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92 静かなバトル

 居残った学生が一人去り、二人去り。

 ランとメイメイだけに。

 ランと違って、メイメイは盛んに何かを書き込んでいる。


 デザインのスタイルは人それぞれ。

 いきなり描き始める子や、頭の中でじっくり構成を考えてから描き始める子。描き直しばかりをして全く進まない子。

 メイメイは、丁寧に下書きをして、その段階で推敲に時間をかけ、最後の最後に一気に仕上げていくというタイプ。

 俺自身と似ている。

 ランはと言えば、いきなり書き始めて最後までその最初の構想のまま突っ走っていくタイプ。

 いいアイデアからスタートした時には仕上げにも時間を使えるが、今一つのアイデアからスタートした時には、途中で投げ出しそうになっている。



 小柄な二人。

 フェアリーカラーと黄金色の瞳を持つランに比べて、メイメイには、こう言っては失礼だが、華がない。ジンが言ったように、セミロングの黒髪をウルフカットにして、おしゃれでちょっとセクシーだが。

 だがその差は、外見的存在感という意味であって、メイメイは芯の強い大人の女性。実年齢は知る由もないが。


 そもそもこの二人。

 他の三年生とはほとんど交わらない。

 常に、ひとり行動だ。

 メイメイはたまに先輩であるハルニナと話していることがあるが、ランは競馬メンバー以外と話をしているのを見たことがない。


 その二人が今日、ここで静かなバトルになるとは。

 いや、我慢比べ。


 メイメイが、チラとランを見た。

 まだ、続ける気? と。

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