A Brief Intermission
『2nd ALBUM『GAMBLER』MVダイジェスト (Music Video Digest)/DOMESTICS』
動画リンク https://youtu.be/F2g0FmUakOA
――少し今回のアルバム『GAMBLER』から離れてしまうのですが。
久世(Vo):なんだろう? 「好きな給食は?」とか?
篠原(Ba):なんでだよ。
桐生(Gt):俺、カレー。
篠原(Ba):答えんなよ。
一同:(笑)
――いえ、そうではなくて(笑) DOMESTICSは、インディーズ時代に迷走していたと、以前のインタビューでお伺いしたのですが。
桐生(Gt):暗黒時代ね(笑)
久世(Vo):なにが正解か分からなくなっていた時期だね。
――メジャーデビューが決まったきっかけは、なんだったのでしょうか?
篠原(Ba):一応は、スカウトってことになるのかな?
――“一応は”ですか?
篠原(Ba):最初は製作チーム、まぁいわゆる“裏方”として声をかけられたからね。
桐生(Gt):「お前らのルックスじゃ、デビューは無理だ」ってな(笑)
――とてもそうは思えませんが……そうだったんですか?
久世(Vo):ダサかったから(笑) ホント、救いようのないくらいに。
篠原(Ba):それで、ある日、今の事務所のチーフマネージャーが、ライブハウスに来てて、俺らのライブをたまたま見ていたそうで。
桐生(Gt):その時は全然知らなくて、あとから聞かされたんだけど。
久世(Vo):「こいつら、曲はいいのに、ダサいなぁ」って思ってたって(笑)
篠原(Ba):それで、突然電話かかってきて、ちょっと事務所に来いって。
桐生(Gt):それで、三人で事務所行って。
久世(Vo):桐生、バイトが入ってたから「小一時間くらいで終わればいいな~」とか言ってて。
桐生(Gt):ホントごめんなさい。これ、ずっと言われるの、マネージャーに。いまだに。「お前はプロの世界を舐め過ぎだ」って(笑)
篠原(Ba):それで、事務所に行ったら、チーフマネージャーがいて、楽曲製作チームに入れと。
――製作チーム、ですか。
篠原(Ba):要は、「音楽はいいから、曲だけ提供しろ」って契約で。
桐生(Gt):それ以外の時はスタジオミュージシャンとして、ほかの人の曲の演奏したり、久世はコーラスしたり、そういうことしろって。
久世(Vo):その話を聞いた時、俺は「ならやめよう」って思ってたけどね。
――久世さんとしては、DOMESTICS以外での音楽活動は視野に入れていなかったということですか?
久世(Vo):この三人でやるのが楽しいから、音楽って。ほかの人の後ろで歌って、「あ、俺プロだ」とは、たぶん思えないんじゃないかなぁ~って。あ、俺はね! スタジオミュージシャンの皆さんは素晴らしいです! 技術もみんな。
桐生(Gt):俺らは、そういう意味では意識は低かったんだよな。「DOMESTICSじゃなければ、プロじゃなくていいや」って。
久世(Vo):正直、プロじゃなくても、三人で音楽続けられればいいって思ってたし。
桐生(Gt):俺と久世はそうだったよな。
久世(Vo):いつか就職して、仕事が終わったらスタジオ行って、爺さんになってもみんなでライブハウスで演奏してって。
桐生(Gt):でも、篠原はそうじゃなかった。
久世(Vo):あの時、初めてそれ知って、「あ、篠原って真面目に考えてるんだ」って驚いたもんなぁ。
――あの時というのは、その事務所に呼び出された時ですか?
久世(Vo):そう。マネージャーが「お前らは裏方ならプロになれる」って言ってて、俺と桐生はもうその時点で断る気満々で。
桐生(Gt):俺はその時すでに、この後のバイトのこと考えてた(笑)
久世(Vo):でも、篠原が、「俺らを前に出さないと、後悔しますよ」って、すげぇ強気で。ダサいのに。
篠原(Ba):そこはいいだろう。当時は、そこまでダサいとは思ってなかったし。
桐生(Gt):それが最悪なんだよ、無自覚のダサさが(笑)
久世(Vo):で、なんだっけ? そのあと――
篠原(Ba):社長が来たんだよ。
久世(Vo):あぁ、そうだそうだ。社長が「なに騒いでんのよ(社長さんの真似をして)」って。
桐生(Gt):お前、怒られるぞ(笑)
久世(Vo):似てない?
桐生(Gt):似てるけど(笑)
篠原(Ba):で、社長が来て「ガッツだけでどうにかなる、甘い世界じゃないのよ」って。
――厳しい物言いですが、社長さんの登場で流れが変わったのでしょうか。
桐生(Gt):そうだね。良くも悪くも、あの人すごいから。
久世(Vo):才女っていうか、鬼才だね。人を見抜く。あと、プロデュース能力は、ずば抜けてる。
――すごく信頼されているんですね。
久世(Vo):DOMESTICSを磨き上げた人だからね。初対面の時も強烈だったし。
――では、その初対面のお話を聞かせてください。
桐生(Gt):会議室に乗り込んできて、俺たちを見て「ダメ、売れない」ってバッサリで。
篠原(Ba):でも、引き下がれずに食らいついたら、「人と話す時はサングラス取りなさい」って、俺のサングラスを「ばしー!」って。
――叩き落とされたんですか!?
桐生(Gt):俺は、帽子も「ぺーん!」ってはじき飛ばされた。
久世(Vo):俺はそれを見て、慌ててサングラス外した。
桐生(Gt):一人だけ難を逃れやがって(笑)
久世(Vo):そういうの、うまいんだよ、俺は。
篠原(Ba):そしたら、桐生の顔を見て社長の目の色が変わったんですよ。
桐生(Gt):いや、篠原だろう。
久世(Vo):篠原だね。で、桐生見て、「あんたら、漫画のヒロインか!」って、急に怒鳴って。
――漫画のヒロイン、ですか?
久世(Vo):よくあるでしょ? 地味でダサい女の子が、メガネを取ったら超美少女って。
――あぁ! はい、ありますね。
篠原(Ba):桐生見て、「なんでこんないい顔隠してんの!?」って。
桐生(Gt):だから、篠原だって。
久世(Vo):社長は、篠原推しだから。
篠原(Ba):いや、100%久世推しだろ。
桐生(Gt):今はな。
久世(Vo):そうなの?
――みなさん、自覚はないようですね。
篠原(Ba):自分では、「俺かっこいい」とか思わないから……
桐生(Gt):え、俺はちょっと思ってるけど?
久世(Vo):桐生は、それを言っても許されるキャラだからな。
桐生(Gt):お前だろ、自分大好きキャラは。
久世(Vo):好きなのとかっこいいのは別だから。
――ただの一女子の意見と聞き流してくださってかまいませんが、私はみなさん、とてもかっこいいと思います。
篠原(Ba):ありがとうございます。
桐生(Gt):そういうのが、地味に嬉しいです。
久世(Vo):ほんっと、ずっと言われなかったから、インディーズ時代(笑)
――それで、みなさんの素質といいますか、お顔を見て、「DOMESTICSは売れる」と確信されたのでしょうか?
篠原(Ba):あの段階で確信してたのかはわからないけど、何かを感じてはいたのかな?
桐生(Gt):だって、美容院に連れていかれたもんな。
久世(Vo):そう、その場で予約して。「(社長の真似で)今から三人連れて行くから! 方向性は任せるから、磨き上げて!」って。
桐生(Gt):似てるから、やめろ(笑)
久世(Vo):桐生は「バイトある」って言って断ろうとしたんだよね。
桐生(Gt):バイトあったから。
久世(Vo):そしたら「損失分補填するから、ついてこい! 社長命令!」って。まだ所属してないのに。
――その時点で、社長さんは皆さんを手放す気がなくなっていたのでしょうね。
桐生(Gt):それで、篠原に「あんたがリーダーやんなさい」って言って、俺らに「あんたらは、この子の言うことに逆らわないこと!」って。
久世(Vo):結果的にそれが上手くいってるんだよな。
桐生(Gt):あの時点で、篠原だけがプロになろうってしてたからな。
久世(Vo):俺らは、プロよりもバンドの形が優先だったけど、篠原だけは音楽で飯を食うんだっていう意志が強くて。
篠原(Ba):それは……まぁ、俺には責任があるから。
――責任といいますと?
篠原(Ba):俺が誘ったんですよ、二人とも。
桐生(Gt):あぁ、そういえばそうか。高校の入学式で、俺は誘われたのか。なんか俺も同じ気持ちだったから一緒に「やろうぜ」って感じだったけど、言い出したのは確かに篠原だな。
久世(Vo):俺も、篠原だったかも。「お前、ウチのバンドのボーカルやれ!」って。
篠原(Ba):なので、俺にはこの二人を路頭に迷わせてはいけないという責任が。
桐生(Gt):いや、重いよ!(笑)
久世(Vo):そこは、自己責任で何とかするし!
――その責任が、プロへの執着というか、貪欲さ、必死さにつながていたのかもしれませんね。
篠原(Ba):つながってましたね。俺は、スタジオミュージシャンでも何でもいいから、音楽でこいつらを食わせるんだって思っていたので。
桐生(Gt):まさか、篠原に養われようとしていたとは(笑)
久世(Vo):ママ!
篠原(Ba):ママではない!
桐生(Gt):せめてパパだろ(笑)
――それで、いきなり美容院に連行され、磨かれたということでしょうか?
久世(Vo):長かったよね。何時間やってた?
桐生(Gt):五時間くらいか? 俺の髪を染めて、篠原はパーマ当ててたし。
久世(Vo):美容院って、こんなに時間かかるのかって、カルチャーショック受けてた。
篠原(Ba):俺は、なんでか分からないけど、ずっと震えてた。「とんでもないことになった気がする」って。
桐生(Gt):(笑)
久世(Vo):篠原は、そういう時、小心者だから(笑)
――変身したご自身を見て、「これはイケる」というような感じはあったのでしょうか?
久世(Vo):それはなかったかな(笑)
桐生(Gt):でもビックリはした。「これが、都会のおしゃれか~」って(笑)
久世(Vo):この二人がすごくカッコよくなってて、「え、じゃあ俺も?」って。
桐生(Gt):「桐生、俺、かっこいいかな?」って、なんか泣きそうな顔で聞いてきて、こいつ(笑)
久世(Vo):だってさ、二人はカッコよくなったのに「お前だけ何やってもダサいから、脱退しろ」とか言われたらイヤじゃん!
桐生(Gt):ならねぇーよ!
篠原(Ba):そうなってたら、所属をやめてたから大丈夫だ。
久世(Vo):うちのリーダーが男前だ!
一同:(笑)
――そうして、DOMESTICSとして、メジャーデビューされたんですね。
桐生(Gt):早かったな、美容院からデビューまでは。
久世(Vo):本当に、ダサさが足を引っ張ってたんだなって。
篠原(Ba):社長の思い切りのよさと強引さの賜物かと。……あ、悪口じゃないですよこれ。
スタッフ:(笑)
篠原(Ba):それで、ありがたいことに、シングルとアルバムが多くの方に聞いていただけて、今では好きなように楽曲製作をさせてもらっています。
桐生(Gt):ありがとう、社長。ありがとう、スタッフ。そして、ありがとう、ファンのみんな!
久世(Vo):ただ、チーフマネージャーがめっちゃ怒られてたよね。「(社長の真似で)あんた! どこに目ぇつけてんの!? もっとしっかり素材を見なさい!」って。すっごい偉い人なのに、小さ~くなってって(笑)
桐生(Gt):お前、その話するたびに、チーフに「その話すんな!」って言われてるのに、絶対やめないよな。
久世(Vo):「ダサいから売れない」って言われたことは、まだちょっと根に持ってるから(笑)
スタッフ:(笑)
篠原(Ba):今では、スタッフの皆さんとも、事務所の皆さんとも、いい関係で仕事をさせていただいています。
桐生(Gt):久世の冗談にも、久世のわがままにも付き合ってくれる、心の広い人ばっかりで。
久世(Vo):俺ばっかり悪いやつみたいに言わないでくれる!?
苦難の時を乗り越え、ひとつの出会いをきっかけに、一夜にして人生が塗り替えられたDOMESTICS。
三人で音楽を続けたいというひた向きな思いが、その運命を引き寄せたのかもしれない。
次のページからは、このアルバム最大の挑戦とも言える“全曲タイアップ企画”について、さらに詳しく話を伺っていこう。
『2nd ALBUM『GAMBLER』MVダイジェスト (Music Video Digest)/DOMESTICS』
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