一話 日常の終焉
「よう、田中寝てるところ悪いが、雨で濡れちまった俺のノート直してくれねぇか?」
そう言ったのは江藤だった。
「あのなぁ・・・昨日もこれ説明したから、もういいたくないんだけどさぁ俺の能力は何でもかんでも直せるわけじゃないんだよ。」
「え?だってお前昨日破れたノート直してたじゃん。」
「それは俺が破ったからだよ。俺が関与してないと直せないの!」
「なーんだ、つかえねぇなお前の能力」
「言っとけ!」
そういうと田中は俺の席から離れていった。そう、俺の能力は使えない。使えたとしても、その数は両手で足りるほどだ。だが別に不満はないし、引け目も感じてもいない。強いて言うなら、ただ一つこの何の変哲もない能力に退屈しているということだけだった。
学校が終わり、家に着くとポストに手紙が入っていることに気がついた。黒い封筒で中身を見ずとも怪しさがわかった。
「なんだ?これ?」
怪しいことに比例して中身も気になってしまったので、封筒を探ってみたら小さなボイスレコーダーが入っていた。
「外で聞くのも不思議がられるしな・・それに腹減ったし後ででいいか」
夕食を終えた後、早速聞いてみることにした。すると急に甲高い男の声が聞こえたのだった。
「えーと・・・聞こえてるかな・・こんにちはー能力発達委員会でーす。我々が誰だが知らない人もいると思うんで、ざっくり自己紹介させていただくといわゆる我々は国の人間で、その国の命令で能力に関する様々な情報を収集している組織です。まぁ聞くだけじゃ信じられないと思うんで、詳しくは委員会のHPを見てくださると助かります。さて・・・ここからが本題ですが、さっきも言った通り我々は情報を欲っしています。近年高まる能力を使った悪質な犯罪、テロなど様々な危機に私達は見舞われています。このような事態に対処するため我々が組織されました!!ですが我々だけでは相当な時間がかかります。そしてその間に多くの尊い命が失われてしまうのです!!ですから今あなたたちの協力が必要なのです!!!我々の考えに共感してくださった方は、これから言う日時、場所に集合してください!!具体的な説明はそこで説明させていただきます。最後ですが今回のプロジェクトに協力してくださった方には、国から多額の報酬をご用意いたします。それではお聞きいただいてありがとうございました。・・・あっ持ち物はいりませんよーー」
最後に場所と日時が機械のような声で説明されて終わった。
「・・・なんか凄かったな。HPを見る限り話は本当らしいし、社会貢献ってていう体で行ってみるのもありかもなー。(まぁ本当はお金がほしいだけなんだけどね。)やる内容は少し気になるけど、能力について知りたいって言ってたからきついことはしないだろ。」
俺は知らなかった。この選択が後に後悔することになるだろうとは・・・




