第1話
―またはじめからかいな?―
真っ白な空間。
何もない。
終わりと始まりの狭間。
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巨大な扉。
LOOP
静かに脈打っている。
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その前に立つ男。
黒コート。
黒い笑み。
少し疲れた顔。
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クロガミ
彼は頭を掻きながら扉を見る。
「……またはじめからかいな?」
ため息。
だが。
どこか楽しそうでもあった。
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背後。
光の中。
誰かが落ちてくる。
一般人。
疲れた男。
三十七歳。
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三神凌牙
クロガミは吹き出した。
「今回はオッサン主人公かい」
誰もツッコまない。
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クロガミは扉へ手を伸ばす。
「まぁええ」
「コンティニューや」
LOOPの扉が開く。
光。
海。
そして。
ポセイドンの世界。
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第一話
―神の子の試練―
(本文省略)
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登場人物
―第一話―
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三神凌牙
三十七歳の一般男性。
女神によって“プレイヤー”として選ばれ、異世界へ送られる。
セラの記憶が断片的に混ざり始めている。
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セラ
世界を救えなかった存在。
三神の中へ記憶や因果が流れ込んでいる。
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ポセイドン
海を支配する神。
新たな“セラ”として三神を見定める。
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クロガミ
LOOPを繰り返す存在。
三神へ“コンティニュー”を告げる。
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管理者
世界の異変を感知し、修正を開始する超越存在。
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女神
三神へPLAYER SELECTカードを渡した女性。
セラを救う使命を与える。
第一話
―神の子の試練―
暗い。
寒い。
息が苦しい。
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三神凌牙 は海の中へ沈んでいた。
光が遠い。
身体が動かない。
何が起きたのか分からない。
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「――起きろ」
声。
低い声。
誰かが呼んでいる。
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三神が目を開ける。
そこは。
見たこともない海岸だった。
青い海。
巨大な鳥居。
遠くに見える和風の城。
空には二つの月。
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「……どこだよここ」
頭が痛む。
記憶が曖昧だった。
雨の夜。
女神。
カード。
そして――
“セラを救って”
そこだけ覚えている。
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その瞬間。
空が轟いた。
ゴォォォォン!!
海が荒れる。
巨大な波。
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三神が振り返る。
そこにいた。
巨大な影。
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龍。
いや。
神だった。
海そのものみたいな存在。
蒼い瞳。
圧倒的威圧感。
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ポセイドン
神は三神を見る。
まっすぐ。
まるで見定めるように。
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「……貴様が」
「新しい“セラ”か」
三神。
「は?」
意味が分からない。
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ポセイドンが海を揺らす。
「答えろ」
「何故ここへ来た」
三神。
「知らねぇよ!」
「気づいたらここに――」
その瞬間。
頭痛。
フラッシュバック。
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血。
炎。
崩壊する世界。
泣く少女。
黒い翼。
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そして。
死ぬセラ。
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三神が膝をつく。
「……ッ!」
ポセイドンが目を細める。
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「記憶が混ざっているのか」
三神。
「何なんだよ……セラって」
静寂。
波音だけが響く。
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ポセイドンはゆっくり言った。
「この世界を救えなかった男だ」
その言葉は重かった。
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突然。
空間が歪む。
ザザ……
空にノイズ。
巨大な“目”が一瞬浮かぶ。
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管理者
ポセイドンの顔色が変わる。
「……もう来たか」
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その時。
背後から笑い声。
軽い。
場違いなほど。
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「相変わらず早いなぁ」
振り返る。
黒コート。
黒い笑み。
疲れた目。
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クロガミ
三神。
「お前……!」
クロガミは手を振る。
「よう」
「初回ゲームへようこそや」
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三神。
「ゲーム?」
クロガミは笑う。
だが。
その目だけは笑っていなかった。
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「安心せぇ」
「死んでもコンティニューできる」
静寂。
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三神。
「嫌すぎる説明だな!?」
クロガミが肩をすくめる。
「まぁ頑張れ」
「世界滅亡まで時間ないし」
軽い。
軽すぎる。
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ポセイドンが低く言う。
「クロガミ」
「本当にコイツなのか」
クロガミは三神を見る。
まっすぐ。
少しだけ寂しそうに。
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「今度こそ」
「最後まで行けるかもしれん」
その瞬間。
海が爆発した。
巨大な黒い津波。
空間崩壊。
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ポセイドンが叫ぶ。
「下がれ!!」
三神。
「うおおお!?」
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空の“目”が開く。
世界が軋む。
管理者の声。
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修正開始
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クロガミが笑う。
黒い翼を広げながら。
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「ほな」
「最初の試練や」
―クロガミのはじめての異世界案内―
場所。
観光バス。
なぜかツアー形式。
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ガイド。
クロガミ
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「はい注目〜」
「右手に見えますのが〜」
「世界崩壊現場です」
三神。
三神凌牙
「嫌すぎる観光地だな!?」
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クロガミ。
「左手は六居館跡地」
「現在七割ほど燃えております」
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後ろでララガミが頭抱える。
ララガミ
「案内雑すぎる……」
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さらに。
ポセイドンが海から出現。
ポセイドン
「貴様ァァァ!!」
津波。
バス横転。
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クロガミ。
「次の目的地いきまーす」
三神。
「説明しろぉぉぉ!!」




