↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界落胤セラ ~ポセイドンに捨てられた俺は、救うたびに誰かを溺れさせる~  作者: マーたん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

82/111

第六十三話:

―黒い招待状―


深夜。


喫茶店。


雨音だけが響いている。


⸻


カウンターで皿を拭く ワダ 。


窓際で煙草を弄ぶ 三神凌牙 。


そして。


天井を見ながらジュースを飲む 駄口 。


平和。


一応。


⸻


駄口がぽつり。


「ねぇワダ」


「今日、来るよ」


ワダ。


「でしょうね」


三神。


「何の話だ」


二人とも答えない。


嫌な予感しかしない。


⸻


その瞬間。


店のベルが鳴る。


カラン。


空気が凍る。


⸻


入ってきたのは。


黒い男。


静かな笑み。


異常な存在感。


⸻


好慊


彼はゆっくり笑った。


「迎えに来ました」


その一言で。


喫茶店の温度が下がった。


⸻


登場人物


―第六十三章:好慊―


⸻


三神凌牙


LOOP後の世界で違和感を抱え続ける男。

徐々に“世界の裏側”へ近づいていく。


⸻


ワダ


喫茶店で働く謎の存在。

LOOPや観測世界について知識を持つ。


⸻


駄口


未来のララガミ系統存在。

“記録係”として数々の敗北世界を観測している。


⸻


クロガミ


LOOPを支える楔のような存在。

崩壊率が六割を超えていることが判明する。


⸻


好慊


クロガミ直属の執行者。

三神凌牙を迎えに現れる。


静かな口調とは裏腹に、異常な威圧感を持つ。


⸻


セラ


次のLOOPで死ぬ可能性が示唆される存在。

第六十三章:好慊


―黒い来訪者―


夜だった。


雨が降っている。


LOOPの扉が消えた後の喫茶店。


静寂。


壊れた時計だけが止まっていた。


⸻


三神凌牙 は椅子に座ったまま動けなかった。


目の前。


未来のララガミ。


観測者。


記録係。


情報量が多すぎた。


⸻


駄口 は静かにコーヒーを飲む。


「落ち着いた?」


三神。


「無理だ」


「正常です」


⸻


カウンターでは ワダ が皿を拭いていた。


いつも通り。


何事もないように。


⸻


三神が睨む。


「お前も説明しろ」


ワダ。


「面倒です」


「逃げるな」


⸻


駄口が笑う。


「まあまあ」


その時だった。


店の照明が揺れる。


ピシ。


空気が軋む。


⸻


ワダの手が止まる。


駄口の表情が消える。


三神だけが気づいていない。


⸻


「……来た」


駄口が低く呟く。


次の瞬間。


店の入口が開いた。


ベルも鳴らない。


音もない。


ただ。


黒い男が立っていた。


⸻


長いコート。


黒手袋。


片目を隠す前髪。


そして。


異常なまでに静かな笑み。


⸻


好慊


男はゆっくり店へ入る。


その瞬間。


世界の温度が下がった。


⸻


三神が眉をひそめる。


「……誰だ」


ワダが珍しく真顔になる。


駄口も黙った。


⸻


好慊は三神を見る。


そして。


にこりと笑った。


「初めまして」


「三神凌牙さん」


その声だけで。


背筋が凍る。


⸻


三神。


「俺を知ってるのか」


好慊。


「当然です」


「あなたは観測対象ですから」


空気が止まる。


⸻


駄口が立ち上がる。


「どうしてここにいるの」


好慊は視線だけ向けた。


「クロガミ様の命令です」


その名前で。


空気がさらに重くなる。


⸻


三神。


「クロガミ……」


好慊は静かに頷いた。


「ええ」


「あなたを迎えに来ました」


⸻


ワダが低く言う。


「まだ早い」


好慊。


「時間がありません」


「LOOPが崩れ始めています」


店内の時計が逆回転を始める。


ギギギギ……


⸻


駄口が睨む。


「……どこまで進んでるの」


好慊は少しだけ笑みを消した。


「クロガミ様の崩壊率」


「すでに六割を超えました」


沈黙。


⸻


三神。


「崩壊率?」


好慊は窓の外を見る。


雨の向こう。


歪む世界。


⸻


「クロガミ様は」


「LOOPを維持する“楔”です」


「ですが」


「繰り返しすぎた」


その声は静かだった。


⸻


「もう限界が近い」


駄口が拳を握る。


ワダは目を閉じる。


⸻


三神だけが置いていかれていた。


「待てよ……」


「何なんだよ全部」


⸻


好慊が近づく。


静かに。


逃げ場を塞ぐように。


そして。


三神へ一枚の黒い紙を差し出した。


⸻


そこに書かれていた。


次のLOOPで

セラが死ぬ


三神の呼吸が止まる。


⸻


好慊は微笑む。


「だから」


「あなたが必要なんです」


その瞬間。


喫茶店の奥で。


再びLOOPの扉が軋み始めた。

―好慊の面接会場―


場所。


なぜか会議室。


ホワイトボード完備。


⸻


前に立つ 好慊 。


後ろで見守る クロガミ 。


⸻


好慊。


「本日は」


「クロガミ陣営採用面接へようこそ」


三神。


「帰っていいか?」


⸻


好慊。


「質問です」


「特技は?」


三神。


「特にない」


「趣味は?」


「疲れるから無い」


⸻


好慊メモ。


陰キャ適性:高


三神。


「何の評価だ」


⸻


後ろでクロガミ爆笑。


「ええやん!」


「向いとるで!」


⸻


駄口がジュース飲みながら言う。


駄口


「この職場ブラックだよ」


クロガミ。


「言うな」


⸻


ワダも頷く。


ワダ


「残業、世界崩壊、LOOP対応あります」


三神。


「最悪だろ」


⸻


好慊。


「ですが安心してください」


「有給はあります」


全員。


「あるんだ……」


⸻


クロガミが胸を張る。


「ホワイト企業や!」


その瞬間。


後ろで世界が爆発。


\ドゴォォォン!!/


駄口。


「説得力ゼロ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。