Track09.『SILENT NOISE』
『SILENT NOISE』
動画リンク https://youtube.com/shorts/GUWLJhOGw7o
――こちらの曲も、従来のDOMESTICSとは雰囲気の異なる挑戦的な楽曲だなと感じました。終末モラトリアムといいますか、少し懐かしい雰囲気の曲だなと。
桐生(Gt):まさにそこを狙いました。イントロとか、結構こだわって。
久世(Vo):あ、そういうつもりだったんだ。じゃあ、歌詞あってたね。
桐生(Gt):ドンピシャ(笑)
――制作段階で説明はされなかったのですか? 「この曲はこういうイメージで」というよな。
桐生(Gt):それをすると、俺が久世の作詞を誘導しちゃいそうで。ウチの歌詞は久世の中から出てきた言葉の方が合うので。
篠原(Ba):あ、分かる。俺も説明は必要最小限しかしない。伝わらなかったら、それはまだ俺の曲が弱いっていうことだから。
久世(Vo):いや、説明はしてよ(笑) 寄せるから。
篠原(Ba):寄せるなって言ってんだよ。
久世(Vo):なんか、この二人は俺を研究しているみたいなところがあって、「ほぅ、そうきたか」みたいな顔してることが多々あるんだよね。
桐生(Gt):研究というか、実験だな。
篠原(Ba):そう。人体実験。
久世(Vo):響きが怖ぇよ!(笑)
――では、今回は桐生さんの意図が音楽を通して久世さんにしっかりと伝わったわけですね。
久世(Vo):なんだか、ちょっとした物悲しさというか、ノスタルジックとは違うんだけど、「あ、こういう感じ、昔俺も持ってたな」っていう“ニオイ”みたいなのを感じて。自分と世界が微妙にズレているんじゃないかっていう不安みたいな。
桐生(Gt):篠原が1960~70年代みたいな曲(『FEEL THE RHYTHM』)を作ってたから、「じゃあ俺は1980年代後半から90年代前半っぽいのを」って。
篠原(Ba):その時代って、少年少女の静かなる世界への抵抗みたいな作品多かったよな。
桐生(Gt):学生運動みたいな派手なものじゃなくて、個人がね、必死に抗うような。
篠原(Ba):しかも、ズレを実感した時に、変えるのは世界の方で。自分は間違ってないって、そういう青臭さがすごく刺さる時代だったんだよなぁ、あのころって。
桐生(Gt):だから、歌詞見た時に「よっしゃ!」って(笑)
久世(Vo):だから、言ってよ。「よっしゃ!」に近付けるから(笑)
桐生(Gt):いや、ダメだ。無防備の久世から出てくる言葉じゃないと。
スタッフ:(ぼそっと)ドッキリみたいだな。
久世(Vo):誰だ、今不穏なこと言ったの!?(立ち上がり、スタッフの方を見る久世さん)あぁいうこと言い出すと、本気でドッキリしかけてくるからね、ここのスタッフ! 芸人さんじゃなくて、ボーカリストだからね、俺! 忘れてるかもしれないけど!
桐生(Gt):忘れてんのかよ(笑)
篠原(Ba):リアクション求められてるんだってよ、久世(笑)
久世(Vo):本業、それじゃないから!
一同:(笑)
――MVもすごく素敵な仕上がりで、個人的には一番好きかもしれません。個人的な意見で恐縮ですが。
篠原(Ba):いや、そう言ってもらえると嬉しいですよ。
久世(Vo):ウチの社長もこれが一番好きって言ってた。冒頭のスノードームあるじゃん? あれ今、事務所の社長室に飾ってあるんだよ。
桐生(Gt):マジで!?(笑)
久世(Vo):もらってきたんだって。
篠原(Ba):職権乱用だな(笑)
桐生(Gt):甘やかしちゃダメですよ、美術さん!
久世(Vo):どうせなら(『BROKEN』のMVで使用した)壊れた歯車とかも置いとけばいいのに。(と、歯車のサイズを表すように両腕を広げて見せる)
桐生(Gt):邪魔だわ!(笑)
――今回は、『Gambler’s fate』のMVに出演されていた子役の方も出演されていますね。
久世(Vo):そうそう、美羽さんね。
――“さん”ですか?
久世(Vo):俺らより芸歴長いんだよ、あの子。
篠原(Ba):俺らがインディーズで燻ぶっていたころから、子役としてバンバン仕事して。
桐生(Gt):だから、あんなに落ち着きがあるんだろうな。
久世(Vo):大先輩です。
桐生(Gt):こういう感じで久世がずっと先輩扱いしてたら、「人生としてはみなさんの方が大先輩なので、勉強させていただきます」って。
――大人ですね(笑)
桐生(Gt):久世には絶対言えないセリフだね(笑)
久世(Vo):ご一緒できて光栄でした。
篠原(Ba):でも、本当に存在感のある役者さんで、彼女が登場すると画面が完全に彼女の支配下に置かれるんだよな。
桐生(Gt):久世がどんなにアップになってても、絶対彼女に目が行くんだよ。なんなら「久世、邪魔!」ってくらいに。
久世(Vo):邪魔って!?(笑) 見て、俺のことも!
篠原(Ba):久世、邪魔。
一同:(笑)
――雪のシーンで美羽さんだけすごく薄着で、収録中は寒くなかったのかとハラハラしました。
久世(Vo):あれはね、美羽さんの衣装が正解なんですよ。
篠原(Ba):撮影したのが6月だったので、実はすごく暑かったんですよ。
――そうだったんですか? みなさん表情に出ていないので、まったく気付きませんでした。
桐生(Gt):気付かれるような顔したらNGだからね(笑)
篠原(Ba):暑かったよなぁ……
桐生(Gt):コートの下に保冷剤仕込んで、な?
――ご苦労が絶えない現場だったんですね。では、雪は人工的に降らせていたものなのですね。
篠原(Ba):ほとんど合成なんですよ。後ろの街とか。
桐生(Gt):足元と、あと橋とか、一部だけ実際にセットがあって、あとは全部緑。
――クロマキーですね。
久世(Vo):昔、子供のころに映画村行った時にさ、気球に乗って空を飛ぶっていうクロマキー体験コーナーがあってさ、アレ以来だったなぁ。
篠原(Ba):必要だったかなぁ、そのエピソード?
桐生(Gt):いらない(笑)
――久世さんが途中で白い息を吐かれていたと思うのですが、あれは?
久世(Vo):あれは、一人で千葉まで連れていかれて、巨大冷凍庫の中に入って撮影したんです。
――そうだったんですか。
久世(Vo):冷凍庫に緑のシート張って。「はぁ~」だけやって帰ってきました。
桐生(Gt):すごく贅沢なワンシーンだな。
――合成だからでしょうか、凄く不思議な、幻想的な映像になっていると思いました。
篠原(Ba):それはもう、編集の腕というか、監督の腕というか。
桐生(Gt):やってる方はしんどかったけどな。「ここ雪降ってますので、寒さの中に微かな温もりを感じて空を見上げてください」とか言われても……って(笑)
久世(Vo):美羽さんだけは一発でキメるのに、俺らは全然ダメで(笑)
篠原(Ba):久世が振り返るシーン、「なにかに気付いて振り返る」っていう自然な演技が“あまりにも”できなくて。
久世(Vo):そんな強調しなくてよくない!?(笑)
篠原(Ba):“壊滅的に”できなくて。
久世(Vo):ひどくなった(笑)
篠原(Ba):最終的に、久世にはナイショで、後ろで脚立を倒したんですよ。ガシャーンって。
桐生(Gt):そしたら久世が「え、なに!?」って、凄く自然な演技を。
久世(Vo):演技じゃないよ! 素だよ、素!
桐生(Gt):そういう、試行錯誤があったMVなので、ぜひ見てください。
世界とのわずかなズレに戸惑いながら、それでも自分を曲げずに抗おうとする。
『SILENT NOISE』には、1980年代後半から90年代前半を思わせる、青臭くも切実なモラトリアムの空気が息づいている。
最新の映像技術と、出演者たちの地道な試行錯誤によってよみがえった、あのころの孤独と温度。
時代を超えて胸に刺さる、静かな叫びを受け取ってほしい。
『SILENT NOISE』
動画リンク https://youtube.com/shorts/GUWLJhOGw7o




