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異世界落胤セラ ~ポセイドンに捨てられた俺は、救うたびに誰かを溺れさせる~  作者: マーたん


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25

―編集部崩壊会議―


世界が終わった。


LOOPも壊れた。


管理者も消えた。


シンガミが全てを書き換えた。



……はずだった。



だが。


物語は終わらない。


なぜなら。



「この漫画、どう収拾つけるんですか?」



編集者の一言で。


全てが始まったからである。



黒い異世界。


シンガミ世界。


その果てで始まる。


まさかの編集会議。



主人公。


設定。


人気投票。


打ち切り危機。



そして。


“次の主人公問題”。



物語は。


ついに作者すら巻き込み始める。



第二十五話。


―編集会議―


開幕。



登場人物


―第二十五話:編集会議―



三神凌牙


本来の主人公。

しかし編集会議で「最近空気」と言われ始める。



セラ


LOOPの中心人物。

次期主人公候補として編集部に注目される。



シンガミ


世界を書き換えた存在。

編集会議にも当然のように参加する。



クロガミ


関西弁の観測者。

「全部夢オチ」を提案する危険人物。



ララガミ


編集会議で通販回の被害者だったと判明する。



フィリア


鐘担当になりつつある少女。

比較的まとも。



時頼の巫女


時間管理役。

しかし最近は時間そのものが壊れている。



クマガワタクミ


設定過多の原因を冷静に分析する存在。



小鴉


旅物語路線を提案する黒傘の剣士。



鴉天狗


キャラ説明不足を指摘する監視者。



編集者A


「この漫画つまらない」と言った勇者。



謎の編集長


最後に現れた謎の編集長。

「次の主人公は誰だ」と問いかける。

第二十五話


―編集会議―


真っ白な部屋。


長机。


積み上がる原稿。


空の缶コーヒー。



その中央。


頭を抱える男。



三神凌牙



「……あー」


「この漫画つまらない」


静寂。



周囲が凍る。



編集者達。


ざわっ……



セラ


「言っちゃった」



ホワイトボードには。


大きく。



【シンガミ編】



と書かれている。



三神。


「いやだってさ!?」


「世界消滅しすぎだろ!!」



編集者A。


「確かに」


編集者B。


「キャラも増えすぎましたね」



ララガミ


「私途中から通販担当だったよ!?」



フィリア


「私は鐘しか鳴らしてません……」



時頼の巫女


「もはや時間管理できてません」



机の奥。


腕組み。



クマガワタクミ


「設定を盛りすぎた結果だ」



三神。


「先生どうしましょうか?」


その瞬間。


部屋の照明が落ちる。



バチッ……



黒いノイズ。


白いノイズ。



編集部の壁が裂ける。



そこから現れる。


白黒混合コート。



シンガミ



全員。


「出たぁぁ!!」



シンガミは静かに原稿を見る。



『問題確認』


『売上低下』


三神。


「メタやめろ!!」



シンガミ。


『改善案提示』


空へ文字。



∴ 新章開始

Λ 学園編

0 温泉回



全員。


「急に!?」



ララガミ。


「温泉回いいじゃん!」


フィリア。


「えぇ……」



小鴉が日傘を差しながら現れる。



小鴉


「戦闘減らして旅物にしたらええ」



鴉天狗が資料を見る。



鴉天狗


「あとキャラ説明不足だ」



セラ。


「まともな意見だ……!」



すると。


編集部奥の扉。


ゆっくり開く。



ギギ……



そこから現れる。


関西弁。


黒コート。


ニヤニヤ笑顔。



クロガミ



『全部夢オチにしたらええねん』


全員。


「最低だぁ!!」



クロガミ。


『ほなタイトル変えよか』


ホワイトボードへ勝手に書く。



【シンガミと愉快な異世界編集部】



三神。


「終わった……」



その時。


編集長席。


今まで空席だった場所。



そこへ座る影。



真っ黒。


顔が見えない。



全員が黙る。



影が静かに言う。



「で」


「次の主人公は誰にする?」


静寂。



全員の視線。


一斉に。


セラへ向いた。



セラ。


「え」



シンガミ。


『主人公交代案』



セラ。


「待ってぇぇぇ!!」

―編集長の言葉―


編集部。


静寂。


誰も喋らない。



ホワイトボード。



【打ち切り危機】

【主人公交代案】

【温泉回検討中】



三神が頭を抱えている。



三神凌牙


「終わった……」



セラもぐったりしていた。



セラ


「もう普通の漫画にしようよ……」



その時。


編集部最奥。


暗かった席。


そこへ光が落ちる。



ギィ……


椅子が動く。



全員が息を呑む。



座っていたのは。


黒いスーツ。


顔が影で見えない男。



謎の編集長



編集長が静かに原稿をめくる。


パラ……


パラ……



シンガミですら黙る。



シンガミ



編集長。


「なるほど」


一言。


重い。



クロガミが小声。



クロガミ


『怒っとる?』


小鴉。



小鴉


「たぶんな」



編集長がゆっくり立ち上がる。



「お前達」


静寂。



「設定を盛りすぎだ」


全員。


「ですよねぇ!!」



編集長。


「世界は何回壊れた?」


三神。


「……数えてません」



「観測者は何人いる?」


セラ。


「増えました」



「なぜ野球拳をした?」


シンガミ。


『必要だった』


編集長。


「必要ない」


即死。



ララガミが吹き出す。



ララガミ


「編集長つよ」



編集長は窓の外を見る。


真っ黒な異世界。


崩壊したLOOP。


壊れた物語。



そして。


静かに言う。



「だが」


全員が顔を上げる。



「つまらない訳じゃない」


静寂。



三神。


「え……」



編集長。


「お前達は」


「ちゃんと苦しんでいる」



セラの目が揺れる。



「失敗して」


「迷って」


「壊れて」


「それでも進もうとしている」



編集長が原稿を閉じる。



「物語ってのはな」


「綺麗だから面白いんじゃない」


静かな声。



「必死だから面白いんだ」


世界停止。



シンガミの瞳が少しだけ揺れる。



編集長。


「だから」


「まだ終わるな」



沈黙。


誰も喋れない。



そして編集長は最後に笑う。


少しだけ。



「……あと通販回は減らせ」



クロガミ。


『そこぉ!?』

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