75 いわゆる聞き込み?
よく言った。
ここにいる者が、今のフウカの話を聞いてそれぞれに結論を出すべきこと。自分の胸によく聞いて。
俺自身は……。
自分にできることを。
もしあるなら。
大切な教え子、ノーウェのために。
もしここで、誰も手を挙げない結末になったとしても、自分ひとりでも、フウカと。
いや、ノーウェのために、だけではない。
教え子を持つ講師として、あるいはサークルメンバーを預かる顧問として、と言った方がいいかもしれない。
妙なことに首を突っ込みつつあるこの子たち。
守るのは自分の役割でないか。
そんな気持ちが湧くのを感じた。
「そうよね。ミリッサも今日、倒れたし」
こう言ったのは、ランだった。
金色の瞳をきらめかせ。
ん?
関係があるのか?
「茶化すつもりじゃないから勘違いしないでほしいんだけど」
「ん?」
「何か、いわゆる目に見えない何者かの意思が」
「なんだよそれ! ボクは、そんなわけのわからないことじゃなく、ただただ、本当のことを知りたい。それだけ。ボクは参加する」
ジンの言葉で、場の大勢は決まった。
ルリイヤが帰ってきた。
フウカが説明し、ジンを中心に口々に賛意を示すメンバー。
「いいことだと思う。私も力になりたい。競馬場内のことはいろいろ役に立てると思う」
車座に入ったルリイアに、ジーオが大きく頷いた。
「ありがとう。先生、いいですか?」
「もちろん」
「はい。それじゃ、手始めに」
フウカの提案が続く。
「いわゆる聞き込み? これしか、私たちにはできないと思う。今のところ」
「うん」




