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【DOMESTICS】音楽雑誌『BAND STYLE』特集記事  作者: 宮地拓海
2nd『GAMBLER』

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Track12.『SPREAD YOUR WINGS』

『SPREAD YOUR WINGS』

動画リンク https://youtube.com/shorts/v1f25_Cf-4w

――ついに、最後の楽曲になってしまいました。ラストを飾るのは、ポジティブで明るい『SPREAD YOUR WINGS』です。こちらの楽曲はどのようにして誕生したのでしょうか?


桐生(Gt):これ……なんだっけ? どうやって作ったんだったっけ?

久世(Vo):気付いたら出来てた。

篠原(Ba):そんなわけないだろう(笑)

桐生(Gt):あっ、『summer squall』と『アイズ』の間に作ってたんだ。

久世(Vo):あぁっ! どうりで!

桐生(Gt):記憶にない?(笑)

久世(Vo):うん。あの時のことはあまり思い出したくない(笑)

篠原(Ba):これは、桐生がギターで弾いたのが始まりで、横で久世が即興で歌ってたんだよ。

久世(Vo):あぁっ! あったあった! やってたね。

桐生(Gt):息抜きするかって言って、俺がギター弾いて久世が歌って、篠原が「仕事と息抜き一緒じゃねぇか」ってツッコミを。

篠原(Ba):その流れだと、俺の本業が“ツッコミ”みたいじゃねぇか。

桐生(Gt):本業のツッコミを。

篠原(Ba):本業じゃねぇよ。


一同:(笑)


篠原(Ba):それで、「今のもう一回やるぞ」って、ブース入って、アドリブで演奏したのを録音して――

桐生(Gt):録音してたのか、あれ!?

篠原(Ba):してた。それで、俺が持って帰って、音の“散らかり”を整理して、仮の状態で持って行ったんだよ。

久世(Vo):そうだ! すっごい思い出した。ほぼ完成した状態で持ち込まれたんだ。『summer squall』が終わったあたりに。

桐生(Gt):『アイズ』が出来て『summer squall』が出来て、これか。

久世(Vo):それで、「篠原がめっちゃ働いてる」ってビックリしてたんだよ。「つい昨日まで『summer squall』で悩んでたのに、もう完成品持ってきてる」って。

桐生(Gt):そういうカラクリがあったのか。


――お二人は、即興で演奏した曲だとは、ご存じなかったんですか?


桐生(Gt):俺は知ってた。

久世(Vo):俺、知らなかった。

桐生(Gt):「あ、あん時の曲だ」って思いながら聴いてたよ。

久世(Vo):……あれ? でもあの仮歌、歌詞なかったよな? 俺が即興で歌った歌詞は?

篠原(Ba):イマイチだったんで、全没にした。

久世(Vo):ひどっ!?

篠原(Ba):ただ、メロディはよかったから、久世の案を丸々採用してある。

久世(Vo):あ、そうだっけ? どうりで歌いやすいわけだ。


――では、その曲に、久世さんが改めて歌詞をつけたということなんですね。


篠原(Ba):そうですね。

久世(Vo):俺、この曲さ、『summer squall』をアルバムから外すから、篠原が急遽作ってきてくれたんだと思って。


――確かに、少し『summer squall』に似た、夏っぽさを感じる楽曲ですね。


久世(Vo):だから、「篠原、あんま悩むなよ」って気持ちでこの歌詞に。

篠原(Ba):俺への応援歌だったのかよ!?

久世(Vo):俺たちへのな。そして、聴いてくれるみんなも、「そうだよね!?」って。

桐生(Gt):でも俺、この歌詞見た時にさ、直前まで悩みまくって苦しみまくってた久世がさ、「Breakthrough any Wall(壁をぶち破れ)」って歌詞を書いて来てて、「久世っぽいな~」って思ったんだよね。なんか、悩んでも止まらない、みたいな。

篠原(Ba):今こうして話を聞いてみると、この歌って対等な人間に対する応援歌で、「こうすればいいよ」じゃなくて「行こうぜ!」っていう感じで、その辺は『GO FOR IT BABY!』に近いものがあるかもしれないな。

桐生(Gt):引っ張るとか、後押しするとか、助けてくれるとかじゃなくて、並走だよな。

篠原(Ba):そんな感じ。頼りになるんだかならないんだか。でも勢いはある。

桐生(Gt):久世じゃん。

篠原(Ba):久世だな。

久世(Vo):ごめん、今俺、褒められてる? 小馬鹿にされてる?(笑)


――大絶賛だと思います。


篠原(Ba):褒めてるよ。

桐生(Gt):もちろん。「久世がバカでよかったなぁ」って。

久世(Vo):バカって言うな(笑)


――みなさんの仲のよさは、このインタビューでも十分伝わってきましたが、MVでも楽しそうなみなさんが拝見できて、一ファンとしてはちょっと得した気分でした。


久世(Vo):MVも知らない間に出来てたんだよね。

桐生(Gt):みんな秘密裏に出来ていくんだよ。

久世(Vo):当事者のはずなのに(笑)


挿絵(By みてみん)


――1stアルバムの際、『GO FOR IT BABY!』もオフショット満載のMVでしたが、今回はサビの部分がこの楽曲用に撮影されていましたね。


久世(Vo):そうそう。サビだけ撮って、「え、終わり?」って(笑)

桐生(Gt):こういう仕上がりを目論んでたんだな。

篠原(Ba):真面目な制作シーンと、どうでもいいシーン。

久世(Vo):カレー?

桐生(Gt):カメラだろ。

篠原(Ba):自販機。

久世(Vo):あれはたしかに(笑)

桐生(Gt):すごくどうでもいい(笑)


――あの自動販売機のシーンは、どういった場面なんですか?


篠原(Ba):語るほどのことは何もないです(笑)

桐生(Gt):ホント、くだらないシーンだよな(笑)

久世(Vo):新しい自動販売機が来た時のだっけ?

桐生(Gt):そうそう。どんなラインナップなんだろう~って見に行ったら、篠原が難しい顔して自動販売機見てて、どうしたんだろうって見てみたら、俺も同じ顔に(笑)


――あまりお好きなものがなかった、ということでしょうか?


篠原(Ba):いや、というか……判断に困る。

桐生(Gt):どう受け止めていいのか。

久世(Vo):俺が行ったら二人が難しい顔してて、「どした~?」って聞いたら、無言で自動販売機を指さして、「見ろ」みたいにさ。で、見てみたら……な?

篠原(Ba):とりあえず、例をあげると、『キーマカレー』とか。


――キーマカレーですか?


桐生(Gt):あと、『ナタデ・ココinおしるこ』(笑)

久世(Vo):俺はアレが一番気になった。『静岡南部緑茶』と『静岡北部緑茶』。何が違うんだって(笑)


――ユニークな自動販売機なんですね。


篠原(Ba):今思えば、あのMVのための自販機だったわけだ。

桐生(Gt):まんまと撮られていたわけか。

久世(Vo):素の表情を。……もっといい表情あっただろう!?(笑)

桐生(Gt):なんで自動販売機の前で悩んでる顔なんだって(笑)


スタッフ:メンバーの飾らない、日常的な表情が撮れるかと。


篠原(Ba):いや、あの自販機がすげぇ非日常だったから!

桐生(Gt):出会ったことねぇよ、『コーンポタージュソーダ』とか。

久世(Vo):素の表情を撮りたいなら、ありふれた状況を用意してくれ(笑)

篠原(Ba):結局、誰が最初に買ったんだっけ、あの自販機?

桐生(Gt):久世が『ひやしあめ』っていうの買ったんだけど――

久世(Vo):すごく美味しかった。ジンジャーが利いてて。

桐生(Gt):でも、その前にちょっとごめん。篠原が自販機っていうの、すげぇ気になる。

篠原(Ba):なんでだよ? 自販機っていうじゃん。

桐生(Gt):そうなんだけど、今ここではみんな自動販売機って言ってるからさ、空気読もうよ。

篠原(Ba):よし、分かった。ベンダー。

久世(Vo):意地になっちゃった(笑)


――(笑)。制作シーンもありましたが、アレは実際の制作現場だったのでしょうか?


篠原(Ba):あれは、スタジオで譜面書いてたから、たぶん、まさに『SPREAD YOUR WINGS』の直しをしてた時じゃないかな?


スタッフ:そうです。


久世(Vo):カレーは?

桐生(Gt):あれは、演奏シーン撮りに行く前。

久世(Vo):『SPREAD YOUR WINGS』の?

桐生(Gt):そうそう。だよね?


スタッフ:はい。


篠原(Ba):じゃあもう、ホントに『SPREAD YOUR WINGS』のMVなんだな。ベンダー以外は。

桐生(Gt):もう絶対“ベンダー”って言い続けるぞ、こいつ(笑)

久世(Vo):あ、でもベンダー入ったのって、『SPREAD YOUR WINGS』のMV撮影の時だよね?

桐生(Gt):ベンダー人口が増えた!?


スタッフ:はい。ベンダーが入ったのは収録の当日です。


桐生(Gt):お前らもか、スタッフ!?(笑)

篠原(Ba):お前もこっちに来て楽になれよ、桐生。


――(笑)。では、桐生さんもベンダーと。


桐生(Gt):絶対に嫌だ。俺は一人になっても戦い抜く!

篠原(Ba):勝利のない争いだな。

久世(Vo):シークレットライブのセットリスト決めてるシーンあったよね?


スタッフ:その中でも、『SPREAD YOUR WINGS』を歌っている時の映像です。


桐生(Gt):徹底してんな(笑)

久世(Vo):そういえばさ、俺のシーンは? アレも『SPREAD YOUR WINGS』の時の?


スタッフ:……さぁ?


久世(Vo):なんで、そこだけあやふやなんだよ!?

桐生(Gt):久世の素材は、余るくらい豊富にあるんだよ。

篠原(Ba):勝利のない争いの裏で、久世が勝手に負けてたな。


一同:(笑)




最後を飾る『SPREAD YOUR WINGS』は、DOMESTICSらしい温かさと前向きなエネルギーに満ちた応援歌だった。


壁にぶつかっても、立ち止まっても、また歩き出せばいい。

そんなシンプルで力強いメッセージが、『GAMBLER』というアルバムを爽やかに締めくくってくれる。


そして次のページでは、このアルバム最大の挑戦とも言える“全曲タイアップ企画”について、さらに詳しく話を伺っていこう。




『SPREAD YOUR WINGS』

動画リンク https://youtube.com/shorts/v1f25_Cf-4w

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