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74 サークルメンバーを預かる顧問として

 フウカはしっかりした声で話し出した。


 私は、ノーウェ先輩が亡くなったことを悲しく思ってる。とても。 

 事故死であれ、その事故に誰かが関係しているにしろ。

 あるいは何らかの悪意があったにしろ。

 死んでしまったノーウェ先輩が帰ってくるわけでもなし、私たちがとやかく言うことはないのかもしれない。本当は。


 でも。

 でもね。


 ケイキマスコットの中で苦しんだ挙句に死んでしまった先輩。

 先輩のことを思うと、あれは事故だったんだって、いつの間にか納得して、忘れてしまっていいのかっていう気もする。

 

 あんな悲惨なこと。

 さぞ先輩は……。


 あんなことになった理由。

 きっとあるんじゃないか。


 警察が言うことは本当?

 単に、付き添いを待たずに自分ひとりで階段を降りようとして転落した?

 その衝撃で、たまたま緩みかけていた一本のワイヤーが外れた?

 それがよりによって首に巻きついた?

 

 G1レースが開かれる競馬場。

 たくさんの人がいたのに、たまたま誰もその場に居合わせず、誰も助けに駆けよらなかった?


 たまたま?

 たまたまが、重なって?



 いいえ。

 もっとあるわ。


 そもそも、ノーウェ先輩がケイキちゃんの中に入ったのは、たまたまあの日だけ。



 私、正直に言うと、このこともその時は疑問に思ったけど、もう忘れてた。

 意識の中から、消えてた。

 思い出すことがあったとしても、過ぎたことって……。


 でも、今日、警察が再捜査を始めたことを知った。

 それなら、私たち、忘れたままで知らん顔してるのは先輩に失礼だと思った。


 私たちにできること、何もないかもしれない。

 ウロウロして、警察の邪魔をするだけかもしれない。


 でも、でも。

 でも、もしもよ。


 誰かのせいであんなことになったのなら、ちゃんと、そのことをはっきりさせて……。

 そうして、どうするかわからないけど、少なくとも真実を……。


 先輩のこと、私、詳しく知らないけど。

 サークルで一緒に競馬したこともないし。


 どうすればいいのか、具体的なこと、まだ、何もないけど。


 そう、思ってる。

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