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異世界落胤セラ ~ポセイドンに捨てられた俺は、救うたびに誰かを溺れさせる~  作者: マーたん


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第六十一話:

登場人物


―第六十一話:敗れたり―


セラ


管理者へ最後まで抗おうとする主人公。

しかし六居館全戦力でも届かず、絶望を味わう。


LOOP発動時の記憶が断片的に残り始める。



クロガミ


管理者へ反逆するが、限界を迎える。

“敗けた”と認めた直後、LOOPの存在を察知する。


世界が巻き戻る中、何かを理解している様子を見せる。



ララガミ


未来崩壊後の世界を知る少女。

LOOPの扉出現を誰より早く察知する。



夜叉姫


クロガミを支え続ける。

LOOPを“最悪の現象”と認識している。



焔牙


最後まで諦めず戦う。

管理者へ全力の冥炎を放つが通用しない。



鳥羽姫


崩壊していく仲間たちを目の当たりにする。

LOOP発動時、セラの声を最後に聞く。



ポセイドン


全海流を用いた最大攻撃を放つ。

六居館連携攻撃の中心となる。



アポローン


超高熱の太陽炎を展開。

最後まで戦意を失わない。



トリードン


深海の力で管理者へ挑む。

海そのものを武器にする。



ゲッセンカ


未来収束によって勝利の可能性を探る。

しかし未来そのものを閉ざされる。



ライコウカ


雷速による最大攻撃を敢行。

管理者へ真正面から挑み続ける。



お館様


LOOP現象を“因果逆流”と呼ぶ。

過去に同じ現象を知っている様子を見せる。



管理者


六居館の総攻撃を受けても無傷。

世界修正を開始し、LOOP発生の引き金となる。



用語


LOOP


世界そのものを巻き戻す謎の現象。

敗北した時間軸を“最初の地点”へ戻す。


記憶の大半は消えるが、一部だけ残留する場合がある。



因果逆流


お館様がLOOPを呼んだ名称。

世界線・時間・記憶を強制的に巻き戻す禁忌現象。



管理者修正


管理者が行う世界再構築。

抵抗勢力や未来誤差を消去し、物語を修正する力。

第六十一章:敗れたり


―LOOP―


静かだった。


あれほど崩壊していた世界が。


逆に静かすぎた。



空に浮かぶ巨大な“目”。


管理者


世界そのものを観測する存在。


その視線は。


確実に六居館を追い詰めていた。



黒翼を広げた クロガミ が空を見る。


だが。


身体の崩壊が止まらない。


黒い粒子が舞う。


存在が削れていく。



夜叉姫 が影を伸ばす。


「支えきれません」


クロガミ。


「十分や」


その声はもう弱かった。



焔牙が立ち上がる。


焔牙


「まだ終わってねぇ!!」


冥炎解放。


最後の炎。


全力。



アポローンが笑う。


アポローン


「乗ったァ!!」


超高熱の太陽。


ライコウカが雷を纏う。


ライコウカ


「全部ぶち込む!!」



トリードンが海を開く。


トリードン


「深海よ、喰らえ」


死海解放。


ゲッセンカが未来を切り裂く。


ゲッセンカ


「未来収束開始」



六居館。


全当主。


全戦力。


一点集中。


管理者へ。



そして。


最後。


ポセイドンが前へ出た。


ポセイドン


「派手に行くぞぉぉ!!」


巨大な海神槍。


世界海流そのものを纏う。



「これが!」


「海神の全力じゃ!!」


全員同時攻撃。


世界が白く染まる。



沈黙。


煙。


崩れた空間。


誰も動かない。


そして。


巨大な“目”が開いた。


無傷。



絶望。


鳥羽姫が震える。


鳥羽姫


「そんな……」


焔牙。


「……嘘だろ」



管理者の声。


「――抵抗確認終了」


「――修正開始」


その瞬間。


空から無数の光。


世界貫通。



アポローンの炎が消える。


ライコウカの雷が砕ける。


トリードンの海が蒸発。


ゲッセンカの未来が閉じる。



ポセイドンが叫ぶ。


「伏せろ!!」


だが遅い。


光が貫く。


六居館。


全員。


崩壊。



セラが叫ぶ。


セラ


「やめろぉぉぉぉ!!」


届かない。



クロガミが空を見る。


そして。


小さく呟いた。


「……敗けたか」


初めてだった。


クロガミが負けを認めた。



その時。


世界の奥で。


何かが軋む。


ギギギギ……


巨大な扉。


どこにも存在しない扉。


黒い輪。


無数の時計。



ララガミ が目を見開く。


「……来る」


クロガミが振り返る。


「まさか」



扉が開く。


LOOP


文字が浮かぶ。


世界が止まる。



お館様が立ち上がる。


お館様


「因果逆流……!」


夜叉姫が低く呟く。


「最悪ですね」



LOOPの扉が完全に開く。


光。


轟音。


世界が巻き戻される。



セラが叫ぶ。


「待て!!」


鳥羽姫へ手を伸ばす。


だが。


届かない。


全部が白になる。



クロガミだけが笑った。


寂しそうに。


「……また最初からか」


その瞬間。


全員の意識が吹き飛ぶ。



次に目を開けた時。


そこは――


最初の場所だった。

―LOOPの扉の向こう―


真っ白な空間。


上下も。


時間も。


存在しない。


ただ。


巨大な扉だけがあった。



LOOP


無数の時計。


崩れた文字。


世界の残骸。


扉は静かに脈打っている。



その前に立つ一人の女性。


長い白金の髪。


閉じた瞳。


神々しい衣。


まるで太陽そのもの。



アマテラス


彼女は静かに扉を見る。


何度も。


何度も。


繰り返される世界を。



その背後。


空間が揺れる。


半透明の クロガミ が現れる。


「……また巻き戻ったな」


アマテラスは振り返らない。


「何回目ですか」


クロガミ。


「数えるのやめた」



沈黙。


遠くで。


無数の世界が壊れる音。



アマテラスが小さく呟く。


「今回も失敗」


「せやな」


クロガミは笑う。


だが。


疲れていた。



アマテラス。


「まだ続けるのですか」


クロガミ。


「当たり前や」


「アイツが諦めてへん」


その言葉で。


アマテラスが少しだけ目を細める。



「セラですか」


クロガミ。


「せや」


「アイツは何回負けても立つ」


「せやから」


「ワシも降りられへん」


LOOPの扉が軋む。


また世界が動き始める。



アマテラスが扉へ触れる。


すると。


無数の世界線が映る。


死ぬセラ。


壊れる六居館。


泣くララガミ。


消える鳥羽姫。


全部。


未来。



アマテラス。


「このままでは」


「いずれあなたも消えます」


クロガミ。


「知っとる」


笑う。


「まぁ神様も楽やない」



その時。


扉の奥から声。


微かに。


少年の声。


『……諦めるかよ』


アマテラスが目を見開く。


クロガミは笑った。


「聞こえたか」



LOOPの扉がゆっくり開く。


新しい世界。


新しい始まり。


新しい絶望。



アマテラスが静かに問う。


「次はどうします」


クロガミは扉へ歩き出す。


「決まっとる」


黒い背中。


少しだけ寂しそうで。


それでも前を向いていた。



「次こそ」


「救ったる」

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