民族問題と大和民族
読者の皆様は今までに大和民族という単語を使用した事があるだろうか。それとも大和民族という言葉自体を知らないのだろうか。
十年ほど前から多様性やダイバーシティが提唱され、様々なルーツを持った人達を尊重し合おうと学校で習ってきたはずだ。つまり様々な民族や国籍の人達が一つの国の中に住んでいるのは珍しくも何ともない。言語や文化や宗教が違っていても対立せずに尊重し合おう。そう習ってきた若年層は多いだろう。
けれども「日本人」は話題になっても「大和民族」は話題になっていないのではなかろうか。日本人とは日本国籍を取得した人達だから、沖縄の人達もアイヌも帰化したコリア系も日本人になる。それに対して大和民族とはアイヌにとっては和人、沖縄の人達にとってはヤマトンチュと呼ばれる人達だ。大和民族は日本人の中に多く占める。
つまり国籍と民族は違う分類の仕方である。例えば中国人には漢民族もいれば女真族やチワン族などの先住民族・少数民族がいる。グローバル時代以前から基本的に一つの国の中で複数の民族が住んでいる。
だから
「日本は単一民族だから民族問題に関心が無いのだ」
と言った発言は間違っている。アイヌや沖縄の人達やコリア系の存在を全否定して日本人は全員、大和民族であると言っているのに等しい。けれども多様性を訴える人達の中にはこの単一民族発言でレイシストを批判してアイヌやコリアや沖縄の人達を守っていると思い込んでいる人達がまだいる。
私は言葉遊びをするつもりは無いけれど、言葉を大事にするべきだ。
大和民族という単語を強調すると同化政策とか排外主義とかを連想する人達もいる。けれどもそうやって単語を避けて臭い物に蓋をして自分が何者であるかと無頓着であれば、結局は他民族を理解出来ない。尊重もし合えない。他人を知るにはまずは自分を知る事だ。
日本と大和民族について語るならば、
「昔、大和民族はアイヌと沖縄の人達やコリア系から土地や国を奪い迫害してきた。今は大和民族は差別を止めて他の民族と共に日本を新しく築くべきだ」
と、宣言すべきだ。曖昧に、
「日本は自分達の戦争加害を理解して謝罪しろ」
「所詮は日本はジャップランド」
と、圧迫したら聞き手は混乱する。同化と排除だ。特に子ども達は先祖の行為に萎縮して卑屈になる。教育に良くない。
大和民族は過去の戦争や迫害を真摯に受け止めながら差別を止めて他民族と共に日本を築いていく。卑屈になる必要はない。むしろ卑屈であり続ければ民族差別は続くと私は思う。




