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フォセストリア戦記  作者: 影光
二章 表 軍事介入
24/77

司令長官タモン・ヤマグチ

「長官、急にお呼び出しして申し訳ございません」

 二回目の会議の朝。

 国防総省の前に一人の男が下車する。

 タモン・ヤマグチ。

 エル・ゼナの上官であり、彼女の属する第二海軍バルゲ基地の司令長官を務める。

 ランデル国の領海内で拿捕された、異界の空母ヒリュウに乗艦していた男。

 エルとガロンに先導される形で、小会議室へと入ってゆく。

「早速ですが、これを見ていただきたい」

 着座するなり、机に広げられる資料。

 そこにはガンダル王国の兵站の要地であるパーラ湾やワグスの港の場所と港湾施設の位置が記されている。

「このふたつの兵站施設を、一ヶ月で用意できる戦力で攻撃したいのです」

「.....」

パーラ湾の地図をよく観察するタモン。

(「まるで真珠湾だ」)とボソッとつぶやく。

「船を全て沈める必要はありません。

 港施設を二ヶ月以上の機能不全に陥らせれば、あとは本隊の到来で決着をつけられます」

「分かりました、それなら俺自らがパーラ湾の攻撃を指揮しましょう」

「!」

 まさかの返答に、驚くエル。

「以前に似たような地形で攻撃をしたことがあります。

 あの時は中途半端に終わりましたが、今度こそはやり遂げてみせましょう」

「ありがとうございます。

 して、会議には...」

「俺が出席する必要はありません。

 訓練の時間が惜しいので失礼します。

 それと、勝手に訓示を付け足すのはやめなさい」

「ハッ、申し訳ございません」

『大海の戦は大艦巨砲で臨むべし』の訓示を勝手につけ足したことを司令長官に叱られるエル。

 エルに対して礼儀正しく一礼すると、タモンはそのまま海軍基地への帰路に着く。

「.....」

 会議で使う資料をそろえ、カバンに入れる。

 時間となり、エルは再び大会議場へと向かう。

 扉を開けば、前回と同様に個性が強すぎる出席者が勢ぞろいしている。

 自身の席に着席、少しして開始時刻を告げる、アンティークな柱時計の音が厳かに鳴る。


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