンッ。

その瞬間に強い衝撃が両腕を襲う。

交差している二刀の間には、巨大な斧が振り下ろされている。

圧倒的な力に押しつぶされ、地面ごとガクッと沈められる。

「っ……!」

すぐさま二刀から衝撃を受け流し、横へと回避する。


元いた地点に一拍遅れて、斧が振り下ろされた。

その場所が地面ごと陥没した。

まるで隕石が落ちたかのようなクレーターになっている。

その衝撃波だけで体がよろけそうになる。

「嘘だろ……?」

思わず口から声が漏れた。

ありえない単純な力の暴力に、もはや畏怖の念すら感じない。

その場にあるのは、暴力が為した結果だけが映し出されていた。


「次は本気で行くぞ……」

彼のさっきの余裕のある声色から一転し、低く力強い声が響いた。

斧を構え直し、今にも飛びかかってくる体制に入った。

ガッという地面を蹴る音が聞こえると同時に、また視界から消えた。

また二刀を目の前に交差する。


ガンッ。

金属同士の鈍い音が聞こえる。

しかし、さっきよりも受け止めた力が弱い気がする。

目を見開くと、その二刀に間にはメイスも挟まっていた。

「キースだけにやらせないっての……!」

力がこもっている声が隣から聞こえる。

「あんたもボーッとしてないで!」

その声に反応するように、二刀を握る手に力を入れる。

二人で力を集中させる。

鍔迫り合いの中で火花がバチバチと発生し、譲らない静かな攻防戦が始まっている。

しかし、人数の差は大きいらしい。

力を一点に集中させ、その斧を押し返した。


ディアスは後退りし、後方へと足を滑らせた。

彼の顔は正確に認識できないが、笑っているように見える。

「少しは骨があるみたいじゃねぇか……」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。