南征
ヴァルディアが報復戦争の準備を進めている頃。
エヴァルカ協定と呼ばれる密約に基づき、ランデル国は北進を停止。
レイリア王国のあった南方へと進軍する用意を進める。
一方、密約に合意する上でハルトマンの提示した、王国北方のドラゴン征伐の準備も秘密裏に進めている。
兵站が整い始めたことで、ようやく戦艦ミラオスを始めとする主力艦が入港し始めたワグス。
その威容に王国民が絶句する中、総督府臨時海軍基地にて次の作戦についての会議が進められる。
「―――以上のことから、協定に基づき臨時の征伐部隊を編成する。
本来ならばモンスター討伐は第一海軍の役目ではあるが、ヴァルディアの襲来に備える必要があるため、今回はミラオスを旗艦にシズハ少将に艦隊の指揮を執ってもらいたい」
ブリーフィングを説明するエル。
「…こちらに来て早々、モンスター退治とはな…」
「何か言ったか?」
「了解しました」
水色の髪の有角竜人、シズハが不満そうする中、エルは言葉を続ける。
「作戦概要についてだが、現場は王国北方にあるノーシャン地方。
資料によれば人の居ない地域であり、モンスターが跋扈して危険な地である一方で魔鉱石が潤沢にあるらしい。
正直、こちらにとっては何の価値もないが、この作戦が成功して王国との密約が完全なものに成れば、来るヴァルディアへの準備時間も十分に稼げるだろう。
編成リストは後で渡す。
頼んだ」
「了解です」
「次に、南征についてだ。
セリアを制圧後、陸軍機甲部隊を揚陸。
航空支援範囲である沿岸部を中心に侵攻を行う。
その後、飛行場を建設し、南方全てを航空支援可能範囲にしたのち、陸軍全軍で占領作戦を行う。
名付けてサウスライトニング作戦。
電撃のように、素早く作戦を遂行しろ。
以上、各自出撃に備えろ。
解散!」




