第五十七話:
―ララガミホット一息 パパを罵る編―
薄暗い部屋。
机。
湯のみ。
なぜか正座している クロガミ 。
珍しく静か。
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その前。
腕組みして立つ少女。
ララガミ
「……で?」
クロガミ。
「はい」
完全に怒られている。
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ララガミがため息。
「パパさぁ」
「何百年生きてるか知らないけど」
「生活能力ゼロだよね?」
クロガミ。
「急に重い話やめぇ」
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ララガミ指差す。
部屋。
散らかり放題。
謎の書類。
謎の黒いモヤ。
カップ麺。
半透明の靴下。
終わってる。
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焔牙が後ろで吹き出す。
焔牙
「うわぁ……」
鳥羽姫ドン引き。
鳥羽姫
「最低です」
クロガミ。
「味方おらんやん」
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ララガミが紙を掲げる。
「あとこれ」
「居館会議の報告書」
「“めんどいから後で”って何?」
クロガミ。
「後でやるつもりやった」
「三百年前から言ってる」
空気止まる。
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後ろで アポローン が爆笑。
「ダメ親父すぎるだろ!」
クロガミ。
「笑うな太陽野郎!」
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ララガミはさらに続ける。
「あと無駄にカッコつける」
「すぐ消えかける」
「意味深発言多い」
「肝心な時説明しない」
焔牙。
「全部合ってる」
夜叉姫頷く。
夜叉姫
「うるさい所も追加で」
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クロガミが崩れ落ちる。
「精神ダメージがエグい」
ララガミ。
「事実だから」
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そこへ。
静かに現れる お館様 。
クロガミが助けを求める。
「お館様ぁ……」
お館様。
「諦めろ」
「親とはそういうものだ」
クロガミ。
「なんか深いこと言われた」
⸻
ララガミが最後に一言。
「でもまぁ」
少し笑う。
「嫌いじゃないけどね」
沈黙。
⸻
クロガミ。
固まる。
数秒後。
顔真っ赤。
「うおおおおお!!」
「今録音した!?!?」
焔牙。
「してねぇよ」
鳥羽姫。
「気持ち悪いです」
⸻
クロガミが天を仰ぐ。
「娘って凄いなぁ……」
その後ろで。
ララガミが小さく笑っていた。
第七十五章
本当は、第五十七章::六居館ゲーム大戦
―さあ始まったで―
暗転。
静寂。
そして。
巨大なスクリーンに文字が浮かぶ。
―六居館特別企画―
『生き残れ!! 六居館ゲーム大戦』
爆音。
\ドォォォン!!/
花火。
雷。
炎。
なぜか紙吹雪。
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中央ステージ。
黒スーツ姿の男。
マイク片手。
無駄にノリノリ。
クロガミ
「さぁ始まったでぇぇぇ!!」
「六居館全てのゲームや!!」
観客拍手。
パチパチパチ!!
⸻
焔牙、頭抱える。
焔牙
「世界観どうなってんだ」
鳥羽姫も困惑。
鳥羽姫
「七十四章の不穏さ返してください」
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そこへ。
ゆっくりと現れる白衣の老人。
空気が静まる。
六居館全員が姿勢を正す。
お館様
「騒がしいな」
クロガミ。
「神とは思えん登場の仕方やな」
お館様。
「お前にだけは言われたくない」
即返し。
⸻
その時。
ステージ照明が落ちる。
スポットライト。
小さな影。
観客ざわつく。
「誰や?」
「新キャラ?」
「また増えたぞ」
⸻
影が前へ出る。
黒髪。
赤い瞳。
クロガミに似た笑み。
だが。
どこか幼い。
ララガミ
「どーもー」
「初登場でーす」
沈黙。
全員。
固まる。
⸻
クロガミ。
「……は?」
焔牙。
「娘?」
鳥羽姫。
「娘!?」
アポローン吹き出す。
アポローン
「ブハッ!!」
ライコウカですら目を見開く。
ライコウカ
「初耳だぞ」
⸻
ララガミが笑う。
「パパ〜」
クロガミ。
「待て待て待て待て」
「誰がパパや」
ララガミ即答。
「クロガミ」
「説明雑!!」
⸻
ゲッセンカが静かに見る。
ゲッセンカ
「……似ていますね」
夜叉姫が頷く。
夜叉姫
「うるさい所が特に」
クロガミ。
「悪口やん」
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お館様が咳払い。
「静まれ」
全員止まる。
やはり強い。
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お館様はララガミを見る。
「……生きていたか」
空気が変わる。
クロガミの笑みが消える。
「お館様」
「知っとったんか」
静寂。
ララガミだけ笑っている。
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ララガミはステージ中央で回る。
「今日はゲームするんでしょー?」
「負けた人は罰ゲーム!」
焔牙。
「嫌な予感しかしねぇ」
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巨大スクリーン点灯。
第一ゲーム。
『管理者から逃げ切れ!!』
全員。
「重い!!」
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その瞬間。
空が裂ける。
巨大な“目”。
管理者
「――ゲーム開始確認」
会場沈黙。
クロガミ。
「ガチで来るんかい」
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ララガミが笑う。
その笑顔は。
どこかクロガミに似ていた。
「じゃあ始めよっか」
「六居館ゲーム大戦」
その瞬間。
世界全体が、“ゲーム盤”へ変わった。
登場人物
―第七十五章:六居館ゲーム大戦―
ララガミ
突如現れた謎の少女。
クロガミを「パパ」と呼ぶ。
見た目や雰囲気がクロガミに酷似しているが、その正体は不明。
無邪気だが、どこか危険な空気を纏っている。
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クロガミ
六居館ゲーム大戦の司会進行役。
ララガミの登場に激しく動揺する。
“娘”という言葉に心当たりがある様子を見せる。
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お館様
六居館の中心人物。
ララガミの存在を以前から知っていた様子を見せる。
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焔牙
六居館ゲームへ半ば強制参加。
状況についていけていない。
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鳥羽姫
六居館ゲーム大戦の異常さに困惑する姫君。
ララガミの登場へ強い驚きを見せる。
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アポローン
ゲームを楽しみ始めている炎の当主。
クロガミの“娘疑惑”を面白がっている。
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トリードン
静観している深海の当主。
ララガミの存在に違和感を覚えている。
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ゲッセンカ
未来視でララガミを観測しようとするが、“見えない”。
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ライコウカ
ララガミの出現に警戒を強める。
異常な雷反応を感知している。
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夜叉姫
ララガミを見て、“外側の気配”を感じ取る。
クロガミとの関係性を疑っている。
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管理者
六居館ゲーム大戦そのものへ干渉を開始する存在。
“ゲーム”を正式な観測対象として認識する。
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用語
六居館ゲーム大戦
ララガミの登場によって始まった謎のゲーム。
六居館全当主と白都側が強制参加させられる。
ゲーム内容は異常にふざけているが、失敗すると現実へ影響が出る。
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管理者から逃げ切れ!!
ゲーム大戦第一競技。
観測され続ける限り終わらない、逃走型デスゲーム。




