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空間を越えて  作者: x雅x
6/9

着信06:小休止

タイトルの通り、ほとんど番外編です。ワンシーンを除いて。



「ふっふっふ…」


私は寝ている雄一君を見ながら不敵笑い声を上げる。


「昨日は負けたけど朝一番に枕の山を築いてやる……!」


その時、後ろに気配を感じた。


「…お前を枕の山に沈めてやるよ」


ガーズだった。目が殺る気だ。手一杯に枕を持っている。


「ふふふ…負け犬がほざきよる」


私のキャラがぶれそうだけど気にしない。


「どおりゃっ!」


「それっ!」













「………ん?」


俺が起きるとガーズと光が朝から枕投げをやっていた。


「二人とも元気だな……」


俺の頭の上を枕が、通り過ぎる。


「携帯、携帯っと」


俺は二人のバトルをパシッととって、メールを書く。


宛先 親父

件名

添付(47KB)バト...

本文

-----------------

元気な仲間のおかげで俺は何とかやってるよ。そっちはどう?







「どうしたの?二人とも?続けなよ」


二人がジッとこっちを見てる。


「今の、カメラのフラッシュだろ?」


「私たちの闘い、撮ったでしょ?」


殺気が籠もった視線だ。


「そうだよ」


俺はバッと布団を盾にする。数発の枕が着弾した。


「まぁ落ち着けよ」


俺のガードを破ろうと二人で投げまくってきてる。

俺は部屋の角に逃げ込み攻撃を防ぐ。


「こんなくだらないことやめよーぜ!」


制止をするが二人の攻撃は止まらない…と、思ったら弾切れになったようだ。

俺は落ちた枕を布団で包み回収する。


「これで一段落…」


ついてないな。二人が俺の前にたってる。


「秘技・百花繚乱!」


ただ単に集めた枕を一気に投げつけたあと布団を二人に被せるだけ。


「逃げろっ!」


俺は一階に逃げ込む。イヴェルトと村長がいた。


「上が騒がしかったが……」


「猫が二匹入ってきて喧嘩しただけです」


その時、二人が枕を大量に持って降りてきたが村長を見て、ピタッと止まる。


「えっと…枕を返しに来ました」


二人が村長に枕を渡す。俺は見下した笑みを浮かべて二人を見ている。村長からはこの笑みは見えない。


「…私達は猫じゃ無いわよ!」


小声で光が言ってきた。


「大差ないけどな〜…」


その時、光が猫のように素早く俺の頬を引っ掻いた。


「うわっ!」


突然のことだったので驚いた。


「猫だからOK!」


そう言って椅子に座った。


「…結構、根に持ってるな」












「雄一君〜、今日は一緒に海に入ろう」


水着に着替えた光が誘ってきた。


「いいけど……俺の水着は?」


すると光は紙袋を渡してきた。


「可もなく不可もなくの海パンだから、早く着替えて来てね」


どういうことだろう?紙袋を開く。


「…確かに可もなく不可もなくだ」


普通の黒い海パンが入っていた。

イヴェルトが視界に入る。


「イヴェルトも海、泳ぎに行かない?」


イヴェルトがこっちを振り向く。


「…いいよ」


そう言って自分の部屋に入っていった。俺も二階に上がり着替える。


「ガーズは泳がないの?」


窓の外を見ているガーズに聞いてみた。


「ガキと一緒に泳いでられるか」


などとほざきやがった。


「まぁ、砂浜に来て土に埋まっとけば、いいじゃん」


俺はあることを閃いて提案する。


「…それくらいならいいか」


そう言って、白いシャツと短パンに着替える。




俺が階段を降りるとイヴェルトが待っていた。水着の上に、シャツを着ている。


「肌、焼きたく無いんだな」


俺が言うとこくりと頷いた。そして日焼け止めを塗った。






「遅いよ〜!」


光は既に海に入っている。村の人も何人か見受けられる。


「はいはい…まぁ、ガーズをまず埋めるぞ」


そして俺は耳打ちをする。光は提案に乗ってくれた。イヴェルトも珍しくクスクス笑っている。


「じゃあ、ガーズを埋めるぞ」


まず、穴を掘る。

ガーズを横に寝させて、ガーズの目にタオルをかける。

土を被せて手で叩いて固める。


「光…頼むぞ!」


「オッケー!」


光はトラクスを使い土に形を作る。


─ビキニの女性が、セクシーポーズをしている形にする。


ベタだがそれが王道…光が前に言ったが気にしない。

それにしてもかなり上手に出来ている。三人でハイタッチ。


「タオル、そのままにしとくぞ〜」


俺達は海に駆け出す。










「受けるな…あれ」


雄一君がガーズを見ながら言う。道行く人たちはガーズを見てクスクス笑っている。


雄一君…隙だらけだよ!


「光ちゃんウルトラサーブ!」


ビニールボールを打ち出す。


「ぶはぁ!!」


雄一君は後ろにのけぞって…水しぶきを上げて倒れた。


すぐにザバッと首を振りながら出て来た。


「突然、何するんだよ!てかネーミングセンスが無い!」


目を逆三角形にしながら言う。


「な…!ネーミングセンスは関係ないでしょ!?」


その時、ビニールボールが横から飛んできて頭に命中する。バッと横を見ると…


ニタ〜っとイヴェルトちゃんが笑ってた。雄一君が歓声を上げるが、あの笑みは雄一君の方からは見えてない。


「は…腹黒っ!」


恐ろしい…!何で、こういう子はこんな性格なの!?


「やったわね!」


私はビニールボールを取って投げつける。が、意外にも片手でそれを受けとめる。見下した笑みを浮かべる。


グッと力を込めるとボールが四散…は、せずにそのまま投げてきた。


私はトラクスで1リットルの海水を持ち上げて、盾にする。


「…やるね、貧乳」


ボソッと言った。


「黙りなさい!根暗女ぁ!」


私はボールを打ち出した。












「え〜っと……」


光とイヴェルトが、ハイレヴェルな闘いを始めた。


そのうち光は水底の泥を持ち上げて、投げ始めた。イヴェルトはそれをボールで防ぐ。


「何の因縁があるか知らないけど仲良くしようぜ!」


俺は仲裁に入ろうとするが……


「…女の闘いなの」


「邪魔しないで!」


…火種は何なんだ。俺がボールをぶつけられたあと、この闘いは始まった。


…わからない。


「お二人さ〜ん…」


段々、自信が無くなってきたよ……俺。


イヴェルトも海底の泥を拾い投げようとする。俺はその泥の中に日を反射させて輝く鋭利な何かに気がついた。


「ヤバッ!」


俺は走り出した。










私はイヴェルトが、投げてきた泥の中にガラスの破片があることに気付いた。

だけどもう避けれない……!


「ひゃっ!」


反射的に目を瞑る。が、痛みは訪れない。


「ッ痛…」


目を恐る恐る開けると雄一君が立っていた。二の腕にガラスの破片が突き刺さって血が流れている。


「はぁ…バカなことして怪我したら、本当にバカだぞ?」


雄一君は指でガラスの破片をつついている。


「な…雄一君!?」


「仲良くしろよ」


砂浜を目指して雄一君は動き始めるが…


「…待って」


イヴェルトが雄一君に駆け寄る。









「何だよ?血が水の中に入ったら鮫が来るかもしれないだろ」


この世界に鮫がいるかは、知らないが…


「…大丈夫」


イヴェルトはガラスに手を当てる。

するとガラスが痛みもなく抜ける。


「へっ?」


海水の中に入った血が戻ってきて傷口に入っていき傷が塞がる。


まるで逆再生の映像のように。


「何よ…それ」


光が驚いている。


「癒やしのトラクスでも無い…一体…」


「…雄一、わかった?」


イヴェルトが聞いてきた。


「いや…さっぱり…」


何のことだか…。


「…そっか」


イヴェルトは顔をうつむく。


「さっきは…ごめん」


謝ってきたが、


「いいよ。治してくれたし」


と言っておいた。


「雄一君!治ったの〜!?」


光が驚いた顔をしながらこっちにきた。


「もう、それはいいから…。何で喧嘩したのか言え」


何故かイヴェルトがビクッとする。


「…雄一の前だと、言えない」


何だそれ?まぁいいか。その時、俺のまわりに水しぶきがおこる。


「はっはっは…、何恥ずかしいことやってくれてんだ!」


浜辺を見るとガーズがいた。手には……拳銃が握らている!


「ヤバい!」


たぶん弾はペイント弾のはずだけど…。


「逃げろ!」


とりあえず逃走。













結局、弾はペイント弾で俺の全身は蜂の巣にならず、真っ赤に染まっただけで済んだ。一方、ガーズは一時のテンションに身を任せたために警察に捕まった。


俺自身が何ともないと証明してことなきを得た。


「馬鹿だな〜、ガーズは」


俺は髪を乾かしながら言った。もう服に着替えている。


「……すまない」


真面目に謝られても困る………。


「まぁガーズは怒りやすすぎなのよ。冗談くらい受け流しなさい」


光が部屋に入ってきて言った。後ろにはイヴェルトがついている。どうやら仲直りはできたようだ。


「非常にアホくさい1日になったな…」


思わず俺は呟く。


「気にしない、気にしない!」


光は笑いながら言う。ポジティブだな。













「なかなか覚醒しないなぁ〜」


主はうなりながら、言う。


「フェイトの心が、ですか?」


一応、確認をとる。


「それ以外何があるんだよ?」


主は機嫌が悪いようだ。


「他の準備は整った……。あと少しで、我は………ん?何か変だったな」


主は最近、頻繁にフェイトの意志が現れるようになった。当の本人は自覚していない。だが、前からそうなると主は言っていたので一々指摘はしない。


何より……私は主についているというよりフェイトについてる。


「どうかしたの?」


主が聞いてきた。


「いえ、何でもありません」


私はニヤリと笑う。













「はいっ!じゃあ、今から肝試しを行いま〜す!」


何故か私が仕切る。


「何だ?肝試しとは」


ガーズが聞いてきた。イヴェルトと村長も頷く。


「夜の山とか幽霊が出るとか噂のある場所に行って、度胸を試すんだよ」


雄一君が説明する。


「行く前に怖い話とかしてさっ!」


私が付け足す。


「ふぉふぉふぉ…。面白そうじゃな」


村長がやる気になった。


「じゃぁ2つのグループに分かれるよ!」


私はくじを出す。









「じゃぁ見事、少年少女グループと夢の終わりのグループに分かれたね」


「黙れ。私は永遠の18歳だ…。そして、村長に失礼だ」


私は抗議する。


「じゃぁ、怖い話の準備に入りま〜す」


準備?何のことだ?神谷は円柱の形をしたろうそくを取り出す。


「初めて見る形だ」


私は思わず呟く。


「私たちが元いた世界のだよ」


神谷はイヴェルトと村長に聞こえないように教えてくれた。そういえば二人は、雄一と神谷が違う世界の人間だとは知らない。神谷が電気を消した。そしてろうそくに火を灯す。


「何か変な雰囲気になったな…」


電気を消しただけなのにガラリと変わった。


「じゃあ一番手は、だれ?」



















「お?俺の番か…」


別に怖い話は無いな。この世界と恐怖の基準が違うからな。


「知ってるか?」


ふっとろうそくが、消える。


「えっ!?」


イヴェルトが珍しく慌てる。


「夜にこういう話をするとさ……結構、出たりするんだぜ?本物がさ」


パンッと大きな音がした。


「…何だ?」


急いでガーズが、電気をつけると…。


「え…?」


窓に赤い手形が沢山ついていた。

光以外みんな驚いているが、俺はニヤニヤ笑っている。


「結構みんな引っかかるな!」


俺は光とハイタッチをした。


「は!?どういうことだ?」


ガーズが聞いてきた。


「光と共同してやったんだよ。…ちょっと暴露が早かったか?」


光はクスクス笑う。


「ろうそくの火を消したのは光のトラクスで少量の水をかけたんだよ。パンッて音はこれだよ」


タオルで銃口を包んだ拳銃を見せる。


「撃ったのはペイント弾。そんでみんながパンッて音に集中してるうちに光が、ペイント弾の液で手形を作ったんだよ。ガーズが素早く電気をつけたのは焦ったけどな」


「タオルは音を小さくするためか……。わざわざ弾の邪魔をしないように巻いてあるな」


ガーズが考察していたらあることに気がつく。


「怖い話があんまり無いじゃねーか!」


ちっ。ザ・正論だ。


「ちょっとは怖かったろ?結果オーライだ」


俺は部屋を出る。


「ん?」


外から扉を誰かが、ノックした。


「は〜い?」


扉を開けると10歳くらいの女の子がいた。


「どうしたの?こんな時間に」


俺は女の子に聞いた。


「…あたしね、夜遅くまで遊んでたんだけど暗いのが怖くて帰れないの」


今にも泣き出しそうに言う。こんな時間まで遊んでたのか……。


「どこにお家はあるの?」


あっち!と指差す。意外と近いようだ。これなら俺一人でも大丈夫だろう。


「じゃあついていってあげるよ」


女の子の手を掴んで歩きだす。










私は雄一君を追って部屋を出ると雄一君は誰かと話していた。そしてそのまま、家の外に出た。私もついて行くが雄一君は一人で歩いている。


「……?」


よくわからないので尾行してみる。
















「お兄ちゃんは幽霊って信じる?」


女の子が聞いてきた。


「信じてるけど、悪いやつらばっかりじゃ無いと思うな」


自分の意見を述べると女の子はどこか、安堵した様子になった。…何でだ?


「あ、ここだよ!」


一件の家の前に止まって言った。家からはかなり近かった。


「ありがとね!」


女の子は家に入っていった。俺は手を振る。


「雄一君?」


声がしたほうを向くと光がいた。ついてきたのか……。


「誰と歩いてたの?」


「女の子だけど?」


何かおかしいだろうか?


「嘘……誰もいなかったよ?」


どういうことだ?俺はずっと手を握っていたはずだ。

……あぁ、そうか。


「本当に出たのか」


握っていた手を見ながら思わず呟く。

幽霊は冷たいっていうけど手には温もりが残っていた。


「帰るか」


俺は家に向けて歩きだす。


「え?ちょっと、どういうことなのよ!あ!待って!」


光が俺を追って走り出す。忙しい奴だ。

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