王都空襲計画
翌日、ワグス港に第一波として機甲兵団が上陸を開始する。
重装甲車二十台と軽戦車三十輌、対空戦車十輌そして随伴兵。
合わせて五千名。
そして三隻の軽空母。
機動性を優先した戦力であり、ワグス港占領による作戦計画の前倒しを受けて急遽編成された。
「これが…王国の…相手」
目の前でそろっていく戦力に、これからの王国がどんなものを相手にするのかを理解してゆくギザミたち。
そんな彼の下に、ベルガーを連れたエル・ゼナがやってくる。
「お久しぶりです、ギザミ副司令」
「ベルガーか、まさか生きていたとはな」
「昔から悪運だけは良かったからな。
ところで、カレッサ将軍はどうしたんだ?
ま、予想は付くが…」
「今頃、今回の責任を取らされて投獄されているだろう。
…極刑、よくて前線送りになる」
「だろうな。ヴァルディアのメンツも潰しちまったわけだし…
…まあ、アンタが何を考えているかは理解しているつもりだ」
そう呟くと、ベルガーは隣のエル・ゼナに顔を向ける。
「なあ、エル大将。
カレッサ将軍を助けてやってはくれねぇか?
俺の教え子でな、それに、これからの戦いに向けて情報は必要だろ?」
「…わかった、総督府にて王都の情報を教えていただけるか?」
「承知いたしました、よろしくお願いいたします」
総督府に向かう二人。
壊滅させた海軍基地に代わり、総督府の一室を海軍の司令部として利用している。
「以上が、王都の情報です」
机の上に広げられた王都ゲンゲルの地図。
そこには罪人の収容される牢獄や処刑場の位置が記される。
「近々、将軍の裁判が行われるはずです。
極刑ならば、即日執行になるかと」
「…猶予はないか」
今動かせる戦力で出来ることを考える。
「…そういえば、王国の航空戦力はどうなっている?
先の奇襲時はほとんど見かけなかったが…」
「当時は将軍が竜騎兵に対して休暇を与えておりました。
ほぼ無傷です」
「そうか」
それだけを返して、再び地図に視線を落とすエル・ゼナ。
「…エヴァルカの陸軍と連携して大規模空襲を仕掛けるか」




