第六十七話:
登場人物
―第六十七章:FINAL LOOP―
セラ
FINAL LOOP世界で、過去のLOOP記憶を完全に思い出す。
“何百回も死んできた”事実を受け入れ、再び立ち上がる。
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三神凌牙
FINAL LOOPへ到達した観測者側の人物。
崩壊した世界の真実へ近づいていく。
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クロガミ
管理者と単独で戦い続ける存在。
身体崩壊が進行しているが、セラの到着まで時間を稼ぐ。
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ワダ
FINAL LOOPを監視する存在。
世界崩壊の進行を把握している。
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駄口
未来世界の記録係。
セラの“完全覚醒”を見届ける。
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管理者
FINAL LOOPへ直接干渉する超越存在。
世界そのものを停止・修正できる。
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用語
FINAL LOOP
全LOOP世界が重なった最終観測世界。
ここで敗北すると、全世界線が消滅する。
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FINAL PHASE
管理者が開始した最終段階。
世界崩壊速度が急激に加速する。
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LOOP記憶
過去世界線での経験・死・敗北の記録。
通常は保持できないが、セラは完全覚醒により全記憶を取り戻す。
第六十七章:FINAL LOOP
―最後の世界―
暗闇だった。
音もない。
光もない。
ただ。
落ち続けている感覚だけがあった。
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三神凌牙 は目を開ける。
「……ここは」
立ち上がる。
地面は黒いガラスみたいだった。
空も黒い。
星だけが浮いている。
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その空間の中心。
巨大な時計。
針が逆回転していた。
ギギギギ……
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背後。
LOOPの扉が閉じる。
白い光が消える。
完全な静寂。
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「ようこそ」
声。
振り返る。
そこにいた。
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駄口
その隣に。
ワダ
二人とも真顔だった。
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三神。
「ここが……FINAL LOOP?」
ワダが頷く。
「最終観測世界です」
駄口。
「今までのLOOP全部が重なってる」
その瞬間。
空間に映像が浮かぶ。
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セラの死。
六居館崩壊。
クロガミ消滅。
世界終了。
全部同時に流れていく。
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三神が顔をしかめる。
「地獄かよ」
駄口。
「実際かなり近い」
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その時だった。
遠くで爆音。
轟音。
空間が揺れる。
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巨大な黒炎。
その中心。
誰かが戦っていた。
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黒翼。
黒コート。
崩れた身体。
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クロガミ
そして。
対峙する巨大な“目”。
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管理者
世界サイズの存在。
見るだけで頭が割れそうになる。
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クロガミが叫ぶ。
「まだ来んな!!」
黒炎爆発。
空間崩壊。
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三神が息を呑む。
「……戦ってる」
ワダ。
「時間稼ぎです」
駄口。
「セラが来るまで」
その名前で。
空気が変わる。
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その瞬間。
空間の奥。
白い光。
誰かが歩いてくる。
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ボロボロの身体。
傷だらけ。
それでも。
立っていた。
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セラ
彼の目は。
今までと違った。
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セラが周囲を見る。
三神を見る。
ワダを見る。
駄口を見る。
そして。
空のクロガミを見る。
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静かに。
口を開いた。
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「……全部」
「思い出した」
静寂。
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駄口の顔色が変わる。
ワダも目を細める。
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三神。
「何を」
セラの瞳。
そこには。
無数のLOOPが映っていた。
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「俺」
「何百回も死んでる」
その声は震えていない。
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クロガミが空で笑う。
血を吐きながら。
「やっとや」
管理者が空間を歪ませる。
巨大な圧力。
世界が砕け始める。
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ワダが叫ぶ。
「時間がありません!」
駄口。
「FINAL LOOPが閉じる!」
巨大時計の針が加速する。
ギギギギギギ!!
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セラが前へ出る。
クロガミを見る。
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「アンタ」
「ずっと一人で戦ってたのか」
クロガミは笑う。
いつもの笑み。
だけど。
少しだけ弱かった。
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「今さら気づいたんか」
その瞬間。
管理者の巨大な目が開く。
世界停止。
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空に文字。
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FINAL PHASE START
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そして。
世界が完全に崩壊を始めた。
―また最初へ―
真っ白な空間。
何もない。
音もない。
時間もない。
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そこに一人立っている。
セラ
彼は静かに周囲を見る。
「……またか」
その声は。
どこか慣れていた。
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遠く。
足音。
コツ。
コツ。
ゆっくり近づいてくる。
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黒コート。
黒い笑み。
疲れた目。
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クロガミ
セラは苦笑する。
「何回目だよ」
クロガミ。
「数えるのやめた」
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二人の間に。
巨大な扉。
LOOP
静かに脈打っている。
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セラ。
「……次は勝てるのか」
クロガミは少し黙る。
そして。
いつものように笑った。
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「知らん」
「無責任だな」
「せやけど」
クロガミが扉を見る。
その目は。
少しだけ優しかった。
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「お前、毎回立ち上がるやろ」
静寂。
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セラは笑う。
少しだけ。
本当に少しだけ。
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その時。
LOOPの扉がゆっくり開く。
光。
風。
新しい世界。
新しい始まり。
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遠くで誰かの声。
『目覚めたかこのこの女ったらし』
セラが目を見開く。
クロガミが吹き出す。
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「……戻ったな」
また最初。
また始まり。
また繰り返す。
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それでも。
セラは歩き出す。
終わらせるために。
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クロガミが最後に笑う。
少し寂しそうに。
少し嬉しそうに。
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「ほな」
「コンティニューや」




