第15話
登場人物
―第十五話:管理者は、あいつだった―
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三神凌牙
LOOP世界へ送り込まれた一般男性。
セラの記憶と同期しながら、世界の真実へ近づいていく。
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クロガミ
LOOPを維持してきた観測者。
始原のクロガミとは深い因縁を持つ。
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始原のクロガミ
全ての始まりに存在した“最初の観測者”。
管理者を創造した張本人。
現在のクロガミを“出来損ない”と呼ぶ。
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管理者
世界修正を行う超越存在。
始原のクロガミによって生み出された存在であり、現在は制御不能状態。
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時頼の巫女
時間とLOOPを観測する最古の巫女。
十四文字時計と始原のクロガミの存在を知っていた。
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ララガミ
時の鐘を鳴らした少女。
始原のクロガミを見て混乱する。
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終焉のセラ
絶望の果てに生まれた未来のセラ。
始原のクロガミと過去に接触していた様子を見せる。
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用語
十四文字時計
世界終焉を逆算する禁忌の時計。
逆回転が始まると、“最初の観測者”が現れる。
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最初の観測者
始原のクロガミの別名。
LOOP・管理者・世界修正機構の起源。
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管理者
始原のクロガミが作り出した世界修正装置。
現在は独自進化し、創造主すら排除対象としている。
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世界修正
世界崩壊やLOOP異常を強制修復するための機構。
過剰修正によって世界そのものを消滅させる危険性がある。
第十五話
―管理者は、あいつだった―
時計が鳴り続ける。
ゴォォォン……
低く。
世界の底まで響く音。
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十四文字時計。
逆回転。
止まらない。
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空間の裂け目。
そこから漏れ出す白い光。
冷たい。
感情のない光。
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部屋の中。
誰も動けなかった。
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三神凌牙
「……最初の観測者?」
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クロガミ は答えない。
珍しく。
本当に珍しく。
顔色が悪い。
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時頼の巫女が時計を見る。
震える指。
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時頼の巫女
「封印が……解ける」
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その瞬間。
空全体へ巨大ノイズ。
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管理者
ERROR
OBSERVER COLLISION
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管理者の“目”が揺れる。
苦しむように。
怯えるように。
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三神。
「何だよこれ……」
クロガミが小さく吐き捨てる。
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「アイツも管理者を嫌っとる」
三神。
「“も”?」
静寂。
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時計の針。
14から13へ。
逆回転。
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ゴォォォン……
空間が裂ける。
そして。
“誰か”が現れた。
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白いコート。
長い銀髪。
片目だけ黒い。
もう片方は蒼。
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その顔を見た瞬間。
三神は凍りつく。
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「……え?」
ありえない。
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そこにいたのは。
クロガミだった。
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いや。
違う。
若い。
冷たい。
もっと人間らしい。
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始原のクロガミ
彼は静かに周囲を見渡す。
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「久しぶりだな」
「失敗作共」
空気凍結。
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ララガミが震える。
ララガミ
「……パパ?」
クロガミ。
「ちゃう」
即答。
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始原のクロガミが笑う。
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「相変わらずだな」
「出来損ない」
クロガミの表情が消える。
完全に。
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三神。
「待て」
「どういうことだ」
始原のクロガミが振り返る。
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「簡単だ」
静かな声。
だが。
圧倒的。
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「管理者を作ったのは俺だ」
世界停止。
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全員。
「…………は?」
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時頼の巫女ですら目を見開く。
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始原のクロガミ。
「世界は壊れる」
「人は滅ぶ」
「神も狂う」
「だから修正装置を作った」
空に浮かぶ巨大な“目”。
管理者。
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「それが管理者だ」
三神。
「じゃあ……」
始原のクロガミ。
「そうだ」
薄く笑う。
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「管理者は」
「俺の失敗作だ」
その瞬間。
管理者の“目”が絶叫のようなノイズを放つ。
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CREATOR DETECTED
PRIORITY ERASE TARGET UPDATED
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空が割れる。
世界震動。
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クロガミが舌打ちする。
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「最悪の再会やな」
始原のクロガミ。
「お前が甘くなりすぎた」
視線。
冷たい。
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「何故LOOPを続けた」
「何故世界を残そうとした」
「壊せば終わった」
静寂。
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クロガミが笑う。
だが。
怒っていた。
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「そらな」
「仲間がおるからや」
始原のクロガミ。
「くだらん」
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その瞬間。
終焉のセラが門の奥から現れる。
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終焉のセラ
始原のクロガミを見る。
そして。
初めて感情を見せた。
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「……お前か」
始原のクロガミ。
「久しぶりだな」
空気が凍る。
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三神だけが理解できない。
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「待てよ」
「何なんだよお前ら!!」
その時。
始原のクロガミが三神を見る。
真っ直ぐ。
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「お前もいずれ分かる」
静かな声。
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「世界を救うには」
「世界を壊すしかないとな」
―始原のクロガミも、“あいつ”なのか?―
静かな廊下。
世界崩壊中なのに。
なぜか静か。
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三神凌牙 は壁にもたれていた。
頭が痛い。
情報量が多い。
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「待ってくれ……」
「整理させてくれ……」
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そこへ。
缶コーヒー。
黒コート。
疲労顔。
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クロガミ
「無理や」
三神。
「だろうな!!」
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三神が頭を抱える。
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「管理者作ったのアイツ」
「終焉のセラも知り合い」
「しかもお前そっくり」
「どういうことだよ!!」
クロガミ。
「知らん」
三神。
「絶対知ってる!!」
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その時。
後ろから静かな声。
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時頼の巫女
「始原のクロガミは」
「クロガミではありません」
静寂。
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三神。
「……は?」
クロガミ。
「言うてもうたか」
時頼の巫女。
「隠しても意味ないでしょう」
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三神。
「いや待て」
「名前クロガミじゃん」
クロガミ。
「ワシも嫌やねん」
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時頼の巫女が説明する。
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「“クロガミ”とは名前ではなく」
「役職」
「観測者の称号です」
三神。
「役職!?」
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クロガミ。
「社長みたいなもんや」
三神。
「スケールがおかしいんだよ」
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時頼の巫女。
「始原のクロガミは初代観測者」
「現在のクロガミは継承者」
三神。
「じゃあ別人?」
クロガミ。
「せや」
即答。
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「血縁でもない」
「性格も真逆や」
三神。
「でも顔同じじゃん」
クロガミ。
「仕様や」
三神。
「仕様!?」
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その時。
奥の闇。
白コート。
片目だけ黒い男。
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始原のクロガミ
「不服か?」
三神。
「うわ出た」
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始原のクロガミ。
「観測者は同じ器を使う」
「世界が認識しやすいからな」
三神。
「意味わからん」
クロガミ。
「ワシも最初そうやった」
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始原のクロガミが現在のクロガミを見る。
冷たい視線。
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「だが」
「お前は失敗した」
クロガミ。
「何がや」
始原のクロガミ。
「感情を持った」
静寂。
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三神。
「いやそれ普通じゃ」
始原のクロガミ。
「観測者に不要だ」
クロガミは笑う。
少しだけ。
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「そら悪かったな」
始原のクロガミ。
「だから世界を壊せない」
クロガミ。
「だから世界を守れる」
空気が止まる。
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時頼の巫女が目を閉じる。
小さく。
本当に小さく。
笑った。
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三神。
「……あれ?」
「もしかして」
「今のクロガミの方がマシ?」
全員。
「今さら?」




