表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
91/559

91 ジン! 静かにしなさい

 午後になり、雨は止んだ。

 三限と四限、いずれも三年生の授業。

 心理的提案技法論と先鋭色彩技術論。

 ジン、ラン、メイメイ、そしてアイボリーが出席。


 ハルニナの姿はなかった。

 昼休みの部活にはいたのに。

 最近、出席率が低い。

 単位が危ういというのに。

 出席は必須ではないが、出席してくれないことには救いようがない。

 ともあれ、今は目の前の学生たちに集中。



 授業中は、もちろん私語は禁止。

 しかし、演習ともなると、互いに見せ合ったり相談したりして会話が生まれる。

 少々は大目に見ているが、殺人事件、という声が聞こえた。

 抑えた声だが、聴きなれない言葉だけに、幾人かが振り返る。


「ジン! 静かにしなさい」


 発言の主はしおらしく謝ったが、話しかけられた方のアイボリーは少し驚いた眼をして親友を見返していた。


 仲良しの二人である。いつも並んで座っている。つい、話してしまったのだろう。

 至急、かん口令を敷かねば。


 ただでさえ白い目で見られがちな競馬サークル。その上に、殺人事件の捜査に首を突っ込むなど、大学当局に知れたら印象悪化は免れない。



 四限終了のチャイムが鳴った。


 今日の居残りには、珍しくランがいた。

 いつもは終業のチャイムともに、プリントを投げ出すように提出して教室を飛び出していくのに。


 ハハア、一緒に駅まで帰ろうという気だな。

 ランはくりくりした金色の瞳を向けてきては、プリントに目を落とす。

 手はもう、動いていると見せかけているだけ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ