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異世界落胤セラ ~ポセイドンに捨てられた俺は、救うたびに誰かを溺れさせる~  作者: マーたん


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第二十二話:

登場人物


セラ


本作の主人公。

神々に翻弄され続けた出自を持ちながらも、今は家族と仲間を守るため戦う男。

海王と冥王を退けた後、今度は空の国に隠された過去の罪へ向き合うことになる。

第二十二章では、レアの告白を聞き、神々の所業に強い怒りを抱く。



烏羽姫


黒翼の都を治める姫。

誇り高く、強く、民を守る覚悟を持つ女性。

しかし第二十二章で、自らの母の故郷が滅ぼされた真実を知り、大きな衝撃を受ける。

娘として、王族として、過去と対峙する立場となった。



レア


白翼を持つ謎の少女。

その正体は、長き時を生かされ続けた存在であり、バイオレットの国と深く関わる人物。

かつて ゼウス に利用され、数奇な運命を強いられてきた。

第二十二章では物語の核心に迫る証言者となる。



美兎姫


烏羽姫の母。

かつて平和な王国・バイオレットの国に生まれた姫君。

優しさと気高さを兼ね備え、民を守るため命を落としたとされる。

第二十二章では、烏羽姫の心の支柱であった人物として描かれる。



バイオレットの国


紫翼の民が暮らした美と学芸の王国。

争いを嫌い、穏やかな文化国家として栄えていた。

しかし神々の思惑に巻き込まれ、侵略により滅亡した悲劇の国。

本章では、その滅亡の記憶が明かされる。



ボサノバ将軍


海王軍に属した残虐な将軍。

武功と暴力を誇り、バイオレットの国侵攻の先鋒を務めた。

「血を洗え」と叫びながら国を焼いた、恐怖の象徴。

第二十二章では亡霊として再び現れる。



妖婆ガラ


神々に従い、人の命を弄んできた邪悪な魔女。

レアを道具として延命させ、利用し続けた張本人。

不気味な知恵と呪術を操り、多くの女性たちの苦しみに関わった存在。



ゼウス


神々の王。

この物語では支配欲と欲望の象徴として描かれる。

多くの女性たちを利用し、子を産ませ続けた過去が語られる。

第二十二章では、ポセイドンやハデスとは別の意味で神々の罪を象徴する存在。



空牙


セラの実子。

名を取り戻し、父と共に未来を生きようとする少年。

本章では過去の悲劇を知り、次の世代として何を守るべきかを学び始める。



焔牙


セラに育てられた青年戦士。

明るく豪快な性格で、重い空気の中でも仲間を支える。

血縁ではないが、確かな家族の絆を持つ存在。

第二十二章:白翼の王女


―紫の亡国と、神に喰われた女たち―


 


黒翼の都を覆う闇の中。


 


白き翼の少女、レア は静かに中央塔を見上げていた。


 


その横顔には、年齢に似合わぬ深い疲れがあった。


 


セラは剣を肩に担ぎ、隣へ立つ。


 


「お前、何者だ」


 


レアは少し笑う。


 


「王女だよ」


 


「……でも、それだけじゃない」


 


 


烏羽姫が険しい表情で歩み寄る。


 


烏羽姫。


 


 


「その顔……見覚えがある」


 


 


レアはゆっくり頷いた。


 


 


「あなたのお母さまに、似ているから」


 


 


その言葉に、都がざわめいた。


 


 


「母上……?」


 


 


烏羽姫の脳裏に、幼き日の記憶がよぎる。


 


優しく笑う女性。

紫の花を髪に挿した、美しい翼の姫。


 


 


美兎姫。


 


 


そして、その隣にいつもいた親友。


 


紫銀の髪。

透き通る瞳。

白翼を持つ少女。


 


 


――レア。


 


 


「……嘘だ」


 


烏羽姫が震える。


 


「レアは、母上と同じ時代の人間……!」


 


 


「人間じゃないからね」


 


レアは淡々と答えた。


 


 


「私は、ゼウスに作られた器」


 


 


空気が凍る。


 


 


セラの眉が動く。


 


「また神か」


 


 


レアは笑わなかった。


 


 


「ゼウス は世界中の女たちに子を産ませた」


 


「王族にも、巫女にも、村娘にも」


 


「愛なんて無い。ただ力ある子種を撒いただけ」


 


 


小鴉が青ざめる。


 


「最低すぎる……」


 


 


レアは続ける。


 


 


「私はその一人」


 


「そして、いらなくなった子」


 


 


その時、地面が揺れた。


 


中央塔の闇が渦を巻き、古戦場の幻が広がる。


 


紫に染まる大地。

燃える城。

泣き叫ぶ民。


 


 


「これは……」


 


空牙が息を呑む。


 


 


レアが目を閉じる。


 


 


「滅ぼされた国――」


 


バイオレットの国


 


「私と美兎姫の故郷」


 


 


かつて空の西方に栄えた、美と学芸の王国。

紫翼の民が暮らし、戦を嫌った平和の地。


 


だがその国は、一夜で滅んだ。


 


 


現れたのは黒鉄の軍勢。


 


先頭に立つ巨大な武人。


 


獅子の兜。

無数の勲章。

血塗れの大槍。


 


 


ボサノバ将軍


 


 


「海王 ポセイドン の命により粛清する!」


 


 


彼は笑いながら都を焼いた。


 


「紫の血を洗え!」


 


「神の血以外、価値はない!」


 


 


烏羽姫が膝をつく。


 


「母上は……この時……」


 


 


レアの声は静かだった。


 


 


「美兎姫は民を逃がして死んだ」


 


「私は捕らえられた」


 


 


「その後、妖婆ガラ に渡された」


 


 


闇の中に老婆の姿が浮かぶ。


 


曲がった背。

爪のような指。

濁った笑い声。


 


 


「良い器じゃ、良い器じゃ」


 


 


ガラはレアに呪術を施し、命を繋ぎ止め、若さを奪い、時を止めた。


 


そして神々へ差し出した。


 


 


「ゼウスの子をまた産め」


 


「次も、その次も、その次もな」


 


 


小鴉が吐きそうな顔になる。


 


 


セラの拳が軋む。


 


 


「……胸糞悪い話だ」


 


 


レアは初めて微笑んだ。


 


 


「だから、もう終わらせたい」


 


 


その瞬間、闇の幻から巨大な軍勢が現れる。


 


亡きボサノバ軍の残滓。

焼かれた兵の怨念。

滅国の記憶そのもの。


 


 


ボサノバ将軍の亡霊が槍を掲げる。


 


 


「紫を再び滅ぼせ!」


 


 


烏羽姫が翼を広げる。


 


 


「違う」


 


「今度は、私たちが守る番だ!」


 


 


セラが剣を抜く。


 


空牙が拳を構える。


 


焔牙が笑う。


 


レアは白翼を広げた。


 


 


亡国の涙を晴らす戦いが、始まる。

この章の真相


* レア は烏羽姫の母 美兎姫 と同時代を生きた存在

* バイオレットの国 は平和な王国だったが滅ぼされた

* 侵略したのは ボサノバ将軍 の軍勢

* レアは ゼウス に利用された女性の一人だった

* 妖婆ガラ によって長く生かされ、道具として扱われていた

* 烏羽姫は母の祖国の真実を知る

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