第4話
‥
第四話
―ヨーダン―
嵐だった。
海上帝国全域が荒れていた。
空のノイズ。
歪む月。
世界そのものが不安定になっている。
⸻
城のバルコニー。
三神凌牙 は海を見ていた。
頭が整理できない。
⸻
セラ。
LOOP。
カグラ。
世界線。
管理者。
全部意味不明。
⸻
「帰りたい……」
三回目だった。
⸻
その時。
海が割れた。
ゴォォォォォン!!
巨大な渦。
海底が見えるほどに。
⸻
城全体が揺れる。
兵士たちが悲鳴。
⸻
エドワド4世が顔を上げる。
エドワド4世
「来たか」
クロガミが嫌そうな顔。
クロガミ
「一番面倒なん来たなぁ」
⸻
三神。
「誰だよ」
静寂。
⸻
海の中心。
巨大な影。
ゆっくり浮上する。
黒い鎧。
蒼い長髪。
異様な威圧感。
⸻
そして。
ポセイドンに似た瞳。
⸻
ヨーダン
彼が海面へ立つだけで。
海が静止した。
⸻
三神。
「……神?」
クロガミ。
「神よりタチ悪い」
⸻
ヨーダンの視線。
真っ直ぐ三神へ向く。
その瞬間。
空気が凍る。
⸻
「……見つけたぞ」
低い声。
世界そのものが震える。
⸻
三神。
「俺?」
ヨーダン。
「セラ」
頭痛。
また。
無数の記憶。
⸻
幼い頃。
誰かと剣を振るっている。
海。
笑い声。
兄。
⸻
三神が膝をつく。
「ぐっ……!」
クロガミが舌打ち。
⸻
「記憶同期早すぎるやろ」
エドワド4世。
「管理者の干渉が強い」
⸻
ヨーダンが城へ近づく。
一歩ごとに海が揺れる。
⸻
「ようやく会えた」
「弟よ」
静寂。
⸻
三神。
「は?」
クロガミ。
「あー……そこ説明してなかったな」
三神。
「説明不足しかねぇよ!!」
⸻
その時。
海が爆発。
巨大な津波。
そこから現れる神。
⸻
ポセイドン
彼はヨーダンを見る。
殺気全開。
⸻
「兄上」
ヨーダン。
「久しいな」
空気が張り詰める。
⸻
三神。
「兄弟なのか!?」
クロガミ。
「せやで」
「ちなみに仲悪い」
⸻
ポセイドンが三叉槍を構える。
「何故ここへ来た」
ヨーダンは静かに答える。
⸻
「決まっている」
「セラを迎えに来た」
その言葉で。
全員の空気が変わる。
⸻
カグラが震える。
カグラ
「……まさか」
ヨーダンは三神を見る。
優しく。
だが。
どこか狂気混じりに。
⸻
「今回は」
「壊させない」
その瞬間。
空に巨大な“目”。
⸻
管理者
世界停止。
ノイズ。
崩壊。
⸻
そして。
空に文字。
⸻
TARGET CONFIRMED
セラ再観測開始
⸻
クロガミが苦笑する。
「ほらな」
「面倒なことなった」
…




