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フォセストリア戦記  作者: 影光
二章 裏 カウントダウン
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ワグスの港

 フォセストリア大陸の西に位置する経済都市、ワグス。

 大陸でもっとも古い歴史を持つ都市のひとつであり、発達した港、近くを流れるガナダー河、整備された交易道路など、長い時の中で物流が最適化されている。

 

「さて、交渉に向かいますか」

 飛空艇を降り、ブラウを連れて街を歩く。

 戦争に勝利したこともあって街は浮かれる人々が多く、中には昼間から酒場で大酒を飲んで騒いでいる者さえいる。

 ワグスの総督府。

 立派な門構えの総督府。

 砦を改修したものであり、堅牢に守られている。

 門番を通して総督に面会を要望。

 少しして総督の副官が現れ、そのまま総督の執務室に案内される。

 国王より統治権を委任された隻眼のベルガー総督。

 歴戦の猛者であり、一線を退いたのち、王命で総督の地位を任された。

「要件は理解した。

 交易船の返還、むしろこちらからお願いしたいくらいだ」 

 終戦間近となって輸送船を持て余すようになった現在、寧ろレンタル料を無駄に支払う事を避けるためにベルガーの方から返還の話が進められた。

「それならば話が早い。

 では一日でも早く、一隻でも多くの返還をお願いいたします」

「ああ、こちらとしても余分なコストはなるべく減らしたい」

 オルランが差し出した書類に印を押し、返還の話を一段階進める。 

 千隻近くの輸送船。

 さすがに一気に運ぶわけにもいかず、話し合いの末、数カ月かけて港から運び出す計画が立てられる。

 会談を終え、ブラウと一緒に港を歩く。

 美術的に美しいレンガ造りの町並み。

 港の倉庫には大穀倉地帯より運び込まれた農作物が木箱に詰め込まれ、次々と船に積み込まれていく。

 しかし、それでも積み荷のないまま係留された船が多く、ほかの船舶の航行の邪魔となっている物すらある。

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