76 編み込んだ髪をほどいた
俺が主体的に活動する場面がどこかで来るだろう。
それまでは、フウカに任せよう。
その方が気が楽、ではない。
男性講師としてノーウェに接してきた希薄さより、この娘たちの方が大学内での人脈もあるかもしれない。より多くの情報を手に入れるはずだ。
たとえ、一緒に授業を受けていなくても。
一緒に競馬したことはなくても。
会えばあいさつ程度の仲であっても。
これでいい。
フウカにはリオンという刑事もついている。
自分はサポートに徹しておればいい。
「結論となりうることは、何と何?」
フウカがジンに質問している。
「ボク? んー、そうだな」
単に、本当に事故だった、という結論がまず一つ。
何らかのアクシデントがあって……、そう……。
ここまで言って、ジンはトカゲの三四郎の背を撫でた。
考えが整理できたのか、よどみなく言った。
それが人為的なものであったり、ある別の事故、事象?の連鎖として先輩の転落が起きた。ということも考えられる。
でも、最悪のパターンもあるよね。誰かが仕組んで、先輩の転落が起きた。
あるいは、もっと最悪なのは、誰かが突き落としたとか、つまり、意図してというか。
極端に言えば、殺そうと。
ここでジンは言葉を切った。
ここまで言っていいのか、と思ったのだろう。こちらに目を向けた。
しかしすぐに目をそらすと、編み込んだ髪をほどいた。
意識してリラックスしようとしているように。
メイメイが、途端に娘らしくなったジンを眩しそうに見た。
フウカよ、どうする?
どういう結論まで、視野に入れる?




