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攻略不能ゲーム攻略作戦 〜濃厚ホモエンドを回避せよ!〜  作者: めの。
高校生編

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mission86 笹川さららの正体を推測せよっ!


 前回のあらすじ。

 墓参りしてたら出てきたヤマタノオロチを追い払うことに成功した。


「落ち着けるところに……行こうか、ね。パミュリャン」


 俺に話しかけたのかパミュリャンに話しかけたのか。いまいち分かりづらい言葉を告げた笹原について行くと、開けた丘に出てきた。そこにあったベンチに促されて座るが……暑いからクーラーのあるところが良かった。まあ、話の内容的に難しいのだけれど。


「それで……古井戸くんとそこのブタミドリは何が聞きたいの…………?」

『ぷん? 我とお前の他に誰かいるぷん?』

『文脈から考えてどう考えてもお前のことだろ、カッス』


 そして、カッスが見えている、となると。


「色々あるが……笹川は、どこまで何を知っていて……何が目的なんだ?」


 笹川と太郎と出かけたあの日。ステータスと叫んで時を止めたはずなのに、笹川は普通に話してこちらを見ていた。桐生と触手から逃げていたあの時も、あっさりと現れ俺を槍で突いて、その後治して。桐生のイベントがそうすれば終わるのが分かっていたかのように……行動していた。


「お前も……転移者か?」


 委員長こと綴原悟、俺の会社の後輩のように。何か目的があってここへ転移してしまったのか。


「ふふっ……確定もしないうちに、そんな話をしない方がいいよ…………」


 ね、パミュリャン。といつものように手にはめた人形に話しかける。笹川がこちらに視線を戻し、あわせてパミュリャンをこちらに突き出すように向けた、その時。



『ここから先は我から説明しよう』

「うわっ! 声渋っ! どうなってんのそれ!?」



 パミュリャンが、喋った。


『わ、我と同じくらい渋い声ぷん!』

『言っちゃ悪いがお前の声優さんはあんな声してねぇよ!』

『そう、さららとは声優が違うだけだ』

『コイツ……! 直接脳内にっ!?』

「ふふっ……楽しそう…………」

「断じて楽しくはないんだが、えっと」


 笹川さららとパミュリャンは声優が違って。だから渋い声で話せる……ん、声優?


「カッスとの会話が筒抜けならこうして話しても問題ないな……。なぁ、パミュリャン。なんで知ってるんだ?」


 声優という、ゲーム世界の登場人物からは似つかわしくない単語。



「二人は自分達が、このゲームのキャラクターだと認識している……ってことなのか?」

『ああ、その認識で構わない』



 以前、笹川から可能性として感じていたこと。

 メタ的存在。

 ミステリアスなオカルト少女なら、そうであってもおかしくない。自分達がゲームのキャラクターだと認識していて、その観点から何らかの目的を持っていることもある、そんな存在だ。


「ただ……それでもおかしいんだよな」

『何がぷん? お前の顔かぷん?』

「役に立たないサポートキャラは黙ってろ。ほら、太郎が酒を買ってきた時に『緩い時代で良かったね』って言ってたろ? なんで、笹川が酒の購入が厳しくなった時代があることを知ってるんだよ」


 酒を買うときに身分証明書の提示が必要になったのは……確か2000年に入ってからのはずだ。1995年設定のこのゲームも、このゲームの作成者も、この時点ではその情報を知らないはず、なのに。



「だったら、俺と同じか……少なくとも2000年以降の人間が笹川の体に転移した、って考えるのが普通なんじゃないか?」



 俺のその発言を噛みしめるように瞳を閉じ、嬉しそうにまた開ける。


「ふふっ……でも、はずれ」


 風が吹き、彼女のフードがズレて少しだけ顔が覗く。一瞬覗いただけでも目が離せなくなるような、可愛らしい顔立ちに、思わず唾を飲んで……彼女から視線を外した。


「私はね――――」


 その言葉を言い終わる前に。


『魔力切れ、か』


 パミュリャンの言葉に視線を移せば、急激な白い光が彼女を包み込んでいく。


「笹川っ――――!?」


 慌てて走り出して、これが正解かどうかも分からずに手を伸ばして――――光の中の、柔らかい何かを掴んだ。



「さ、笹川」

「ふふっ……ラッキー……スケベ、だね…………」

「はぁ!?」



 笹川の口から出るにはあまりに不釣り合いな言葉。いや、ラッキースケベ自体もとある人気アニメのキャラクターのセリフだから……2004年か? っじゃなくて!


「笹川……だよな?」


 静かに消えた光の中から現れた彼女は、ひどく、縮んでいて。



「うん……ささかわ、さらら、だよ…………」



 外れたフードからは大きな瞳がこちらを捉えている。舌っ足らずな言葉使いも、膨らみがなくなった胸も、ぶかぶかの服も、笹川さららであることは変わらないのに、その見た目は紛れもなく幼女で。


「さららちゃん、か……」


 混乱した頭では、なぜかそんなことしか言うことができなくて。


 そんな彼女の平坦すぎる体に触れていた手を。

 そっと離すことで。



 あの感触はなかったことにした。

お読みいただきありがとうございました!

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この前から事実確認で透けブラやラッキースケベを調べているので、Googleからはヤバい人認定されていそうです。でも、歴史とか起源とか調べると割と楽しいです。

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