第二話 発砲
数日後・・・
奇妙なことに、学校から連絡が入ってきた。
「なんで学校から・・・俺なんかしたっけ?」
「あーもしもし田中君突然ごめんね。」
「いいえ、大丈夫ですよ。」
「唐突だけど、田中君。君は明日大事な用事があるらしいね。公欠扱いにしとくから、明日学校を休みなさい。」
「え?なんで先生がその事を知っているんですか??(まだ誰にも言ってないのに!!)」
「いやぁ僕も詳しくはわからないんだけど、校長先生が君を休みにしろって言っているんだよ。君も思うところがあるとは思うけど、とりあえずそういうことだから。」
「え!?ちょっとまっt・・・」
いつの間にかツーツーツーという音に切り替わっていた。
「いったいなんなんだったんだ・・・話の内容がよくつかめなかったし、なにより先生の様子がいつもとちがっていたな。」
そんな不信感が体をめぐりまわっていたが、どうすることもできないまま一日が終わってしまった。
翌朝、集合時間よりも早く着いた。そしてそこらはまわりの家々がだだ並びになっていて、肝心の集合場所でさえ普通の家だった。
「こんなところで何をするんだろうか。」
それにしても、国が行うにして普通しすぎやしないだろうか。普通ということが俺の不安を煽っているように思えてしまう。そんなことを考えていると、家の中からスーツを着た長身で細身の男が出てきた。
「どうも、私は委員会の者です。あなたは参加者の方ですか?」
その言葉は俺とコミュニケーションをとることを極度に嫌がっているように聞こえた。
「はい。そうです。(参加者じゃなければこんなところで待ったりしないだろ・・)」
「では、私についてきてください。」
家に入ると、大きなエレベーターがただ一つ家の中にあった」
「(外観とは対照的に中はかなり異様だな)」
「これから地下に移動します。」
「あの!!地下で何をするんですか?」
そうさ!明らかにおかしい。何かをするにしてもなぜわざわざ地下まで作る必要がある?そこまでしてこの町でやる意味はあるのだろうか?もっと広いところを作ってやるなり、借りさえすればいいのに!
「・・・チッ」
「え?」
「いいからとっとと来いクソガキ。ここに来ちまった時点でよぉゲームオーバーなんだよテメェは!!」
何を言っているのか意味がわからなかった。そして一つ思った・・・この人は会話が嫌いなんじゃない。敬語が嫌いなんだ!!
俺は剣幕に押され言われるがままエレベーターに乗ったのだった。
地下に着くと、正面に一つ部屋があった。
「オラ、とっととそん中入れ」
嫌々ながら従って部屋に入ると、俺と同年代と思える人たちがそれぞれの椅子に座っていた。そして俺も
彼らと同じように席に着いた。一段落ついて周りを見回してみると、俺が昨日までいた教室とまったく変わらないことに驚いた。
ガラガラガラ・・・よくある教室のドアを開ける音だ。その音と同時に、どこかで聞いたことのある甲高い男の声が聞こえた。
「ハイハーーイ!!!よくぞ集まってくれましたーーー!!!えーとねぇ本日はご参加いただいてありがとうございますーー!!」
そう言うとボイスレコーダーの男は教卓に立った。
「え~軽く自己紹介しますね。僕はソノダって言います。委員会の代表です。歳は29!性別は男!!この間まちがえて右足の爪全部はがしちゃいました~アハハ」
この人はおかしい。そんな単純な答えだが、きっと教室中のソノダという男以外はそう思っただろう。
「じゃ、まぁ早速だけど最初の実験始めちゃうか。」
ざわつき始めた。当然だろう。あの時言っていた説明はしないのだろうか。というかどうして[実験]なんて物騒な言葉を出したのだろうか。
「おい!!ちょっと待ってくれよ!!」
スキンヘッドのいかにもやんちゃしてそうな男が怒鳴った。
「まず説明をしてくれよ!!俺たちはまだ何もしらねぇんだぜ!!!勝手に話を進めんなよ!!」
「・・・あ~確かにそうですね。どう考えてもおかしいですよね~。オイ[アレ]よこせ」
きずかないうちにバラクラバを被った男が教室に入っていた。
(なんだアレって・・・ 早く説明しろよ・・・ つーかキャラ変わってね? ・・・なんだあのマスク?)
「あのですねー僕自分のテンポ崩されんの大嫌いなんですよ。今みたいね・・・だからさぁ嫌なことをされたらさぁ[オシオキ]しないとなぁ」
ソノダはそういうとマスクの男から黒い何かを奪った。
「なんで拳銃を持っているんだ!?」
その瞬間俺は動き出していた。頭では考えなかった。脊髄反射ってヤツだ!!
「パンッ」
と忌々しい乾いた音が鳴った。(キャアアアアアアアアア)女の人の金切り声が俺の耳をこだました。
結果なんとか手が届いて、スキンヘッドの男の体勢を崩せた!!
「よかった・・・間に合った!!!ふぅ・・」
「あ~~あ。はずれちまった~。おい03テメェのせいだぞ。」
ソノダは棒読みでそう言った。そして・・・
「パンッ」
03と呼ばれる男が倒れた。
「よし!みなさんわかりましたか~?あなたたちが騒いだり余計な事をするとこうなります。だから黙って指示に従ってください。それでは今から「オイ、待てよ」」
スキンヘッドの男は俺に軽く礼をし、ソノダの言葉を遮った。
「もうそんな事する必要が無くなった。俺の能力でテメェをぶっ殺す!!」
「はぁぁ~ったくさぁさっき言ったばかりですよね。[俺の嫌な事すんな]ってさぁ・・・面倒くさいな次は痛み与えながら殺しますよ。」
ガラガラガラ・・・
暗い表情をした女性が入ってきた。
「ソノダ君。熱くなりすぎ、しゃべりすぎ、時間ないよどうすんの?」
「・・・そうですね。すみませんでした。今から挽回します。」
その女性は続けた。
「ハゲの君も殺されたくないなら、大人しくしなさい。」
「あ?ハゲじゃねぇよ!よっぽど死にてぇらしいな、お前ら。」
「あらそう。じゃあ死ぬ?」
扉の向こうにはさっきのマスクの男と同じような連中が銃を構えていた。
「チッ」
舌打ちをした後、スキンヘッドは席に戻っていった。
「賢明ね。じゃあソノダ君続けて。」
「わかりました。まずあなた方にはジャンケンをしてもらいます。そしてそれは最後の一人になるまで続けてください。ルールは勝ち抜け式です。まずお互いの拳を合わしてください。そうしたらジャンケンが成立します。選択肢はグー、チョキ、パーだけです。それ以外のものは反則とみなします。出さないのも同様です。後のルールは皆さんの良心に任せます。最初は隣同士で始めてください。後は別の進行役に任せます。」
それだけ言ってソノダとその女性は出て行った。03と呼ばれる男の死体はいつの間にか無くなっていた。
「(なんなんだよ!!ジャンケンって。実験にしては適当すぎるだろ!!)」
そう思ってしまう自分に恐怖した。
「(何故俺はこの状況を差し押さえといて、ジャンケンの心配なんかしてんだ!?)」
おそらく俺はこうなることを心のどこかでわかっていたのかもしれない。いや望んでいたのか?望んでなけりゃこんな不気味なところ来るわけがない。それにこんな落ち着いてる。だからあの時動けた。のどの渇きを潤すかのような刺激に期待しているのだろうか?いずれにしろ・・・・
死の遊びが始まる!!!




