第6話 姉の日記⑥「お菓子の当たりマーク」
2019年5月19日(日)晴れ
サークル終わりにコンビニでチョコ菓子を買ったら、たまたま当たりが出た。子供のころからアイスの当たり棒の一つも当たったことがない私にとっては初めての当たりである。顔には出さなかったけれど、めちゃくちゃ興奮した。さりげなくポケットに入れて持って帰り、はさみで切り抜いた。これをあと4つ集めると景品がもらえる。昔から憧れはあったけれど、その一歩を踏み出したのだ。何年かかるかわからないが、死ぬまでに集まるといいな。
2024年4月20日(土)晴れ
会社に入社したタイミングで引っ越したのだが、金庫の一つでもないと心もとないと真彩さんに言われて金庫を買った。とはいえ、貴重品なんて通帳くらいのものだし、なんだかんだ普段使いするので金庫に入れるのも不便だ。だから結局、貴重品ではなくて、なくしたくない個人的なものを入れることにした。真彩さんからもらったケーキの飾り、悠樹からもらったゴーヤのキーホルダー、ワンナイトしたときのコルク栓、井澄先輩と初めて映画を見に行った時の半券。コルク栓と半券はよっぽど捨てようかと思ったけれど、半券はやっぱりどうしても捨てられなかったし、コルク栓は真彩さんとの出会いにつながったものなので、取っておくことにした。大きくもない金庫だが、それでも中身はスカスカである。でもここに私の人生が詰まっている。死ぬまでにいっぱいにできたら満足して死ねるだろうか。
2024年7月13日(土)晴れ
真彩さんと家でくつろいぎながらお菓子を食べていたら、当たりが出た。大昔にも当たりが出たことを思い出して、引き出しを探し回ると、あった。これで2個目である。5個集めないといけないので、あと3個だが、この調子だと死ぬまでにぎりぎり集まりそうである。その前にこのお菓子会社がなくなっていなければいいのだが。なくすと困るので、2個とも金庫に入れた。ちなみに真彩さんは子供のころアイスの当たりを何本も当てたと言っていた。豪運は快活な性格のもとに集まってくるのかもしれない。
2025年6月8日(日)晴れ
なんと今日、チョコ菓子の当たりが出た。最近運が悪いことが続いていたので、たまにはこういう幸運なこともないといけない。去年も一つ出たので、3つ目である。あと2つで景品がもらえる。死ぬまでにとか言っていたが、案外早く集まってしまうかもしれない。真彩さんもその場にいたが、子供みたいやなあ、と笑って頭をなでてくれた。3つ目も大切に金庫にしまった。交換できるのが楽しみだ。




