↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
98/559

98 怖くないか?

「怖くないか?」


 すでに日は西に傾いている。

 道はいったん谷へ降りていき、沢に達すると流れに沿って、ゆっくり登っていくことになる。


「先生が怖いって、思ったことないです」

「あ、そうじゃなく」

 ……夕方になって山に行くことが……。



 ランの足取りに全く不安はない。

 このフィールドワーク授業は楽しい一方で気を遣う。

 歩きやすい服装と靴で、とどれだけ念を押しておいても、毎年、フリフリのスカート姿で、しかもパンプスで参加してくる学生がいる。

 デートでもあるのだろう。

 あくまで自己責任だぞ、とはいっても気が気ではない。



「空模様が怪しい。急ぐぞ。しんどくなったら言ってくれ」

「大丈夫ですって!」


 ランは心底楽しんでいるのか、声まで生き生きとして、瞳はますます輝きだす。

 もちろんほくろは特大に。



 アケビ探しは後回しにして、まずは目標地点の滝まで。

 事前踏破が優先だ。



「山道、慣れてるね」


 それほど、ランの足取りは軽い。

 若いから、というだけではない。

 身のこなしが普通の女性とは、いや、若い男性であってもかなわないのでは、と思うほどに軽々と障害物を超えていく。


 倒木が道をふさいでいたり、道にガレた区間があったり、山肌から染み出た水が径を横断していたり。

 夏に背丈を超えて育った草が倒れ、踏み越えていかねばならない場所があったり。

 通れないことはないが、来週の授業では難渋する学生が多発するかもしれない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。